2018年05月20日

●UNIEVERSAL STUDIOS JAPAN Day2

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 ブッフェダイニング「アーカラ」の朝ごはん。
 小さなハンバーガー「マヒナサンド」がかわいい。

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 天気は晴れ。客室から全景を見渡して、いざUSJへ。

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 GW後の比較的空いてる時期ということもあってか、アーリーパークインで入場すると、エクスプレス・パス7を使うまでもなく、「ウィザーディング・ワールド・オブ・ハリー・ポッター」にすんなり入場。

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  「ホグズミード村」の街並みの作り込みがすごくて、本当に映画の中に迷い込んだような感覚が楽しい。「オリバンダーの店」で魔法の杖を選ぶ寸劇と商魂を楽しんだ後、「ホグワーツ城」に入場!
 「ハリー・ポッター・アンド・ザ・フォービドゥン・ジャーニー」。箒に乗って空を飛び、クィディッチをプレイし、悪霊の冷気を浴び、ドラゴンの炎をくぐり抜ける。3Dメガネなしの驚異のリアル&VR体験!
 「フライト・オブ・ザ・ヒッポグリフ」。小さなジェットコースター。

 昔懐かしの「ジョーズ」は、派手な炎の演出にビックリ。

 「ジュラシック・パーク」に移動して、「ザ・フライングダイナソー」。普段は怖くて乗らないのに、空いててつい勢いで入場。「大きな翼竜に背中を掴まれて空を飛ぶ」という大胆なコンセプトを忠実(?)に再現して、出発前に座椅子が90°回転して、「下」を向く。上半身だけでなく、しっかり足も固定されているので、安心だけれども、ぶら下っている感じはやはり異質。通常のジェットコースター同様、アップダウンのある体験に加えて、錐揉み状の横回転がプラス!空中で放り出されるような感覚は、未体験ゾーン。もう視界がグルグル回って何や何やら。レールが園内を横断しているので、園内で歩いている人たちの上を通る。落下防止ネットはあるし、落下物防止に手回り品は全て預けさせられるけれども、やはり危うい。最後は激突する勢いで地表面に突っ込む。しばらく興奮冷めやらぬ、凄い体験でした。でも1度で良いです。
 「ジュラシック・パーク・ザ・ライド」。水に濡れる急流すべり。

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 「ミニオン・パーク」
 「ミニオン・ハチャメチャ・ライド」。お馴染みのグルー、三姉妹、ミニオンたちといっしょに飛んだり跳ねたり。

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 ワラワラと賑やかで大人気のミニオンがいっぱい。

 「ファイナルファンタジーXRライド」。クラウドとセフィロスが一瞬登場。安定のVR映像。

 「美少女戦士セーラームーン・ザ・ミラクル4-D」。根強い人気のセーラームーン。短いながらもちゃんとストーリー仕立てになってて良かった。

 入園前はちょっと狭いかなと思ったけれども、中に入るとアトラクションが充実していてとても楽しめました。特にVR系コンテンツの充実と、「ザ・フライング・ダイナソー」の振り切れっぷりは「東京ディズニーランド」との差別化をきっちり果たしている感じ。
 とても楽しい大人の遠足でした。

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2018年05月19日

●UNIEVERSAL STUDIOS JAPAN Day1

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 とある記念日に、「大人4人で「ユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ)」に行こう。」と計画を立て始めたのは、4月のはじめ。「それならエクスプレスパスとアーリーパークインのセットだよね!」、「ホテルはUSJ近くが良いね!」と計画を練って、JTBのツアーを申込み。
 そしてあっという間に当日。1日目は移動だけなので、十三のねぎ焼やまもとで腹ごしらえ。

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 アイランド型の鉄板台でまとめて焼く方式が、人気店ならでは。客の入りも良いけど、捌きも早い。

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 JRゆめ咲線でユニバーサルシティ駅まで移動して、ユニバーサル・シティウォーク大阪沿いに進むと、あっという間にUSJのゲート。振り返ると、映画の書き割りセットのようにカラフルなホテル群が見えます。ようこそ、非日常の世界へ!

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 ピンクベリーで休憩。フルーツトッピングたっぷりのフローズンヨーグルト。甘い。

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 宿泊は「ザ パーク フロント ホテル アット ユニバーサル・スタジオ・ジャパン」。客室からUSJが一望できる、最高の立地。

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 夕食をがんこ寿司で済ませた後、エッグスンシングスで明日の打合せ。アーリーパークインの時間も確認して、準備万端。お腹いっぱいです。

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2007年10月02日

●上目六さくらショッピングセンター@中目黒

 目黒川沿いにある古い家屋を改装した商業施設「上目六さくらショッピングセンター」。桜の頃から気になっていたので、先日ちょっと飲みに行きました。

 桜の頃は2階テラス席から桜を眺める人たちで大賑わいですが、今回は1階のレストラン「おまもり」へ。
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 古民家の柱と長押のフレームに嵌まり込んだ厨房スペース。板敷きの間に四角いテーブルが並ぶ客席。古家を生かした作りとテイスト。それが妙に落ち着きます。
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 久しぶりにコロナで乾杯。ずいぶんと長居しました。
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2007年08月03日

●東京ミッドタウン

 三井不動産主体の大規模再開発プロジェクト「東京ミッドタウン」。その規模もさることながら、ストリートファニチャや表層のデザインに力が入っています。手間を惜しまず、大きな差別化。

 地下街に架かる大きなガラス屋根の上には水が流れ、その傍らには流れるような形状のベンチ。その隣に竹。にわか雨に濡れたタイルと木の表情が良く似合います。
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 半透明なワイヤー伝いに水が滴る水盤、和紙を貼ったような質感で光る手摺壁。ちょっとしつこいくらいに「和」のテイスト。水の音が良いアクセントになっています。
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 半透明ガラススクリーンが並ぶ吹抜け。その下の白い穴あきブロックの質感が、品があって好きです。
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2007年06月28日

●梅雨@芝大門

 どんよりとした梅雨空と増上寺の三解脱門。江戸時代の面影を色濃く残すランドマークの向こうに東京タワー、手前に車の行列。左右に木々に見え隠れしてコンビニと工事中のマンション、ビジネスホテル。江戸の書き割りの中に現代のせわしさをはめ込んだような場所。役所に事前協議に行く途中なので、こちらの心もせわしい。
 でも、江戸も当時としては異様に繁栄した場所だったので、案外こんな感じだったのかと思い返します。美人画、風景画の中にある情緒あるシーンの間には、せわしない日常があったんだろうなあ。
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 和風、洋風、現代風。異なる様式が折り重なる景色。活力溢れると見るか、節操ないと見るか。やはりどこかおかしい。
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2007年06月21日

●夏@代官山

 梅雨入り宣言と共に、快晴の続く今日この頃。
空が綺麗なので、街歩き好きとしては嬉しい日々。
仕事の合間に、何かと理由をつけては歩きます。

 個人的に、代官山といえばこの景色。
「コンクリートとガラスと緑」。
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 盛り上がった敷地をそのまま緑化。
「草原の中の小さな家」を街中に作るシンプルな感覚。
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 「ガラスと緑と青空」。
ちょっと見え難いところにあります。
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2007年06月01日

●平日の六本木ヒルズ

 打合せの後、六本木ヒルズを通り抜けて地下鉄の駅へ。
 商業コンプレックスというには巨大で、街というには自己完結的な空間は、どんな年のとり方をするのか興味があります。

 毛利庭園のツツジと蓮。三脚を抱えた方がたくさん写真を撮っていたました。
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 地下鉄のホームへと降りる吹抜け「メトロハット」。「ル・コルビュジェ展」の映像が映っていました。
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2007年05月20日

●そうだ京都に行こう-奈良、大阪

 翌日は奈良へ。近鉄特急が見慣れたオレンジ地にブルーのラインでないのにビックリ。伊勢志摩ライナーというらしいです。運良くサロンカーという豪華車両に乗れたので、ゆったり気分で奈良へ。
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 国宝、重文ゴロゴロの奈良博神仏習合」を観た後、学園前に移動して大和文華館へ。オシャレな学園都市の趣のある駅前、門から建物が見えない広大な敷地、木々の向こうに見えてくる建物。展示館の竣工は1960年、設計は吉田五十八。源氏物語絵巻で有名な五島美術館と、同い年、同じ設計者、私鉄の社長さんが作った美術館という点でも同じ。
 「松浦屏風と桃山・江戸の美術」を観ました。入ってすぐの尾形光琳筆「扇面貼混手筥」の六面に渡る光琳尽くし、人が円を描く「輪舞図屏風」の構図も面白いですが、やはり目玉は「婦女遊楽図屏風(松浦屏風)」。ほぼ等身大に描かれた遊女達が、着物の意匠を凝らし、遊興に興ずる様はとても魅力的です。彼女達の表情だけを見ればマネキン的な無表情にも見え、遊郭の大部屋の壁面を飾っていた顔見世図にも思えます。その絵を気に入った数寄者の旦那が買い受けて、屏風仕立てたのかと空想が広がります。名作というよりも怪作の類だと思うのですが、悔しいくらいに目が離せません。芸術新潮でのビックリな裏話が記憶に新しい尾形光琳筆「中村内蔵助像」も観られて良かったです。
 建物は竹の生えた中庭を囲む一室のみの展示ですが、そのあっけらかんとした作りと、中ほどで海のように池を見せるバルコニーの演出が、見応えある展示と相まってとても素敵な空間になっています。期待を遥かに上回る一時でした。
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 近鉄電車で生駒の山を越えて、大阪へ。山を下る際の、超高層が林立する眺めがけっこう衝撃的でした。肥後橋駅から土佐堀を渡って国立国際美術館へ。川の上を高速道路が走り、その脇にニョキニョキと超高層ビルが建つ景色は西も東も同じですが、こちらの方が節操がないように思います。
 国際美術館の、地上にモニュメントのみを露出させて、建物を地下に埋める構成は理に適っていると思いますが、実際の空間としては今一つ。周囲の再開発ビル群の中に埋没しています。
 「様々な祖形 杉本博司 新収蔵作品展」を観ました。作家自身による会場構成は、写真を飾るパネルの並びが列柱のようです。吹抜け部に人物写真を掲げ、列柱の片面は建築シリーズ、反対面は観念の形シリーズが並びます。道具立ても作品も魅力的ですが、会場が広いわりに数が少ないせいか、薄味な展示に思えました。
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 最後はJRが誇る新快速でビューッと京都へ。駅の横に出現した都市型広場は健在です。色々と物議を醸しましたが、この建物は空間としては正解だと思います。
 ものすごく充実した二日間でした。
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2007年05月18日

●そうだ京都へ行こう-近代から現代へ

 承天閣を後にして、京都府京都文化博物館へ。その別館は、1906年(明治39年)竣工の日本銀行京都支店を保存公開しているものです。設計は辰野金吾とその弟子長野宇平治、東京駅と同じ「辰野式」と称される様式建築です。
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 創建当初の姿に復元された吹抜空間を抜けて、渡り廊下でつながった本館へ。「丸紅コレクション 絵画と衣装 美の名品展」を観ました。「美しきシモネッタ」の目元は確かにボッティチェリ風なのですが。。。顔と体のつながり方や、背景の建物と人物の位置関係がどうも微妙に思えます。
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 地下鉄を乗り継いで京都国立近代美術館へ。時代は一気に下って、1986年竣工の現代建築です。設計は槇総合計画事務所。格子パターンに石、ガラス、鉄が嵌め込まれた壁面、強烈な平安神宮の軸線に直交するシンメトリーなファサード。伝統と現代が融合する超優等生建築。
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 3層吹抜けを登るダイナミックな大階段。一度上まで上がって、降りていく構成はグッゲンハイムと同じ。開催中の「福田平八郎展」を観ました。非常に写実的な美「雨」、観察に基づく抽象美「漣」、マンガチックな可愛らしさと墨の大胆さが同居する「池辺の家鴨」、花を描かずに桜を描く「山桜」。初期から最晩年までの名作がズラリと並び、作風の変遷を辿る構成は見応えあります。写生帳からは、観察から創作に至る過程が窺えて、こちらも興味深いです。個人的には、作風の変化が必ずしも成功しないと思える箇所もあり、非常にリアルな作家像に迫っていると感じました。
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 若冲ゆかりの錦小路近くで夕食後、帰路に目に入ったのは「ルイヴィトン京都大丸店」。竣工は2004年、わずか3年前です。外装設計は今をときめく青木淳建築計画事務所出身の永山祐子建築設計。ブランドの顔として、しっかりと目立ってます。
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2007年05月14日

●そうだ京都へ行こう-往路

 「そうだ京都へ行こう」。週末は、京都へ旅行しました。
 古都の面影と、現代へと至る変化の双方が入り混じるのが魅力。

 富士川越しに富士山を望む。東海道を下る際に、欠かせない景色。東海道新幹線からの眺め。
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 打ち水で濡れた石畳と、奥へと延びる動線。暖簾で透ける中庭。視線を制限しつつ、気配を伝えるしつらえ。京都国立博物館から少し歩いた通りにて。
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 真壁と朱傘のコントラスト。相国寺にて。
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 町中を流れる小川と、石積の護岸と、真壁と、新緑。白川沿いに東山三条から岡崎へと抜ける道中にて。
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2007年03月08日

●花と電線

 それほど広くない道路。その際に建つ電柱と、建物に貼り付くように伸びる電線。
 触感を刺激する左官壁と、浮遊感あるプランターボックスの組み合わせ。赤い花と緑のオーニングの綺麗なコントラスト。青空と白いフレームの細身の影が、その存在を引き立てる。
 景観の破壊者として槍玉に上がることの多い要素と、内部のように作りこまれた壁面が組み合わされた街路の眺め。美しい?書き割りのよう?ちょっと足を止めて考えます。
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2007年03月07日

●芝公園-六本木ヒルズ

 六本木での仕事の下調べで、芝公園近くにある港区役所に行きました。
 増上寺の門越しに森タワーが見えるのが面白かったので、芝公園から六本木ヒルズまで歩いてみました。
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 芝公園内にある銀世界梅林。まだ咲いてます。桜は開花が早いが、梅は遅いらしい。
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 鳥居坂下交差点あたり。既存の街越しに六本木ヒルズを見るのがちょっと新鮮。
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 TOHOシネマズのガラスファサードとヒルズレジデンスを見上げてみる。幾つもの価値観が混在するような表層。スッキリと制御しきるよりも、多少混沌とした方が消費意欲を刺激する?
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2007年02月05日

●虎ノ門の休日

 昨日は午後から虎ノ門に出かけました。休日のビジネス街は人影が消えて、ひっそり。廃墟に迷い込んだような楽しさがあります。

 金毘羅さんにお参り。オフィスビルの下を参道が通る構成は、過去と現代を紐結びするようで面白い。切貼合成のような虚っぽさを漂わせながら、空間として成功していて素敵。
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 JTビル。日建設計のソツなく上手い、優等生空間。人影がないと、やや冷たい感じ。
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 その一角にあるレストランが目的地。暖かい料理がお待ちかね。
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 そして「モナ・リザ」がお出迎え。「偉大なるレオナルドの作品の来日を祝して。祝福あれ!」
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 というわけで、「池上先生「西洋美術の巨匠 レオナルド・ダ・ヴィンチ」出版記念パーティー」に参加しました。
 企画されたTakさんをはじめとする方々の行動力と、池上先生の人徳で、華やかで朗らかな3時間半でした。素晴らしい時間を、どうもありがとうございました。

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2007年02月03日

●A Beautiful Day in 表参道

 金物メーカーのショールームを見に、表参道に行きました。
 地下鉄の階段を上がると、ガラス屋根の向こうに広がるケヤキの樹形と青い空。
 表参道が一番美しい季節。
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 TOD'Sの樹形を模したコンクリートパターンとの対比も美しい。
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 ショールームからの眺め。
 樹形越しに眺める表参道ヒルズ。
 半分地下に埋めることで守られた街路空間。
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 表参道サイコー!とても美しい一時でした。

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2007年01月28日

●第16回 まちづくり会議

 東京建築士会で開催された、「第16回 まちづくり会議 建築士は景観まちづくりにどう取り組むのか」に参加しました。主催は日本建築士連合会まちづくり委員会です。

 会議は1/26、27に渡って開催されました。一日目は「景観まちづくり」に関する基調講演、事例報告、ワークショップ、懇親会。二日目は「景観整備機構」に関する事例報告とワークショップでした。

 アルセッド建築研究所代表取締役の三井所清典さんによる基調講演。「景観」と「建築」の話を、豊富な経験と愛情を交えて話されました。段差、素材を切り替えつつ外と中をつなげ、自然と会話が発生する仕掛けづくり、雪降ろし不要の屋根勾配を検討する実験等興味深かったです。「景観」の視点から現況分析を始めて、「建築」による試行と実現を経て、「景観」へと結ぶ構成は教科書のようでした。
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 続いて6例の事例報告と、それを踏まえてのワークショップ。テーマは「景観まちづくり活動をどう育てていくか」。テーブル毎に分かれて、成功のポイントと課題を上げあい、グループ化していきました。スピード感があって、面白かったです。個人的には、事例が古いモノの修景と再生に寄っていて、新しいモノを評価するという話がなかったのが気になりました。
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 二日目は「建築士会が景観整備機構の指定を受け、活動することを目指す」ことを骨子に、事例報告とワークショップ。事例報告をされる方たちの明快で行動力に富む話は興味深かったです。ただ個人的には骨子自体が「?」で、自分の立場に置き換えては考えられない部分が多いです。

 二日目のワークショップの様子です。北海道から鹿児島まで、100名ほどの建築士の方が参加されました。
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2007年01月14日

●アーキテクトカフェ 汐留

 マイミクさんの誕生日会で「アーキテクトカフェ 汐留」に行きました。去年の暮れにオープンしたばかりの、カフェとショールームをセンス良く一体化した空間です。

 カフェ中央の「FoodCourt」から、今回使わせてもらった「Meetingroom」を見たところです。「FoodCourt」を囲むように10の個室とトイレ、ショーケースを配し、計13のシーンを作り出しています。
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 「Kitchen」や「Study room」は当然として、「Footbath」まであるのが面白いところ。機器のお値段もすごいので、豪邸に遊びに来た気分です。
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 飲みました、食べました。なぜかワインベースのレモネードを頼む人が多くてレモンが切れたりしましたが、色々なカクテルを作ってもらえて楽しかったです。
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 店を出たところです。イタリア街の中央広場に面しています。週末の夜は閑散としていてちょっと寂しいです。名前に汐留とついていますが、ゆりかもめ「汐留駅」とはJRをはさんで反対側にあります。「汐留駅」徒歩3分、「新橋駅」徒歩5分のはずが、迷うと思わぬ時間がかかりますので、方向に御注意下さい。
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2006年12月26日

●年の瀬日本橋2006

 再開発が進行中の日本橋は、江戸、昭和、平成の面影が混在する時代絵巻のような街です。「年の瀬日本橋2006」はその特徴を際立たせています。

 五街道の起点、日本橋。現在の橋は1911年建造。上空を跨ぐ首都高も含めて、時代のランドマーク的な存在です。景観再生に向けて、移設するべきは橋か、首都高か?ホットな論争のポイントでもあります。
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 ルネサンス様式建築、日本橋三越本店。1935年竣工。陰影に富む壁面は、現代のツルリとした質感とは異なる華やかさがあります。
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 もう一つの様式建築、三井本館。1929年竣工。昭和初期の壁面に浮世絵を映す試みは、日本橋ならでは。
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 新しい日本橋、三井タワー。低層部の列柱を思わせるデザインと、セットバックした高層部。街並の継承と新しい開発に応える優等生建築。単体だとかなり堅苦しいので、「遊び」部分の出現が待たれます。現在プラネタリウムと屋台村がある三井第三別館跡地には何が建つのでしょうか。
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2006年12月25日

●HOKUSAI~北斎の宇宙

 日本橋HD DVDプラネタリウムで上映中の「HOKUSAI~北斎の宇宙」を観ました。最先端プラネタリウム「メガスターII」、再生が進む「日本橋」、そして「北斎」という取り合わせは興味をかきたてられます。去年の暮れは「北斎展」が強烈な印象を残しましたが、今年も締めはこの人。流石は北斎です。交通至便な立地でプラネタリウムが観られるというのもなかなかロマンチック。

 予約制かつ座席指定なので、特に混雑もなく入場、着席。リクライニングシートもなかなか快適です。プログラムはちょっと意外な始まり方をしますが、やがて北斎登場、そして満天の星に魅了されます。ドーム天井に映し出される北斎の代表作の数々、天井にうずくまる小布施の鳳凰、絵から抜け出して動き出す龍、天に瞬く星々、揺らめくオーロラ。プラネタリウムならではの大迫力、星空と北斎のコラボレーションは見応え充分。あっという間の30分でした。冒頭と末尾のドラマ(?)は要らない気もしますが、まずまず楽しめました。

 来年1月からは「星空の贈りもの」と題した満天の星とヒーリングサウンドを堪能するプログラムが併映になるそうです。「メガスターII」を堪能するにはこちらの方がお勧めかもしれません。上映終了後無料招待券がもらえたので、次回はこちらを観ようと思います。

 HD DVDプラネタリウムの横では「年の瀬日本橋2006」が開催中です。三井本館に投影される浮世絵の数々を、道路越しに屋台村から眺める期間限定イベントです。浮世絵、自動車の音、屋台の雑踏が混在する不思議な空間が出現しています。寒空にもかかわらず、けっこうな人出でした。
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追記:こちらのブログでも取り上げておられるのでメモ。
弐代目・青い日記帳日本橋HD DVDプラネタリウム「HOKUSAI~北斎の宇宙」
Art & Bell by Tora北斎の宇宙: 日本橋HD DVD プラネタリウム

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2006年11月20日

●銀座 現代建築巡り

 銀座は表参道と並ぶ現代建築の宝庫です。あちらこちらに名作、話題作が並びますが、集積度ならプランタンから松屋へと抜ける通りがお薦め。街路のイルミネーションの賑やかなこれからの季節、雨で路面がしっとりと濡れた夕暮れの美しさは格別です。

 伊東豊雄建築設計事務所最新作「MIKIMOTO Ginza2」。構造と表層を一体化することで生まれる、街路と内部の連続感が素晴らしい。「街路の延長としての内部空間」の一つの究極と思えます。ただ建物の存在感は希薄に感じられるので、新たなシンボル性を獲得するという主張はピンと来ないです。建築が街に溶け出して、その存在感を喪失するという都市論が登場するのかな。
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 青木淳建築計画事務所による「ルイ・ヴィトン 松屋銀座店」。モアレパターンで濃淡をつけつつ内部を透かせるガラスファサードは優雅で美しいです。ブランドの顔であるダミエパターン(市松模様)を建築表現へと昇華し、ルイ・ヴィトン=青木淳という構図を確立したことが何よりすごい。
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 妹島和世建築設計事務所による「オペーク銀座」。外装の改修のみで存在感を放つタフさがすごい。
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2006年10月02日

●「グリーンチェーン推進ネットワーク」設立記念シンポジウム

 グリーンチェーン推進ネットワークの設立記念シンポジウムに参加しました。
 流山市では、「流山グリーンチェーン戦略」という考えに基づいた街づくりが始まっています。緑の効果を指標化し市が認定することで、自然を取り入れた住宅作りを推進し、ひいては街全体の環境価値を高めようという試みです。詳しくはこちらをご覧下さい。

 その取組みを広く普及させようというのが、「グリーンチェーン推進ネットワーク」です。産官学民の連携を謳い、各分野から専門家の方が参加されています。このネットワークの特徴は、理想としての緑の街づくりと、実益としての開発・建設事業の双方に視点を持ちつつ、接点を探るところにあると思います。

 コーディネーターの甲斐徹郎さんは複雑系に例えて緑ある住宅が快適な街を作ると解説され、その実例として自宅を映して外気30度でもクーラー不要のお得さをアピールされます。
 首都大学東京教授三上岳彦さんは様々なデータ、図表を駆使して新宿御苑のクールアイランド効果を解説され、学問的なアプローチを示されます。
 流山市長井崎義治さんは具体策として、金利優遇といったインセンティブの活用による事業者への協力要請や、認定物件の好調な売れ行きをアピールしつつ、実績を積み重ねることの重要性を述べられます。
 明海大学教授齊藤広子さんは徹底したフィールドワークから不動産価値の高い物件について調べられ、緑の住環境が不動産価値を高めると述べられます。
 有限会社アーバンセクション代表取締役二瓶正史さんはこれまでの設計経験から、緑の街づくりが贅沢なものではなく設計の工夫の積み重ねであることを解説されます。

 「今まさに進行しつつある動き」ならではの熱気に溢れたシンポジウムでした。
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2006年08月17日

●パブリックアートとはなにか?

 7/7に建築会館で開催された「パブリックアートとはなにか?」と題した講演会の聴講メモです。10月下旬から札幌芸術の森美術館及び世田谷美術館で開催される「空間に生きる 日本のパブリックアート」展の開催記念フォーラムという位置づけです。建築とアートを行き来すると世界が広がりそうで魅力を感じるのですが、その実、両者の接点は曖昧です。パブリックアートも同様で、そのものズバリなタイトルに惹かれました。

□基調講演。
 世田谷美術館館長酒井忠康さん。パブリックアートという言葉はなんとなく定着した。近すぎて反発、敵対といってもいいくらい弱いアートがいじめられる。私たちは生き残れるのだろうか。モエレ沼公園の紹介。感銘を受けた例として、マルタ・パン「浮かぶ彫刻3」とモニク・フォー「芸術が都市を開く」の紹介。砂澤ビッキ「四つの風」は腐食も作品の一部と捉える。越後妻有ではイリヤ&エミリア・カバコフ「棚田」がきっかけとなって耕作放棄された棚田が見直された。

□トークセッション「いち押し!私のパブリックアート」。
 法政大学工学部教授渡辺真理さん(建築家)。パブリックアートは造語、最小限で定義すると art in public space by public。パブリックスペースとは?アメリカ大恐慌の際に federal art という芸術家救済政策の成果として登場(?)。plaza law (容積率の緩和)、percent for art (アート費用の義務付け)といった政策へと繋がってゆく。いち押しは大阪万博お祭り広場。「広場」を人工的に6ヶ月間作り、入場者数は64,218,770人。
 東京芸術大学先端芸術表現科教授たほりつこさん(アーティスト)。記憶を呼び起こす/物語。誰のため/時空を超えてゆく。アメリカの記念碑/1980年代に戦争に負けて英雄から一人一人を認めるように。リチャード・セラの作品が住民訴訟で撤去/住民との対話の必要性。誰もがアクセスできる場所=パブリック。自作の紹介。
 世田谷美術館館長酒井忠康さん。ダニ・カラヴァンの作品を紹介。テル・アヴィブでの展示、砂漠の真ん中にとんでもないもの。札幌芸術の森、自然の扱いが優しく(上手く)なった。室生山上公園、アートワークで世界をつくり直した。思索の深さを感じさせる優しさ。田植の感動の再発見。
 佐藤総合計画副社長細田雅春さん(建築家)。現代建築が変わりつつある。世界のボーダーレス化に伴い、四角い箱 (Rigid) から色々なものがルーズになっている。建築とアートが近づいている。○○化ではない、共に堕落してしまう。両方がせめぎあう、緊張感が存在する関係。コラボを目指す。
 神奈川県立近代美術館企画課長水沢勉さん。モニュメント、記憶の装置。ミハ・ウルマンの図書館(ベルリン)。強化ガラスの下に書架。何の邪魔もしないが、感じさせる。記念碑は過去を向いている、記憶は未来を向いている。

□フリートーク。
細:アートと建築、都市の関係に興味。
酒:柳田国男の伝説と昔話。位置を存在させるもの/つまみぐい。グレン・グールド、一般大衆のための調節をしない。パブリックアート、拒絶する力。堕落に気をつけろ。パブリックの力に直面する。
た:建築とアートの融合、統合はありえない。自然を飼い慣らす都市、建築 vs アート。建築が出来ないことをやる。
渡:1970だからできた、今はできない。記憶に沿って見せるものが必要。例えば教会。アーティストのインスピレーションが必要。
水:芸術家、テンション vs パブリック。空間を受け入れる素地はあるか?
細:空間の問題。何かを感じる関係性。
た:都市、建築。生命体の記憶が弱くなっている?忘れていいことが何かも分からない。

□質疑
Q:都心のパブリックアートの例は?
渡:国内の例がないのが問題。

□感想
 危機感を前面に押し出した「基調講演」で始まり、多彩な視野の広がりを感じられる「一押し」を経て、会話は全く噛み合わないが個々の力技で話を推し進める「フリートーク」へ。エンジンが暖まった頃合で時間切れという感じでした。講演としては「結局危機とは何を指していたのだろう?」という疑問で終わりましたが、ライブとしてはとても面白かったです。パブリックアートを取り巻く環境は複雑なんだというメッセージ(?)はすごく伝わりました。

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2006年06月29日

●Steven Holl 展 「Luminosity / Porosity」

 ギャラリー・間で開催中のSteven Holl 展「Luminosity / Porosity」を鑑賞しました。Luminosityは光、Porosityは孔を意味し、ひいては、建築と都市化とランドスケープの一体化を追求しているそうです。ここでも「あな」が登場します。

 展示は写真と模型によるプロジェクトの紹介と、原寸?パネルによる体験型展示の二つからなります。3階展示室が前者、中庭から4階展示室が後者です。図面や建物全景を捉えた写真が全くないので、「建物」という感じが全然なく、光と孔を巡る思索の軌跡を追体験する感じです。特に4階のセットモデルのような展示が興味深いです。様々な開口パターンを施した皮膜で形成された街路を歩き、時に建物の中に入ってそのパターン越しに外を眺めます。機能を抜き去り、光と孔だけを残した体験は、廃墟のようであり、豊かな空間にも感じられます。

 詩のようなテキストと空間を行き来するひと時でした。

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2006年06月27日

●縮小都市の診断、その処方箋 -perforation(穿穴)-

 高齢化社会と経済成長の鈍化。社会構造が変化するときに、「都市」はその変化にどう対応するのだろうか。住宅もビルも都市の一部なので、都市像を踏まえた提案をしたいと常に思っています。そんなときに「第24回TNプローブ・サロン 縮小都市の診断、その処方箋 -perforation(穿穴)-」という講演会案内が目にとまりました。「縮小都市」というストレートな現状認識と、「穿穴」というキーワードの組み合わせに興味が湧きます。

 講師は千葉大助教授の岡部明子さん。EUの地域政策、環境政策を研究されているそうです。講演は「ライプツィヒ」と「バルセロナ」における都市再活性化の事例が紹介されます。市が改築費として50%の補助金を出しても誰も活用しなかったが、建物を撤去して中庭を作ったところ、建物オーナーもイメージアップに関心を示すようになった。間にはさまれるエピソードが具体的で興味を深いです。その上で、両者とも建物を減らすこと(穿穴)によって価値を高めるという点が共通していると指摘されます。

 手法としては昔からあるモノですが、それを穿穴と見立て、建物を減らすことが都市の価値を高める=経済活動の一環(資本の拡張)として捉えられないかと提起する流れはとても刺激的です。その根底には楽観的な視点が感じられ、都市論は本質的にアカルイモノであると思いました。

 会場は品川インターシティでした。黒々とした木々と光を放つ高層タワーのコントラストが特徴的?
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2006年06月16日

●虎ノ門 金刀毘羅宮

 再開発されたオフィスビルと敷地を共有する神社。ビルの足元を三層吹抜のピロティとして参道に開放、参道をクランクさせることで奥行きを演出。ビル街のオアシスとしてたいそう繁盛しています。

 オープンスペースがまるごと神社というゾーニングは、聞くと冗談のようですが、実際にはとても成功しています。神社は日本の一部だなと妙に納得します。

 オフィス街に唐突に現れる鳥居。「なんだこれは」と引き込まれると、右手に神社が現れます。
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 反対側の大通りからの眺め。3層吹抜けのピロティが効果的です。
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2006年05月26日

●ハウス オブ シセイドウと資生堂ギャラリー in 銀座

 表参道が建築とケヤキ並木の街路とすれば、銀座はショーウィンドウの街。建て替えが進んでもその伝統は健在で、新旧壁面のコントラストが新しい一面を加えていきます。新「銀座ルール」の制定で中央部での超高層開発に待ったをかける行政側の姿勢も明快です。

 ハウス オブ シセイドウと資生堂ギャラリーは、ショーウィンドウの奥にギャラリースペースを配し、様々な企画展を無料で楽しめる空間です。現在展示中の「都市に生きるアール・デコ」展では合同企画展とすることで、サロンのような「ハウス オブシ セイドウ」から並木-花椿通りを経て白い大空間「資生堂ギャラリー」へと至る内外空間を満喫することが出来ます。点と点を線で結んで世界が広がります。

 サロンの中の展示スペースという感じの空間です。充実したライブラリーが嬉しい。
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 赤い宝石箱に入って、細い階段を降りると白い大空間へと至ります。隠れ家っぽい?
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2006年05月16日

●銀座あおぞらDEアート@泰明小学校

 先日の日曜日は、「銀座おあぞらDEアート」に出かけました。銀座のギャラリーが協力して、100人以上のアーティストの作品を小学校の校庭に並べるアートイベントです。

 とにかく会場が良いです。有楽町マリオンの斜め向かいの立地、蔦に覆われた小学校の壁、屋外の気持ち良さ、そこでイベントをやろうという心意気。しかも入場無料。本当に身近にアートを感じられます。

 残念ながら今年は天候に恵まれず、GWを逃したのと当日の曇天で人出は今一つだったみたいですが、気軽に観て回れてとても面白かったです。小学校の位置が少々わかりにくいので、大通りあたりで呼込みをすれば良かったかも。

 フリマみたいな雰囲気でした。来年は晴れると良いですね。
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2006年05月12日

●熱狂の日 in 東京国際フォーラム

 空間は建物(ハード)と中身(ソフト)の合わせ技。GW中の東京国際フォーラムはその両者が合わさって活況を呈していました。

 「熱狂の日」は去年から始まった音楽祭で、ゴールデンウィークを通して開催されます。公式サイトもありますが、こちらのブログを見るほうがはるかに熱狂っぷりが伝わってきます(4-5月のエントリー)。モノをいうのは口コミの力です。

 オーバースケールの吹抜空間に巨大なモーツァルトが似合います。公演チケットは深夜の一公演を除いて完売でした。無念。
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 ホワイエのような屋外広場。フォーラムの規模に相応しいお祭りでした。
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2006年05月08日

●表参道ヒルズ

 表参道ヒルズは、その前身となる同潤会青山アパートの竣工から約80年を経て建替えられた再開発プロジェクトです。設計は森ビル+安藤忠雄建築研究所、竣工は2006年1月です。計画のポイントは、建物の半分を地下に沈め、建物壁面を上下(商業と居住)で分割することで青山アパートのスカイラインを残し、ケヤキ並木の街路空間を維持していることです。さらに青山アパートの一部を復元する等、「過去の継承」にとても配慮されています。それに加えて、吹抜けに面した6層スロープによる「新しい価値を付加」しています。言葉でいうと簡単ですが、その実現は驚異です。建替計画のあり方として、最高の回答の一つだと思います。

 関東大震災後の復興計画として出現し、耐震性、耐火性に配慮され、計画面でも先進性のある同潤会アパートも大半が姿を消しました。30年で過去のイコンと化す現状を見ていると、70-80年持った同潤会は優れた計画だったと思います。

 維持された街路空間。この時点で計画は半分成功だと思います。
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 吹抜に面した6層スロープ。シームレスにつながる立体街路の効果は絶大で、GWのもの凄い人出を、蟻地獄の如く吸い込みます。
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 スロープの眺め。文字通りの立体街路です。緩やかな勾配が連続するので、自然と足が動きます。車椅子の方が通行されていて、そういえばバリアフリー空間であることを思い出しました。空間のスケールと人出に圧倒されて、そこまで頭が回りませんでした。
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 復元された青山アパートの一部と、そのスカイラインを連続するガラスのファサード。まだ違和感がありますが、時間の経過と共に馴染んでくるでしょう。
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2006年04月24日

●IKEA 4.5 MUSEUM in 青山

 昨日は「IKEA 4.5 MUSEUM in 青山」のプレゼントキャンペーンの最終日でした。打合せの帰路、青山まで足を伸ばしました。(展示は4/30までやってます。)

 絵画館前の銀杏並木に出現した14の部屋。それぞれにIKEAが提案するライフスタイルが展示されています。広さは4畳半、あなたの部屋でも可能です。好みの部屋を見つけて応募すれば、その家具丸ごとあたるかも?というキャンペーン。良い所を突いてきます。
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 「本好きの部屋」。こんな書斎が欲しい!4畳半の書斎ね。。。
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 「音楽の部屋」。やっぱり5.1チャンネルのホームシアターだよね。あれ、音楽だけ?
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 「テレビの部屋」。あっ、こっちがホームシアター?4畳半に革のソファは厳しいかも。
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 そんなIKEAは本日開店。あなたならどの部屋を選びますか?

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2006年03月15日

●秋葉原クロスフィールド

 つくばエクスプレスの起点、秋葉原の再開発エリア、「秋葉原クロスフィールド」が先日グランドオープンしました。帰り道にちょうど通りかかったので、少し歩いてみました。外観は随分前から見えていたので目新しいところはなく、ガラスの箱を積んだ感じです。空に聳えるタワーと大きく横たわる低層部のボリュームは、さすが東京都山手線圏内。同じTX沿線でも、守谷や柏の葉とは全く次元が違います。しかしIT拠点という位置付けゆえか無機的に感じられて、賑わいの場としては今のところ微妙。これからの仕掛けに期待です。

 クロスフィールドの歩行者デッキから既存の街を眺めたところです。液晶スクリーンが仕込まれ、映像が流れる柱と天井、段状のウッドデッキ。その向こうに派手な色使いの看板と建設中のビル。雑然さとガラスの箱がせめぎあうパッチワークのような構成が良く分かります。
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2005年12月10日

●新宿サザンテラス

 「新宿サザンテラス」は新宿駅南口から甲州街道を渡って伸びる歩行者専用遊歩道です。新宿駅を起点とし、線路上の横断橋を渡って新宿タカシマヤへと繋がる動線は明快で、ショップやカフェが点在する景観と相まって「カジュアルな回遊性」を上手く演出しています。もう一つのエンドポイントであるサザンタワーが少々貫禄不足なのがもったいない。

 昨日通りかかったら綺麗にライトアップされていて見違えました。表参道のようなダイナミックさはありませんが、普段と違う魅力が観られて嬉しくなります。青いライトが特に印象的でした。
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2005年10月29日

●奈良県代官山iスタジオ

 昨日、代官山駅から八幡通りへと歩いていたら、いつもと少し違う街角が見えました。なんだろうと思ったら、通りの角にある奈良県渋谷寮が改装されて奈良県代官山iスタジオとしてオープンしていました。首都圏における奈良県の情報発信拠点として活用されていくようです。古代史好きな私としては大歓迎です。
 敷地角がオープンスペースとして開放され、それに面して多目的スペースやイベントスペースが設けられています。建物はほとんどいじらないで、ペンキを塗って建具を交換した程度ですが、歩行者空間が広くなることで通りがとても魅力的になりました。10年ほどこの場所を見てきましたが、こんなに変わるものかとビックリです。

 左手が多目的スペース、右手奥を左に曲がると玄関、イベントスペースへと続きます。街へ開いた情報発信スペースとして、基本に忠実かつとても効果的な間取りです。内装は地元にあるブースをそのまま持ってきた感じで垢抜けないですが、徐々に洗練されていくと良いなと思います。職員の方が「意外と人が入るねー」といった感じで会話をされていましたが、「この場所とつくりならそりゃそうだろう」と内心ツッコミを入れてしまいました。
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 イベントスペースから庭園に出られます。今は少し荒れていますが、せせらぎもあるので、抹茶でも飲めればけっこう人気が出そうです。
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2005年10月15日

●表参道周辺 その2

 東京メトロ表参道駅A5出口から根津美術館へと至る道は、現代建築の宝庫です。街路空間としての豊かさは以前に紹介したケヤキ並木に譲りますが、建築の集積度はこちらの方が上でしょう。現代建築を経て「燕子花図」へと至る道は、さしずめ「アートの表参道」とでも言うのでしょうか。

 建ち並ぶ名建築の中でも、ひときわ異彩を放つのがプラダ ブティック青山店です。設計はヘルツォーク&ド・ムーロン+竹中工務店、竣工は2003年5月です。菱形ガラスブロックによる規格化と透明性のコントロール、細心の注意を払って処理された外装の連続性、大胆に設けた屋外広場によって構成された空間は、全体が一つのアートワークのようです。中と外を隔てる「壁」が消えて両者は皮膜を通して繋がり、さらに「街」と「建物」も広場を通して繋がっています。その結果建物として必要な機能を満たした上で、「中」と「街」が一体化したとても不思議な空間が出現しています。コンセプトとしてはあり得ても、それをここまで高いレベルで実現したことは驚きです。
 あまりの完成度の高さに、本来ブティックの顔たるエントランスが一番貧相に見えたり、外構の緑が貧弱で紙のようといった比較的些細なことが気になってしまいます。
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 広場奥から見上げたところです。面と面のぶつかり部分の目地を全て通し均等に割り付けることで、外壁を皮膜へと昇華しています。
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 根津美術館側に少し歩くと安藤忠雄建築研究所設計による「コレッツィオーネ」があります。長らく東京における安藤建築のフラッグシップでしたが、「表参道ヒルズ」の出現でその役目を終えるのでしょうか。
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 表参道駅側に少し戻ると、コム デ ギャルソン青山店があります。設計は川久保伶+フューチャーシステムズ、竣工は1999年です。基本的にはテナントビル1階の内装デザインなのですが、外装建具を撤去して斜めにうねるガラスを建て、網目パターンのフィルムを貼ることで外と中の関係性を変化させています。竣工から6年を経て全く色褪せない、とても質の高いデザインだと思います。
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2005年10月07日

●変わりゆく街

 先月はビルの改装案の打合せで新橋に何度か行きました。帰りに駅に向かうと、線路の向こうに汐留が見えました。向こうはガラスの摩天楼が林立し、手前は空きビルが目につきます。再開発に向けての準備なのでしょうか。古い街から新しい街を見上げる構図はバブルの頃によく見ましたが、今の状況はその頃にとても似ています。何かに突き動かされるように変わりゆく街。その今と未来をしっかりと見ていこうと思います。
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2005年09月29日

●建物の中の広場 in 代官山

 昨日の朝は用事があって代官山に寄りました。少し時間が空いたので、いつもと違うアングルからパチリ。
 建物の中に公共のスペースを設け、そこに面してショップが配置されています。二層吹抜にガラスの箱が浮かぶ美しさは、竣工から36年を経て健在です。公共スペースの導入は今では珍しくありませんが、小規模の建物でありながら街路と一体の空間を作るという点でとても優れています。テナントさんからは二重のガラス箱の分お客さんが入りにくいのでは?という改善要望も出るそうですが、この空間が在るからこそ代官山は他とは違う街であり続けているのだと思います。まちづくりは一日にしてならずです。
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2005年09月28日

●オープンカフェテスト中 in 新宿

 今日は新宿で打合せでした。昼食後に歩いていたら、ケヤキ並木に赤い傘が並んだ一角があります。なんかかっこいいぞと思って近づくと、オープンカフェの実験中でした。区のイメージアップと賑い再生のために区道を開放しているそうで、バーニーズニューヨークの開店15周年企画とのタイアップ効果もあって見た目はとてもオシャレです。
 とはいえやっぱり新宿、それも歌舞伎町の近く。キャッチのお兄さんがひっきりなしに声をかけ、区の職員さん?が大声で街の美化をうったえ、ホームレスっぽい人が腰かけています。はっきりいって、全然落ち着きません。まちづくりは一日にしてならずです。
 でも、区の柔軟な姿勢や、バーニーズのブランドイメージを活かした仕掛けからはとても可能性を感じます。まずは型から入り、継続することでいつか本物に化けることもあるでしょう。
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2005年09月10日

●B-TOWN代官山

 表通りから少し奥まった、住宅地の中にある商業施設です。路地を「内部化された外部空間」として仕上げ、それに面してガラス張りのショップが並んでいます。オープンは2003年2月。若者向け人気スポットの創出と、住宅地の中という立地を上手く両立した計画だと思います。

 道路から見たところです。幅広の通り抜け路地が奥へ奥へと誘います。
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 ウッドデッキ、ベンチ、植栽、ガラス壁で構成された「内部化された外部空間」。素材感を活かした、居心地の良い空間です。とても自然にショップへと連続しています。さりげなく置かれたバイクが「ちょっと立ち寄る」感覚を演出して上手い!
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●渋谷区総合庁舎

 一昨日に、5月半ばから携わっている大規模改装の仕事が一山越えました。土壇場で大きな変更が出たので、ここ二週間ほど仕事の合間に寝るような感覚でした。昨日は、気分転換に調査と物見遊山を兼ねて歩き回っていました。次の山に登り始めつつ、別件で小山を二つほど登ります。

 そんなわけで渋谷区総合庁舎です。1964年竣工の横にながーい計画です。何度かの改装を経て現在に至っています。今回行って面白かったのは、ちょっとした工夫で格段に親しみやすい空間を作っている点です。

 入口廻りです。エントランス横にドトールがあります。外からも中からも利用できるので、役所の敷居を低く感じます。オフィスビルではよく見ますが、役所にあると新鮮です。
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 エレベーターホールからバルコニーを見たところです。バルコニーは喫煙スペースとして開放されています。先日の目黒区総合庁舎はバルコニーには出られなかったので、出られるとちょっと嬉しい。ホールには机が並べてあって、来訪者が自由に使えます。建物は古いですが、けっこう居心地が良いです。
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2005年08月16日

●秋葉原 1991

 お盆が明けました。今年は仕事の関係で突貫作業週間になっていましたが、それも峠を越えて通常営業に戻りつつあります。休み損ねて残念ですが、タイト過ぎるスケジュールから解放されてホッと一息です。

 「街」は時々刻々と変化してゆく生き物のような側面があります。以前はそんなのは歴史の教科書の中の話だと思っていましたが、私が学生の頃に見た景色がどんどん変わっていく現実を目の当たりにして認識が変わってきました。今まさに向かいあうべき現実だと思います。同潤会アパートメントの消失(江戸川青山代官山)と跡地の再開発(表参道)はその分かりやすい例ですが、その他にも再開発の計画があちらでもこちらでも進行しています。地域の活性剤としての再開発の必要性は分かるのですが、その内容を詰める過程で歴史的背景や地域の特性を反映するプロセスが取り残されている気がしてなりません。「まちづくり」も体系化の時代ですので、こういったプロセスをどう取り込むのか興味があります。

 写真は「電気の街」と呼ばれていた頃の秋葉原です。日付は1991年4月16日、今から14年と少し前です。先日取り上げた「今」に至るまで、パソコンの街、アニメとゲームの街、そしてIT拠点へとめまぐるしく変化しています。ここまで変化が早いと、都市としてのイメージが固まる前に消えてしまい、何があったのかを忘れてしまいそうです。少なくともこのスピードを実体験として記憶しておくべきだと思います。
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 山手線下の電気店です。街の顔と、その片隅の消えてなくなりそうな日常という対比のつもりで撮ったんだろうなあ。当時はバブルをちょっと下った頃で、スクラップアンドビルドが日常茶飯事でした。そのあとバブルははじけたものの、気がつけばそれをはるかに凌ぐスピードで街が変わってゆきます。もとあった電気の街をコンパクトに圧縮して、表通りにキャラクターモノの大看板を並べ、その裏側に大手町を貼り付けたような現状は眩暈を覚えるほどシュールです。
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2005年08月11日

●上野東宝ビル

 上野駅山下口を出ると、コンクリートのフレームにガラスのスクリーンをはめ込んだモダンな建物が現れます。スクリーンの奥には屋外階段があり、道路レベルと公園レベルをダイナミックにつないでいます。周囲の建物とボリュームを揃えることでスカイラインは維持しつつ、公園への門としての性格を前面に出した明確な構成とコンクリートの外観が新しい上野を予感させます。都市機能と店舗ビルとしての要求を両立した上手い計画だと思います。名称は上野東宝ビル、別名バンブーガーデンといいます。

 上野駅側の歩道から見たところです。レトロな趣のある環境に挿入されたシンプルな門。これがきっかけとなって街路空間が再生してゆくのか、異物として浮いた存在に止まるか。デザインの可能性に期待しています。
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 コンクリートのフレーム、ガラスのスクリーン、その奥に公園へとつながる屋外階段が延びます。都市と建築の関係性を明確に示しています。
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 雨上がりでしっとりと濡れた公園内の道。モダンな門を抜けると、自然な趣に溢れた空間が広がります。このギャップが上野公園の魅力でしょう。
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 森の中に並ぶ花園神社の鳥居です。新旧結界の共存するワンダーランド、上野公園でした。
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2005年08月07日

●上野駅周辺

 打合せの帰路に上野に寄りました。「ドレスデン国立美術館展」が目的だったのですが、こちらは肩透かし気味でした。ポスターやチケットにフェルメールの絵が大々的に使われているので、この絵を中心とした絵画コレクションがメインだと思い込んでいました。実際には陶器、装飾、刀剣、科学等を幅広く網羅した宝物展だったのですが、人が多すぎて落ち着いて鑑賞できませんでした。フェルメールの絵も、端役だけど人気があるから看板にしたという感じで、微妙な位置付けでした。
 というわけで、展示は程々にして、建物の立体構成を観てまわりました。国立西洋美術館の正面右側です。美術館の箱から突き出したコンクリートの荒々しい肌と造形がコルビュジェっぽい?
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 その向かいに建つ東京文化会館です。設計は前川國男建築設計事務所です。折り上がる庇、陰影の深い壁面処理、コンクリートの荒々しい肌等は師であるコルビュジェの影響が感じられます。面白いのはガラス面の内外で仕上げを切り替えている点です。ガラスは空間の連続性を飛躍的に高める魅力的な素材ですが、ここでは風除室の袖壁のみ内部と同じ扱いをしています。外観は歴史的建築物のためいじれないのか、それともあえて連続性を抑えることが意図なのか。気になります。
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 上野駅構内のレトロ館内吹抜です。アーチの向こうを、改札へ向けて人が流れています。吹抜広場部はポケモン関連のイベントで親子連れの行列がとぐろを巻いています。旅行が大きなイベントだった時代、駅は旅立ちと到着の祝祭の場でした。この空間は、過去の遺産を上手く活用していると思います。
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2005年08月03日

●秋葉原駅周辺

 今日は朝から都内で打合せでした。お昼を食べて、移動して、最後の打合せが終わったのは夕方でした。帰路の乗換えついでに再開発が進行中の秋葉原駅周辺を歩きました。もうすぐ開通する「つくばエクスプレス」の起点であり、沿線沿いに幾つもあるIT拠点化構想の最大手でもあるので、柏にとって今後がとても気になる街です。
 一番今っぽいなと思ったのは、中央通りから再開発地区を見上げたときでした。ゲームメーカーやアニメグッズ会社の大看板が不揃いに並ぶ向こうに、ガラスの壁が立上ります。右手の仮囲いは建替え中のヤマギワ東京本社ビルです。家電、パソコン、アニメ、ゲーム、IT拠点。秋葉原の変遷が一堂に会しています。
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 駅前広場です。まわりのビルは AKIHABARA CROSSFIELD と名付けられ、産官学連携及び情報ネットワークの拠点と位置づけられています。広場自体はデザイン的な配慮がほとんどなく、建物も安く上げてるなあという印象が先立つくらいそっけないので、建築的な魅力はあまり感じません。そこらへんもソフトで勝負の秋葉原らしいです。
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2005年07月21日

●目黒区総合庁舎

 昨日は朝から恵比寿で打合せでした。代官山でお昼を食べて、そのまま帰るのももったいないので、以前から見たいと思っていた目黒区総合庁舎まで足を伸ばしました。
 もともとは千代田生命本社ビルとして建てられました。設計は村野・森建築事務所、竣工は1966年です。アルミ鋳物製の外装による端正かつ温かみを感じさせる外観、高低差のある敷地を活かした平面及び断面計画、随所に見られる特徴あるデザイン等、名建築と呼ぶに相応しい計画です。建築主である千代田生命は2000年に経営破綻しますが、その際に目黒区が建物を購入し、総合庁舎として活用して現在に至ります。用途変更にともなう改修の際も、もとのデザインをなるべく残すよう配慮したそうです。名建築の素晴らしい再生例だと思います。

 建物外観です。低層、中層、高層の組み合せによるボリューム構成と、アルミ鋳物の外装が特徴です。
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 南口のエントランスホールです。敷地の高低差の関係で3階になっています。宴会場?と思うくらいに広い空間で、トップライトと低く抑えた横窓からの採光が効果的です。右側には水が張ってあり、窓越しに中庭の水面が見えます。
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 有機的な曲線で構成された螺旋階段です。直線で構成された空間の中で、異彩を放っています。
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 1階に下りて、休憩所より中庭を眺めたところです。アルミ鋳物の縦線と水面の組合せが落ち着いた雰囲気を作っています。中庭まで出ていけないのが残念。
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2005年07月11日

●ヒルサイドテラス

 代官山の旧山手通り沿いに、30年の年月を経て形成された街並があります。それらを形作るのは、諸機能(住居、店舗、レストラン等)を、内外に伸びるバブリックスペース(広場、歩行者通路、階段等)で緩やかにつないだ一連の建築群です。設計は槙総合計画事務所(アネックスのみスタジオ建築計画)です。都市と建築の豊かな関係を作る姿勢は一貫しつつ、時間の経過に合わせて変化を盛り込んだ本計画は、建築が街を作る可能性とその過程を教えてくれます。
 先日、打合せ前に時間があったので久しぶりに散策しました。広場と建物が連続する街路は歩いて楽しいです。

 代官山交番前よりA棟を望む。竣工は1969年です。広場、ガラス、建物の構成が明快で美しいです。建物を越えて伸びるケヤキが、時間の経過を物語ります。
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 通りよりC棟中庭を望む。竣工は1973年です。建物をスクリーンとして使うことで、通りとほどよい距離感を作っています。内部化された外部空間の好例だと思います。
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 F棟よりG棟を望む。竣工は1992年です。建物ボリュームや仕上材は変化しつつも、庇線は旧来の建物高さに揃えてデザイン的な統一を図っています。街並として何を変えて何を継承するかが興味深いです。
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 G棟より広場を望む。奥にはカフェやギャラリーがあります。格好は良いのですが、動線が曖昧で今一つ落ち着きません。10年くらい経ってどう変化するか興味があります。
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2005年06月07日

●ミコノス島、サントリーニ島 1994

 ミコノス島、サントリーニ島を訪れたのは1994年10月初旬のことです。大学院が修了して、さあ就職して実務を覚えるぞ!でもその前に白い家と青い屋根の街並が見たい、エーゲ海クルーズもしたいというわけで出かけました。興味をもつきっかけになったのは「エーゲ海・キクラデスの光と影」という本なのですが、BAO/BABB.Session01の1st.はこの本を資料としてエーゲ海の暮らしを紹介するそうです。面白い偶然もあるものです。
 講師の方は本の元になった調査に参加されたそうで、柏なのに何故エーゲ海?という疑問にも、持ち前の噺家スピリットで駄洒落に包んで切り返してくれることでしょう。

 サントリーニ島では、1つの平面に白と青を塗り込めたような画を探して島を歩き回りました。浮世絵に見られる大胆な平面構成と色彩へのこだわりが少しあったかもしれません。エーゲ海も年中晴れているわけではありません。
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 ミコノス島です。バケーションシーズンも終盤、あと数週間で台風期に入るということでのんびりムードでした。道一杯にテーブルが並んで、街ごと広場みたいで面白かったです。食べ物も美味しかったです。
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2005年06月05日

●表参道周辺

 先週の金曜日は朝から打合せ、夜も打合せでした。その間に時間が空いたので、表参道周辺を散策しました。このあたりは有名建築家の建物が建ち並んでいるので、設計に携わる者にとってはディズニーランドよりも面白いところです。街路空間に嵌め込まれた豪華な壁面群を紹介します。

 青山通りにある「spiral」です。洗練されたバランス感覚で諸機能を積み上げて形成される表層、アトリウム内周に沿って弧を描くスロープ、街に対して開いた大階段。街と建物の関係性をとても上手くデザインした傑作だと思います。設計は槙文彦+槙総合計画事務所、竣工は1985年です。写真で段状に宙に浮くガラス面が大階段ですが、これに相対する街は未だに出現していません。
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 青山通りを左に折れて表参道へ。その角にニョッキリと出現するのが「ONE 表参道」です。エッジをきっちりと造形することで街路空間を明確に規定、ケヤキ並木に配慮した木ルーバーの表層。なんでしょうが、明快すぎて本気なのか冗談なのか迷います。設計は隈研吾/隈研吾建築都市設計事務所、竣工は2003年です。
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 少し歩くと「TOD'S 表参道」が見えます。ケヤキをイメージしたコンクリートの外壁は、想像以上に綺麗で、ケヤキ並木と調和していました。その反面、内部は採光面の制約が厳しそうです。設計は伊東豊雄建築設計事務所、竣工は2004年です。
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 更に先に行くと、「Dior 表参道」が見えます。白いシンプルなボリュームの全面に、レースのカーテンを掛けたような美しい影が映ります。ガラスとアクリルの合わせ技だそうですが、硬質な影ばかりの街に異彩を放っています。設計は妹島和世+西沢立衛/SANAA、竣工は 2003年です。
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 そのお向かいさんで工事が進むのが、「表参道ヒルズ」です。以前に取り上げた青山アパートメント周辺の再開発です。どんな街が出現するのでしょうか。設計は安藤忠雄建築研究所、竣工は2006年の予定です。
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2005年05月04日

●つくばセンター周辺

 つくばエクスプレス開業まであと少し。つながるのは「東京-つくば」なのか、「東京-柏-つくば」なのか様々な駆け引きが見えるようになってきました。柏は快速停車駅で半歩遅れをとった感じですが、既に街があるメリットを最大限活かして沿線開発サバイバルレースに圧勝してもらいたいと思います。昨日つくばに行く用事があったので、センタービル周辺を歩きました。

 センタービルには何度も来ましたが、サンクンガーデンが人で賑わっている光景をはじめて見ました。こちらも楽しくなってきます。まちの主役は人だと改めて思います。
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 とはいえ左に目を移すといつもの廃墟然とした景色が広がります。広場に面したガラス面のスペースが軒並み空のままでは賑わうはずもないですが、どういう意図の広場なのかいつも不思議に思います。災害時の避難用空地?
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 昼食はオープンカフェでとりました。ばかでっかいショッピングセンターの裏側にわざを道幅を狭くかつ蛇行させた路が作ってあります。人工の街の演出として目新しくはありませんが、これくらいのスケールだとやはり落ち着きます。サンドイッチが値段の割に美味しくなかった。
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 立派な並木道の歩道が市立図書館、エキスポセンターを越えてずーっと続きます。筑波大学まで1kmという表示があったので調子に乗って歩いてみました。他大学を通り、菊竹さんのオブジェのある公園を横に見、やっとたどり着いてみればそこは医学部キャンパス。芸術学部や体育学部は更にそのずーっと先にあると分かり、今回はここでリタイヤしました。つくばを歩いて回ろうとするのが間違いでした。
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2005年04月22日

●横浜美術館

 「ルーブル美術館展」が気になったので、出張の帰りに横浜美術館に寄りました。これまでは新古典主義やロマン主義はあまり興味を持って見ていなかったのですが、こちらでアングルの話題が出て興味が湧きました。ドカーン、バカーンと並ぶ大作の数々、最小限の解説、戻れない動線。個人的には構成や見せ方が物足りなく、「大ルーブルの顔見世興行」なんだなーと思いました。同時開催していた「横浜美術館コレクション展 第1期」に出ていたピカソ、ブラック、セザンヌの絵画と、アングルとのつながりを連想するときが一番面白かったです。

 横浜美術館へ行くときは桜木町から歩くと面白いです。施設と施設の間をショッピングや散歩といった行為(アクティビティといいます)でつなぐのが、アーバンデザインの基本なのですが、ここはその見本市です。広場空間の数と質では先に上げた東京駅周辺の方が上だと思いますが、それらが有機的に連続するという点ではこちらが数段上です。街の基本構想時に歩行者のネットワークをきちんと考え、それを守りつつ発展していることが分かります。住みたい街として1、2位を争う人気は伊達ではありません。

 桜木町駅を出ると「動く歩道」が美術館への道として現れます。写真中央下のゲート部分です。 
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 動く歩道を抜けて、ランドマークタワー内のショッピングモールへ。今回は行きませんが、この先にクイーンズスクエアという更にスケールの大きなショッピングスペースが続いています。よくテナントスペースが埋まるものです。
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 モールを抜けて左に90度向きを変えると、グランモールという巨大な並木道が伸びます。この地域の歩行者ネットワークの要です。ここに面して横浜美術館が在り、その前は広場になっています。
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 横浜美術館のエントランスを抜けると、巨大な段状吹抜空間が広がります。「動く歩道」「ショッピングモール」「並木道」「段状吹抜」。これだけバリエーションに富んだ空間が連続して二つの施設をつないでいるわけです。豪華すぎてちょっと疲れます。
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2005年04月07日

●東京駅周辺

東京駅は東京の玄関口です。交通手段の多様化や玄関口の分散が進むとはいえその地位は健在で、駅周辺は広場空間の見本市のようです。濃い味付のメインディッシュばかりであっという間にお腹一杯なのですが、今回はサラリと流して廻ってみました。

東京駅北口ホール。大きな吹抜空間は、玄関口として相応しいボリュームだと思います。1914年に建てられた駅舎は当時の面影を色濃く残し、ガラスの箱ばかりのこの周辺で、重みと落ち着きを感じさせてくれる貴重な空間です。
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多分この周辺で一番新しい屋内広場空間です。OAZO(オアゾ)というみたいです。カフェが面したイベントスペースと通り抜けできるショッピングゾーンの組み合せで、セオリーに忠実に良くできてます。観客としては、後発の分もう少し仕掛けが欲しいです。
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丸ビルイベントスペースです。外車のイベント、ミニ屋台村、カフェのオープン席が並んでいてちょっと不思議空間になっています。この建物の成功が、この一帯の再開発ブームに火をつけたと新聞で読んだ覚えがあります。
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東京国際フォーラムのスーバー吹抜空間です。平面をグラフィックパターンとして見るととても美しいのですが、立体になるとちょっと持て余し気味に感じます。通り抜け通路というスケールでもないし、イベントホールとしても使いにくそうです。
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東京国際フォーラムは建物間の街路もしっかりとデザインされています。ガラスと緑の街路は透明感がありますし、夜景もビジュアル映えします。ただ、ランニングコストが膨大にかかるため、維持するのが大変そうです。
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2005年02月17日

●世田谷区役所

用事があって世田谷区役所に行きました。広場を囲むように建物が配置してあり、行く度に素晴らしいと感じます。機能が追いつかなくなってプレハブ庁舎で凌いでいたり、元の建物の老朽化が目立つのでそのうち建替計画が持ち上がるかもしれませんが、基本配置は現状を維持して欲しいと思います。

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ここの食堂は美味しいので、昼時も楽しみです。今回は時間があったので庭園を眺めながらゆっくりと食べました。

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2005年01月19日

●三春交流館まほらと三春の街

以前に担当した公営住宅が「第23回福島県建築文化賞」の優秀賞に選ばれたとのことで、スタジオ建築計画の元倉さんのお供として表彰式に出席してきました。式自体はあっさりと終わりましたが、御世話になった方々へ挨拶が出来て良かったです。正賞に選ばれたのは、大高建築設計事務所の設計による三春交流館「まほら」でした。あの坂出人工大地を設計された大高さんの作品ということで興味が湧いたので、帰りに三春によりました。

交差点の角に面して建つ「まほら」は、ホールのボリュームを屋根で包むことで抑え込み、丘のようなシルエットを形成していました。その姿はどことなくユーモラスで、「寝そべったイノシシ」みたいに見えました。
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通りに面してガラスの休憩コーナーが設けてあり、小学生が宿題をしていました。ここは外から通り抜けられるように作られており、動線的に完全に建物から独立しています。街と建物の結び目みたいで面白いです。
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昔の学校の表門。写真では見えませんが、左手に普通の鉄筋コンクリートの校舎があり、そのギャップがすごいです。
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シルエットがやたら格好良い鳥居。意図的かどうかはわかりませんが、昔の表層を一枚残すことで、三春はとても深みのある街並を作っていると感じます。
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2002年11月20日

●古くて新しい上野駅

上野駅は、かつては北の玄関口として、また文化施設の集まる場所として東京の顔の一翼を担っていました。
しかし近年は、新幹線の東京駅への乗り入れ、駅舎の老朽化、湾岸地区の台頭、公園の青テント村化等が重なり、その地位は相対的に低下していました。
その上野駅が今年の2月にリニューアルオープンしました。中央改札口を出て広がる大空間(ガレリア)には人々が行き交い、駅が出会いと別れに満ちた祝祭の場所であることを思い出させてくれます。その隣のレトロ館の大きな吹き抜け空間ではイベントが行われ、ギャラリーで賑わっています。また若者向けショップが増えて、駅周辺がおしゃれなスポットへと変貌しました。それだけではありません。8月からはガレリアに面したカフェで「無線による駅でのインターネット接続実験」が始まり、無料でインターネットを使えるようになりました。
ガレリアを眺めながらインターネットが使えるこの場所は、古さと新しさが共存する面白い空間になっています。またノートパソコンユーザーにとっては、軽く食事をしつつ一仕事できる非常に便利な場所です。接続実験は11/19で終了しましたが、一刻も早くかつ低価格でのサービス開始を切望せずにはいられません。
場所がもともと持っていた魅力を活かしつつ、新しい要素を盛り込んでの「場の再生」は、歴史の継続という点でも非常に意義のあることです。都市は盛衰を繰り返す生き物に例えられますが、どんなに栄えている場所も衰える時が来ます。しかし「場の記憶」を愛する人たちがいれば復活することができるのです。
スクラップアンドビルドからストック活用型社会へと移行する時代に相応しい、アーバンデザインの好例だと思います。

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2002年11月05日

●ジャーディ氏講演会

博多キャナルシティーや汐留電通本社ビル等で有名なジョン・ジャーディ氏の講演会に行ってきました。都市における外と中の間の空間(in between)を精力的に手掛けてこられた方です。都市型ショッピングモールの元祖、Houton Plaza から最新のプロジェクトまで10を超える実例が次々に示される様は圧巻でした。また、コラボレーションの大事さを説いたり、設計を辞めてデベロッパーをしていたといった体験談はとても興味深かったです。

□講演
プロジェクトを費用とアートの観点から説明していきました。費用と経済効果の数字を並べることでプロジェクトの成果を強調し、同時に図面、パース、写真を通して、空間の楽しさ、美しさを伝える。シンプルでわかりやすいプレゼンでした。
・Houton Plaza (USA)
現在の事務所の最初の仕事。
美しい色彩、シンプルなデザイン、ユーザーが楽しめる体験。
ローコストで周辺への波及効果を生むほどの価値を創造。
以前に設計の仕事をしていたときに、いくらデベロッパーに in between な空間の大事さを説明してもわかってもらえなかった。この仕事では、デベロッパーが好きにしていいといってくれた。
・LosAngeles Olympic (USA)
足場等の資材をレンタルしてタワー等を構築、オリンピックの終了後返却。資材をカタログ化。時間とコストの節約。
・Lotterdam Project
分断された二つの地域を大きなガラス屋根を架けた歩行者通路でつなぐ。
・LasVegas Project (USA)
通りにガラス屋根を架けて様々な映像を映し出す。
・SaltLake Project (USA)
自分たちが運営するショッピングモール。
・Canal City (Japan)
・Nanba Project (Japan)
1-8階建ての建物にValley(谷)と呼ぶ切り込みを入れ、屋根からアプローチできる。
・Kawasaki Project (Japan)
安価なスタッコ、美しい色彩、シンプルな形。
近日オープン。成功するのではないか。
・Roppongi Project (Japan)
・Shinagawa Project (汐留電通本社ビル, Japan)
Juan Nouvel 設計のタワーに対して、庭と入口の役割。
タワーがガラスコップでこちらが石。
・Taipei Projecct
箱と球。十層以上の吹抜け。通路は2-3層の高さに抑え、なかなか全体を把握できないつくり。
・HongKong Project

□質疑
デザイナー間の意見統一はどうやってますか?
これほどの規模のプロジェクトを一人の人間が手掛けるべきではない。例えるならばオペラのようなもの。お互いにコミュニケートできることが大事。

経済効果の予測を提案時に行いますか?
しません。ユーザーが楽しんでくれれば、結果はついてきます。

建築家を辞めて現在の仕事を始めるまでの間は何をしていましたか?またどんなことを学びましたか?
デベロッパーをしていました。相手を説得する方法を身につけました。

人々の動き、楽しみを増幅するような空間デザインが印象的ですが、動線を造形へと置き換える際にどのような点に配慮していますか?またアートの視点を実際のデザインにどう生かすかをもう少し説明していただけますか?
質問の中に答えがあります。私の事務所には60人のパートナーがおり、それぞれがチェスの駒のごとくコラボレーションを行い、提案に磨きをかけています。また私たちはプロジェクトデザインのみを行い、実際の設計作業は現地の事務所、ゼネコンが行っています。

外よりも中に関心があるようですが?
そのとおりです。私の興味は"in between"な空間にあります。

あなたが手掛けるデザインをどう定義していますか?建築?アーバンデザイン?都市計画?
"Place Maker"です。これにはすべてが含まれます。事をうまく運ぶには、すべてを知っている必要があります。入念な準備が大事です。
デベロッパーをしていたときはお金が入ってきましたが、今の仕事をするようになって入ってこなくなりました。でも今の方が楽しいです。

□感想
プロジェクトの規模を考えると、こんなにも沢山の計画が次々と実現するということは驚異的だと思います。いったいどんな人が手掛けているのだろうかと興味津々で行ってきました。内容は期待以上に面白くて、もう満喫しましたって感じです。アーバンデザインに興味のある人にとって、特にそうだったのではないでしょうか。
質疑の4番目と6番目は僕の質問です。4番目は学生の頃から思っていた、「アーバンデザインに"デザインのためのデザイン"は必要なのか?」という疑問を聞いたつもりです。十分な調査、分析に基づく動線、ボリューム計画。それらを収める器としての建物と外部空間。これらでアーバンデザインは成り立つと思えました。キャナルシティーの球形劇場の大空間、ロッテルダムのガラス屋根の架かった歩行者空間、台北プロジェクトの球形に貫入するブリッジのダイナミズムと低層に抑えた通路からのその眺め。少なくとも、僕が見たい都市の場面がそこにありました。(では建物のデザインとアーバンデザインは別物かと言われると、それもまた違うのですが。建物は都市の景観の一部なのだから、当然両者は同一のアプローチでデザインされるべきだと思っています。)6番目は、率直になんて定義するの?と思って質問したのですが、ストレートな答えにやられた!と思いました。手のひらの上で踊ってちゃだめやん。
電通ビルのガラスコップと石の組合せは面白いと思いました。現代のガラスの摩天楼と石のプラザは、その古典であるシーグラムビルと比較するとどんなを変化を見せるのでしょうか。汐留を見に行く楽しみが増えました。

(本文の内容は筆者のメモと主観に基づき構成しています。正式な記録は TNProbe を参照ください。)

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