2006年05月30日

●パソコン買替記 購入編

 メインパソコンを入替えました。なぜ新型CPUの発売直前にもかかわらず今かというと、仕事のきりが良いから。ソフトウェアのバージョンアップも合わせて行います。データ形式、コマンド、使い勝手が微妙に変化するので、タイミングが大切です。

 機種選びのポイントは1.手早いサポート、2.深夜早朝でも作業できる静音性、3.グラフィック系とインターフェイス系の拡張性の3点。水冷式のNEC DirectのVALUESTAR G タイプX、コストパフォーマンスの高いDELLのDimension 9150、パッケージとしての完成度が高いSony StyleのVAIO typeRの3機種が候補です。調べていくと、NECは拡張性が乏しい、DELLはサポートの評判が下降の一途、SONYは希望のBTOが組めないと分かり再考となりました。マルチメディア系機能は風化が早そうなので、CPUとメモリのパワーアップに焦点を絞って再度見積りを集めると、DELLのPrecision 380が浮上しました。一応ワークステーションに分類されるだけあって、パーツや保守に安心感があります。それともうひとつCPUを購入してもお釣りがきそうなコストパフォーマンス。電話サポートがダメでもオンサイトサービスとパーツ保障でなんとかなるでしょうということでこれに決定。

 配送されてきた大きなダンボール箱を開けると、スチロール樹脂のパッキンで固定された本体とキーボードとマウスの2つの小箱。3ヶ国語兼用の薄い説明書と2枚のCDで全部です。その簡素で割り切った作りは、精密機器というよりも無印の家具に似ています。がっちりとした筐体は静音性もまずまずで、実用面の期待は十分に満たします。「所有する楽しさ」がもう少し感じられれば言うことなしですが、それはセカンドパソコンに委ねるとします。

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2006年05月26日

●ハウス オブ シセイドウと資生堂ギャラリー in 銀座

 表参道が建築とケヤキ並木の街路とすれば、銀座はショーウィンドウの街。建て替えが進んでもその伝統は健在で、新旧壁面のコントラストが新しい一面を加えていきます。新「銀座ルール」の制定で中央部での超高層開発に待ったをかける行政側の姿勢も明快です。

 ハウス オブ シセイドウと資生堂ギャラリーは、ショーウィンドウの奥にギャラリースペースを配し、様々な企画展を無料で楽しめる空間です。現在展示中の「都市に生きるアール・デコ」展では合同企画展とすることで、サロンのような「ハウス オブシ セイドウ」から並木-花椿通りを経て白い大空間「資生堂ギャラリー」へと至る内外空間を満喫することが出来ます。点と点を線で結んで世界が広がります。

 サロンの中の展示スペースという感じの空間です。充実したライブラリーが嬉しい。
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 赤い宝石箱に入って、細い階段を降りると白い大空間へと至ります。隠れ家っぽい?
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2006年05月16日

●銀座あおぞらDEアート@泰明小学校

 先日の日曜日は、「銀座おあぞらDEアート」に出かけました。銀座のギャラリーが協力して、100人以上のアーティストの作品を小学校の校庭に並べるアートイベントです。

 とにかく会場が良いです。有楽町マリオンの斜め向かいの立地、蔦に覆われた小学校の壁、屋外の気持ち良さ、そこでイベントをやろうという心意気。しかも入場無料。本当に身近にアートを感じられます。

 残念ながら今年は天候に恵まれず、GWを逃したのと当日の曇天で人出は今一つだったみたいですが、気軽に観て回れてとても面白かったです。小学校の位置が少々わかりにくいので、大通りあたりで呼込みをすれば良かったかも。

 フリマみたいな雰囲気でした。来年は晴れると良いですね。
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2006年05月13日

●「藤田嗣治展」 夜間鑑賞

 昨日は午後から役所と現場に行って、終わったのは夕方遅くでした。夜間鑑賞にピッタリの時間だったので、再度「藤田嗣治展」を観に行きました。構成は一本芯が通っていて、作品はバラエティに富んでいる展示が好きなので、その点でこの展示はとても魅力的です。

 構成は前回踏まえたので、今回は好きな作品探しをしました。
 一番は「猫」。躍動感ある多数の猫を奥行きのない平面に貼り込んだような不思議な構成、その中で顔の周りだけ面相筆で描き込んでディテールを浮き上がらせてマクロ撮影のような効果を生む技法。見飽きない面白さがあります。
 二番は1936年の「自画像」。「まあ、ゆっくりしていきなよ」とでもいうように、懐に猫を抱いて寛いだ藤田が迎えてくれるようです。日本情緒で埋め尽くされた画面も和みます。
 三番は「動物宴」。猫、犬、狼、猿、鶏。擬人化された動物たちのパーティー風景は分け分かりませんが、賑やかでコミカルな楽しさに溢れています。これまで主役だった裸婦は壁のデッサンに追いやられ、遂に動物たちの時代が到来です。
 四番は「カフェにて」。落ち着きのある色彩の中に、黒い服を着た白い肌の女性。上唇を少し伸ばして口を噛むような口元、アイシャドウが綺麗な憂いを帯びた瞳。藤田の様々な特徴を集大成したような一枚。

 20:10頃の様子。夜間鑑賞でも人出は変わらず。大人気です。
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2006年05月12日

●熱狂の日 in 東京国際フォーラム

 空間は建物(ハード)と中身(ソフト)の合わせ技。GW中の東京国際フォーラムはその両者が合わさって活況を呈していました。

 「熱狂の日」は去年から始まった音楽祭で、ゴールデンウィークを通して開催されます。公式サイトもありますが、こちらのブログを見るほうがはるかに熱狂っぷりが伝わってきます(4-5月のエントリー)。モノをいうのは口コミの力です。

 オーバースケールの吹抜空間に巨大なモーツァルトが似合います。公演チケットは深夜の一公演を除いて完売でした。無念。
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 ホワイエのような屋外広場。フォーラムの規模に相応しいお祭りでした。
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2006年05月11日

●藤田嗣治展

 東京国立近代美術館で開催中の藤田嗣治展を鑑賞しました。卓越した画力と奔放な生き方、そして死後の公開制限。近代の画家にもかかわらず、これまで断片的にしか触れる機会のなかった彼の全貌を知る、またとない機会です。

 展示は藤田の足跡を辿りつつ、その時代時代の画を並べています。パリへ向かうところから始まり、独自の画風を確立しての成功、パリを離れて中南米を経由して日本への帰還、戦争画を経て、再びパリへ旅立ちそして移住。舞台とパートナーを次々と替える奔放さ、その度に新たな描法を吸収してゆく貪欲さ、それらを画に昇華する高い技術、「細い線に乳白色の色彩」や「おかっぱ頭に猫」といった独自性確立への執念が、画の変遷を通して伝わってきます。

 パリで大成功を収めた「細い線に乳白色の色彩」の後には中南米での「太い線と豊かな量感と色彩」が並び、その大胆な変化は驚きです。主題である人物画の合間には自画像や動物画がはさまれ、親しみの涌く一面を見せてくれます。再度パリへ渡った頃から登場する「動物に囲まれた乳白色の人物画」は、それまでの経験が熟成され表出しているようで興味深いです。そして上唇を少し突き出し、噛むような口元と、丸く憂いを帯びた瞳の人物描写は、とても現代的に思えます。立体的に藤田の人物像が感じられる、よくまとまった回顧展だと思います。

 混んでると評判なので、平日の夕方に行きました。待たずに入れましたが、少々時間切れ気味でした。
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2006年05月08日

●ザハ・ハディド in 原美術館

 正式名称は「ザハ・ハディドとめぐるドイツ銀行コレクション「舞い降りた桜」」です。原美術館を舞台にして、世界的に評価の高い建築家ザハ・ハディドが構成した空間に沿って、ドイツ銀行のアートコレクションを鑑賞する、はずなのですが。。。私的には美術館5、ザハ3、常設展示1、企画展示1という割合でした。なので「ザハ・ハディド in 原美術館」です。

 原美術館は中庭とそれを囲む建物が素晴らしいです。屋上テラスから眺める青い空と蔦で覆われた煙突(?)も好きです。重みのあるスチール建具、距離によって見え方の変わる壁面タイルも趣があります。面白グッズでいっぱいのショップも良いです。時間と手間をかけて醸成された雰囲気が特に良いです。

 そして、その中心に出現するザハ・ハディドのインスタレーション。ザハといえば、イメージの奔流の如き、鋭角でパワフルなドローイング。あれが具現化すると、周囲をなぎ倒すようなバイオレンティックな存在と化すのか?と思いきや、実際にはハンカチをそっと置くような繊細で柔らからな存在で、「舞い降りた」というフレーズ通りです。中庭と見事にマッチしています。角度を変えればパワフルな曲面もありますが、その勢いは空へと流しています。原寸で制作したスタイロフォーム原型をそのまま送って組み立てたそうですが、さすがな面構成です。

 そのインスタレーションの影が建物内に流れ込み、会場内を誘導する仕掛けみたいですが、床に貼ったシートがペラペラで元の床のデコボコが浮き出てしまい、かなりチープ。イメージに空間が追いつけない感じでした。厚いと扉の開閉に支障が出るし、塗ってしまうと原状回復が大変だしで、仕方のないところでしょうか。そして展示を観るわけですが、これがどうもピンときませんでした。ゲルハルト・リヒター「船遊び」、やなぎみわ「かごめかごめ」、アンドレアス・グルスキー「アトランタ」、オラフ・ニコライ「自然に習って1」等々、気になる作品もあるのですが、全体に素っ気ないというか入り込めないという感じです。現代アートなんだからそんなモンよという気もしますが、「選りすぐり」という部分に分かり易さを期待していました。

 そんなわけで、満足度はけっこう高い展示でした。そろそろザハ・ハディドの建築も日本上陸でしょうか。
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●表参道ヒルズ

 表参道ヒルズは、その前身となる同潤会青山アパートの竣工から約80年を経て建替えられた再開発プロジェクトです。設計は森ビル+安藤忠雄建築研究所、竣工は2006年1月です。計画のポイントは、建物の半分を地下に沈め、建物壁面を上下(商業と居住)で分割することで青山アパートのスカイラインを残し、ケヤキ並木の街路空間を維持していることです。さらに青山アパートの一部を復元する等、「過去の継承」にとても配慮されています。それに加えて、吹抜けに面した6層スロープによる「新しい価値を付加」しています。言葉でいうと簡単ですが、その実現は驚異です。建替計画のあり方として、最高の回答の一つだと思います。

 関東大震災後の復興計画として出現し、耐震性、耐火性に配慮され、計画面でも先進性のある同潤会アパートも大半が姿を消しました。30年で過去のイコンと化す現状を見ていると、70-80年持った同潤会は優れた計画だったと思います。

 維持された街路空間。この時点で計画は半分成功だと思います。
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 吹抜に面した6層スロープ。シームレスにつながる立体街路の効果は絶大で、GWのもの凄い人出を、蟻地獄の如く吸い込みます。
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 スロープの眺め。文字通りの立体街路です。緩やかな勾配が連続するので、自然と足が動きます。車椅子の方が通行されていて、そういえばバリアフリー空間であることを思い出しました。空間のスケールと人出に圧倒されて、そこまで頭が回りませんでした。
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 復元された青山アパートの一部と、そのスカイラインを連続するガラスのファサード。まだ違和感がありますが、時間の経過と共に馴染んでくるでしょう。
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●燕子花図と藤花図

 先日「燕子花図と藤花図」展を鑑賞しました。根津美術館は今日から3年半、改築のため休館なので、その見納め展示です。

 ガランとした室内に屏風だけを並べる構成は、展覧会というよりも四季の眺めを楽しむお祭りの気分です。「吉野龍田図」の春・秋、尾形光琳「夏草図」の夏、「蹴鞠図」の春を経て、7ヵ月ぶりに尾形光琳「燕子花図」と再会します。季節は夏、水辺と八橋すら省略した構図と、金地に青緑の色彩。大胆な絵だなと思います。せっかく空いた室内なので、真ん中に畳を敷いて座敷から四周を眺める形で鑑賞できれば、なお良かった。狩野宗信「桜下麝香猫図」の春を経て、円山応挙「藤花図」へ。初夏の快晴の日、季節感ピッタリのこの絵が今回の主役だと思います。金地に薄墨の枝が這い、細密で色鮮やかな藤花が垂れる。写実をベースに装飾性を加味した絵は、品良く親しみやすさ抜群です。鶴沢探鯨「草花図」を経て、鈴木其一「夏秋山水図」の夏・秋で一巡です。
 一巡したら、真ん中の椅子に座って四周を見回してみます。座敷に立てて眺めたらこんな感じかなと想像しつつ、のんびりと眺めます。四季の屏風に囲まれたその先には、どんな景色を観ていたのだろうか。きっと絵に負けない佳景が広がっていたのだろうな。立地も庭園も申し分ない根津美術館です、新館への期待が高まります。

 庭園には杜若。(花菖蒲かも)
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 そして藤花。しばしのお別れです。
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●花鳥-愛でる心、彩る技 <若冲を中心に> 第2期

 「花鳥-愛でる心、彩る技 第2期」を鑑賞しました。今回は多彩な鶴の描写に興味がそそられて、会場を何度も回って見比べました。
 入口を入ると「群鶴図屏風」が目に入ります。金地にモノトーンの鶴がズラズラと並び、一風変わった雰囲気を醸しています。バーク・コレクションの「大麦図屏風」と似ている?中ほどに行くと狩野探信「松薔薇に鶴・竹梅に鶴図」、円山応挙「双鶴図」が並び、見慣れた「絵画の中の鶴」に出会います。特に後者のクリクリッとした眼の正面顔、気持ち良さそうに目を細める横顔、ペタリと胴に沿う翼、柔らかな足先の描写は絵としての鶴を消化し尽くした感があります。そしてクライマックスが伊藤若冲「動植綵絵」の一つ、「梅花群鶴図」です。黒の点目に、細く伸びる嘴、その中に生える歯、フグの薄造りのような翼。なにより画面左手に顔だけ出してエロ目で笑う(?)表情の豊かさ。とても生々しく、薄皮を剥ぐかのような細密な描画、それでいてとても美しい世界。あれも鶴ならこれも鶴、くらくらします。

 絵画の伝統を支えたのは狩野派や応挙なのでしょうが、奥行きを広げたのは若冲なのだろうと思います。広げすぎて明治の人には底なし沼に思えたかもしれませんが、時間を経て現代に至れば、その影響(?)が漫画や劇画に垣間見られて面白いです。

 大手門をくぐって見返したところ。日に日に緑が濃くなってきます。
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2006年05月02日

●デジカメ、パソコン買替記 下調べ編

 デジカメとパソコンの買い替えを検討しています。デジカメはメモとスナップ用途なので、重視しているのは1.広角(28mm以上)+ズーム、2.A4プリントに耐えうる+室内もそれなりに写る画質、3.いつもカバンに入れておける携帯性の順。候補はLUMIX DMC-FX01、Caplio R4、EasyShare V570。パソコンは仕事用のメインマシーンなので、1.手早いサポート、2.深夜早朝作業でも集中できる静音性、3.グラフィック系とインターフェイス系の拡張性の順。候補はNEC DirectのVALUESTAR G タイプXとDELLのDimension 9150。

 コンパクトデジカメかつ広角で画質を求める矛盾。直販パソコン故の情報量の少なさ。なにより候補間の相互比較資料がない。というわけで、打合せの帰路、秋葉原に寄りました。最近は萌えと再開発に押され気味とはいえ、さすがはパソコンのまち。情報量が違います。デジカメは操作可能な状態でズラリと並び、機器間の比較写真も豊富に揃っています。店員さんにCaplio GX8を勧められてけっこうグラリと来るものがありました。ただ、発売後そろそろ一年経つので、GW中は後継機の発表があるか様子見。直販パソコンもブースを出していて、その場で自由にカスタマイズ、即見積り。GW特別割引や店頭購入なら送料無料という特典あり。3パターン見積りをもらって、検討することにしました。

 「クロスフィールド」よりJRをはさんで「ヨドバシカメラ マルチメディア Akiba」の眺め。柏にも来て欲しい。
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