2007年03月31日

●桜@新宿御苑

 昨日の天気は小雨のち快晴、その後天気は崩れる見込み。桜を観るならここが山と、万障繰り合わせて新宿御苑へ。桜は早くも散り始め。ビル街の都市熱の影響?

 平地に咲く桜としては最高の一つと思える、イギリス風景式庭園の桜。巨木が並び咲く景色は壮観、花見客の人気も一番です。
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 千駄ヶ谷門付近の空を覆う桜。千鳥ヶ淵が花のトンネルなら、こちらは花天井。桜の花を透かして覗く空は、一際美しいです。
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 旧御涼亭からの眺め。屏風状に切り取られた風景は、応挙の風景画を思わせます。
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 桜を満喫した後、中の池に向かう傾斜地にて寝転ぶ。地を背に見上げる空は、最高に気持ち良いです。
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2007年03月30日

●桜@千鳥ヶ淵

 昨晩はひょんなことから竹橋へ。さらに足を伸ばして千鳥ヶ淵へ。
 桜の開花が予想以上に進んでいて、5分咲き間近という感じ。

 千鳥ヶ淵といえば、空を覆う花のトンネル。派手なライトアップは賛否両論ありそうですが、その美しさは圧巻です。「桜の花の下には・・・」の一節を思い出さずにはいられません。
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 そして水辺。水辺の近さも、大きく張り出す桜の枝ぶりも文句なし。完璧な桜の名所。人出の多さは如何ともしがたいですが、それも名所ゆえ。
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 さらに斜面。流れ落ちるように咲く桜の花は、日本画そのままの景色。高齢化が進むソメイヨシノの、速やかな再生を願わずにはいられません。
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2007年03月29日

●桜@目黒川

 駅を出ると、そこは桜色の世界でした。
 前日まで蕾膨らむ程度だった桜の花が、春の陽気で一気に開花して3分咲き程度に。唐突に現れた桜色の世界に心を持っていかれて、気がつけば足が90度向きを変えて川沿いを散策していました。

 建物が立ち並び日当たりの悪い目黒川は、水量も桜の木も今一つに思えます。しかし、心地良い陽気と、流れる水と、空に舞う桜色のコンボは強烈で、考えるよりも早く心を鷲掴みにされます。春と桜に敏感に反応する心は、四季の変化に恵まれた日本ならではと思います。
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 桜の上に顔を出す、安藤忠雄建築研究所設計による「MELROSE」。1984年竣工なので築23年くらい。RC打放しの外壁は、塗り替えたらしいですが汚れが目立ちます。RC打放しの意匠はけっこう短命かもしれません。
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 夜桜。桜を眺めながら飲むお酒は最高に美味しそうです。
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2007年03月23日

●上野の杜 韻松亭

 ダ・ヴィンチ展の後は、「上野の杜 韻松亭」へ。公園の桜を借景に花見弁当を楽しもうという計画は、桜の開花が間に合わず少し残念な結果に。でも、季節物はそんなもの。晴天の下、白木蓮と蕾膨らむ桜を見ながら、花見弁当を美味しくいただきました。値段は少々高めですが、3段重ねの重箱に細やかに詰められた料理は、花の季節に相応しい華やかさでした。

 打ち水をした玄関。公園の喧騒に面しつつ、世界を切り替える仕掛け。
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 玄関奥の建具を外して坪庭を見せる、内外連続の演出。板戸の絵が効いてます。実際には庭の上部にガラスが入っています。
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 テーブル席から望む公園。左手にバルコニー、右手に白木蓮、さらに横に桜の木が広がります。これからの季節は絶景でしょう。
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 内装は石積み風タイルの壁、床暖房を仕込んだフローリング床、古材をアクセントに用いた天井で構成され、濃い目の色味で落ち着いた空間に仕上がっています。ウォルナットっぽい無垢材を接いだテーブル、革張りの椅子も馴染んでいます。
 ハリボテを交えつつも、桜の頃はさぞやと思わせる景色の切り取り方といい、とても効果的に和の空間に仕上げています。食事中に二度ほど、「京都に行こう」という会話が聞こえましたが、この空間が和の感性を刺激せずにはおかないのでしょう。今回はテーブル席でしたが、座敷もありました。

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2007年03月21日

●レオナルド・ダ・ヴィンチ -天才の実像

 東京国立博物館で開催中の、特別展「レオナルド・ダ・ヴィンチ -天才の実像」を鑑賞しました。
 「モナ・リザ」の謎めいた微笑で世界史に名を刻む、ルネサンスの巨匠レオナルド・ダ・ヴィンチ。世界でも10数点しか現存しない彼の絵画作品の中でも、完成作としては2番目に大きく、保存状態も良い初期の傑作「受胎告知」が来日。展示場所は、34年前に「モナ・リザ」を展示し、150万人を超す入場者を記録した、本館特別5室。今年1月までウフィツィ美術館で開催された企画展「The Mind of Leonardo - The Universal Genius at Work」を再構成した、最新のダ・ヴィンチ像の展示を合わせて公開。JRや私鉄の主要駅には大看板が並び、TVも特番を流して、プロモーションにも力が入っています。
 個人的にも、ルネサンス期の繁栄の足跡を辿ってイタリアを旅行したことがあるので、とても楽しみにしていました。

 関連書籍を読み込み、期待は高まる一方で、展示初日に朝から並びました。9時過ぎに並んで、前に80人ほど。桜の開花は間に合いませんでしたが、青空の下、静かな出だしです。
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 展示室は、作品に向かって緩やかに下るスロープ状に構成されているので、とても観やすいです。通路は人が5、6人通れるくらいの幅があり、前2列が作品に観入って動かない層、間2列が動きながら観る層、後ろ2列はノンビリと眺める層という感じです。開館直後は後ろ2列はガラガラで、じっくりと鑑賞できました。作品の直前よりも、スロープを一段離れたところが視点の高さ的に丁度良く、遠近法の偏りを踏まえて作品の右前に立つのがベストに思えました。
 ガラスの透明度が非常に高く、照明も映り込まないよう配慮されているので、本当に「受胎告知」と直に対面している気持ちになれます。
 マリア様のけっこう現代的な顔のメイク、有名な布の習作を思わせる衣服の表現、剥製のような天使の羽、糸杉の向こうに広がる荒涼とした都市と自然、大気に霞む青い山、鮮やかな色彩。東京でダ・ヴィンチの大作を観られる幸運に感謝しつつ、堪能しました。

 展示は平成館に続きます。ロビーには「飛行機械の翼の設計案」の再現模型が吊られています。
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 こちらの見所は、伝レオナルド・ダ・ヴィンチ「少年キリスト像」。その真贋はともかく、ダ・ヴィンチの彫刻作品かもしれないという可能性は、非常に刺激的です。伏し目がちに少し口元を開いた表情と、特徴ある巻き毛表現。後半に展示されている「最後の晩餐」における感情表現の研究と重ねて見ると、新たなダ・ヴィンチの謎にどっぷりと浸れます。
 ダ・ヴィンチの手稿を基にした再現模型の展示は、少々詰め込み気味で、個々は魅力的でも全体を通してのテーマ設定が霞んでしまい、単調に思えました。

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2007年03月11日

●日本美術の歴史 (読了編)

 「日本美術の歴史」(辻惟雄著、東京大学出版会)を読了しました。購入編のエントリーが去年の2月16日なので、一年かかったことになります。バークコレクション展の栞が懐かしいです。

 この本の特徴は、豊富な知識に裏打ちされた茶目っ気たっぷりな「個人の視点で語られる美術通史」という点と、豊富な図版に尽きると思います。それは横尾忠則さんの表紙と、「縄文からマンガ・アニメまで」という白帯にも良く現れています。邪馬台国や救世観音といった歴史上の謎に触れつつ、サラッと自身の見解を添えて話を進めていくくだりは、歴史ファンのツボをくすぐります。また、「かざり」というキーワードを提示して折にふれて振り返る展開も、「変わるもの」「変わらぬもの」を浮かび上がらせて効果的です。

 もう一つの魅力は、展覧会に行く際に、その位置付け、概要を振り返る副読本としての活用です。「国宝伴大納言絵巻展」も、「花鳥-愛でる心、彩る技 <若冲を中心に>」も、「美術百年の継承展」も同じ時系列の中で捉えることで、視野が格段に広がるように思います。ページにするとほんの少しですが、その行間に込められた奥行きを感じ、その先の深淵なる世界を覗き込む感覚は、なかなか得難い経験です。

 建築も、その時代時代の美術との関連という文脈で登場します。限られたページ数ながら、”豆腐を切ったような”無装飾な”ツルツルピカピカした箱のような建物”という、モダニズム建築とそれまでの歴史主義との間の根幹的な亀裂まで言及されています。様々に絡み合う美術と建築の関係を辿るのも興味深いです。

 現代に辿り着き、美術、アート、マンガ、アニメと枝葉を広げて、この本は終わります。「かざり」という糸で縫われた通史を踏み台に、各自がその続きを紡ぐという終わり方も、今風だと思います。

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2007年03月08日

●花と電線

 それほど広くない道路。その際に建つ電柱と、建物に貼り付くように伸びる電線。
 触感を刺激する左官壁と、浮遊感あるプランターボックスの組み合わせ。赤い花と緑のオーニングの綺麗なコントラスト。青空と白いフレームの細身の影が、その存在を引き立てる。
 景観の破壊者として槍玉に上がることの多い要素と、内部のように作りこまれた壁面が組み合わされた街路の眺め。美しい?書き割りのよう?ちょっと足を止めて考えます。
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2007年03月07日

●芝公園-六本木ヒルズ

 六本木での仕事の下調べで、芝公園近くにある港区役所に行きました。
 増上寺の門越しに森タワーが見えるのが面白かったので、芝公園から六本木ヒルズまで歩いてみました。
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 芝公園内にある銀世界梅林。まだ咲いてます。桜は開花が早いが、梅は遅いらしい。
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 鳥居坂下交差点あたり。既存の街越しに六本木ヒルズを見るのがちょっと新鮮。
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 TOHOシネマズのガラスファサードとヒルズレジデンスを見上げてみる。幾つもの価値観が混在するような表層。スッキリと制御しきるよりも、多少混沌とした方が消費意欲を刺激する?
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2007年03月06日

●御殿飾り雛

 母方の実家にあった、御殿飾り雛です。毎年大広間に飾って、その周りに親族が集まりました。15年ほど前に、わけあってうちに引き取ることになりました。その際に記念に撮った写真です。広げると6帖間が埋まるので、飾ったのはこの時のみです。

 こんな大きなモノを飾って宴会が出来た京町屋の作りに感心します。特に広かったわけではなく、建具で仕切るだけのフレキシブルな間取りを上手く使っていました。その反面、プライベートな空間は全くなかったと思います。個室に馴れた今の世代には、暮らし難いことでしょう。家族構成や暮らし方の変化が感じられます。

 三段飾りの上段に、御殿が乗ります。小さい頃は、この見慣れない雛人形が嫌いでした。今思うと、記憶に残る個性的な仕様ですが。
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 お内裏様にお雛様、三人官女に五人囃子が並ぶ御殿、その前には弓を持つ人、槍を持つ人。
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 雛人形というより、舞台セットのような造り。
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 畳に座る、お内裏様とお雛様。あまりそれっぽくありません。
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2007年03月04日

●日本橋-八重洲 アート巡り

 「フンデルトヴァッサー展」のチケットをいただいたので、週末の日本橋へと出かけました。年末にプラネタリウムを観たり年始に志野茶碗を観たりで、この界隈に出かける機会が増えてきました。ビジネス街から24時間人が集う街へと変貌が進んでいることを実感できます。せっかくなので、日本橋から八重洲まで、アート巡りを楽しみました。

 始まりは五街道の起点、日本橋。日本橋三越本店で開催中の「フンデルトヴァッサー展」へ。鮮やかな色彩と渦巻く線が作り出す豊穣なイメージに圧倒されます。日本の木版技術者とコラボレートした版画の数々、版画集「雨の日に見てごらん」シリーズ、巨大なタペストリー。自然に帰るというよりも、人工物すら取り込んで自分の世界へと再構築してゆく暴力的とも思える力強さ。それは、宮崎駿さんや荒川修作さんの元ネタとしても興味深いです。最後に上映されていたビデオも、彼の物静かで過激な人柄がうかがえて良かったです。ただ、今回の展示を観る限り、彼は画家であって、建築家ではないと思います。
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 日本橋三井タワーの吹抜けを経て、三井記念美術館へ。「三井家のおひなさま」、「丸平文庫の京人形」が開催中です。どんな絢爛豪華な世界が展開するのかと楽しみにしていたのですが、意外と普通。最後の「丸平文庫の京人形」が良かったです。金屏風や紅白幕を背景に展開される、花を抱え舞踊る人形の数々。醍醐の花見もかくやと思わせる華やかさは、三月の節句に相応しいです。特に舞踏人形(胡蝶)が印象に残りました。
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 日本橋高島屋。「髙島屋美術部創設百年」というお知らせを新聞で見て、近代著名画家の作品がズラズラと並ぶのかと思い寄りました。実際には、再来年の創設百年に向けて、3年に渡り記念企画展を開催していくそうです。皮切りとして開催中の「名家百画展」と「美術百年の継承展」を観ました。近代から現代へと脈々と続く日本ファインアートの歴史を、画家にとって大切な商談窓口であろう髙島屋の視点から通観します。実物で観る作家インデックスという感じ。
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 一休みして、ブリヂストン美術館へ。「じっと見る 印象派から現代まで」展を開催中です。展示室壁面沿いに折り上げて光源を隠す天井、絨毯とフローリングを貼り分けて靴音を抑える床、作品テーマ毎に色を塗り分ける壁、展示室中央に置かれたソファと閑静な館内。絵画とじっくりと向き合える素敵な場所です。ポスターにもなっているルノワール「すわるジョルジェット・シャルパンティエ嬢」のフワフワした愛らしさと、藤田嗣治「ドルドーニュの家」のモダンなセンスが印象に残りました。人物画の印象が強い藤田ですが、建物画も上手いと思います。あの乳白表現を連想させる白壁は独特の質感を湛えます。

 最後に八重洲ブックセンターへ。気になっていたあの本や、仕事に役立ちそうなこんな本、アートの世界が広がりそうなそんな本がゴロゴロ。ついでだから我慢していたあの本も手を出すか!といったノリで気づけば数冊が手元に。買いすぎました。
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 面的な繋がりを強化するべく「メトロリンク日本橋」という無料巡回バスもあります。六本木アートトライアングルもそうですが、これからは箱の勝負でなく、面的なネットワークの充実が地域の力になります。

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2007年03月02日

●早咲き桜

 中目黒にある、早咲き桜スポットです。
 既に葉桜。

 今年の桜は開花が早そうです。
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