2005年07月21日

●目黒区総合庁舎

 昨日は朝から恵比寿で打合せでした。代官山でお昼を食べて、そのまま帰るのももったいないので、以前から見たいと思っていた目黒区総合庁舎まで足を伸ばしました。
 もともとは千代田生命本社ビルとして建てられました。設計は村野・森建築事務所、竣工は1966年です。アルミ鋳物製の外装による端正かつ温かみを感じさせる外観、高低差のある敷地を活かした平面及び断面計画、随所に見られる特徴あるデザイン等、名建築と呼ぶに相応しい計画です。建築主である千代田生命は2000年に経営破綻しますが、その際に目黒区が建物を購入し、総合庁舎として活用して現在に至ります。用途変更にともなう改修の際も、もとのデザインをなるべく残すよう配慮したそうです。名建築の素晴らしい再生例だと思います。

 建物外観です。低層、中層、高層の組み合せによるボリューム構成と、アルミ鋳物の外装が特徴です。
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 南口のエントランスホールです。敷地の高低差の関係で3階になっています。宴会場?と思うくらいに広い空間で、トップライトと低く抑えた横窓からの採光が効果的です。右側には水が張ってあり、窓越しに中庭の水面が見えます。
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 有機的な曲線で構成された螺旋階段です。直線で構成された空間の中で、異彩を放っています。
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 1階に下りて、休憩所より中庭を眺めたところです。アルミ鋳物の縦線と水面の組合せが落ち着いた雰囲気を作っています。中庭まで出ていけないのが残念。
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2005年07月13日

●西郷山公園夏之富士 1996

 「代官山フォトコンテスト」に応募しようと思って、仕事の合間にステキ探しをしました。下の写真がそのときの応募作です。撮影日は1996年8月15日。台風が過ぎて今日なら富士山が見えるだろうとあたりをつけて西郷山公園まで出かけました。以前紹介した構図の方が稜線が綺麗なのですが、このときは街中を歩いて見える点にこだわっています。
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 上の写真はめでたく入選し、「代官山ステキ発見マップ」に掲載されました。下の写真はその発展形である「代官山ステキガイドブック 2000年版」の1ページです。4年ぶりに「夏之富士」に再会できてちょっと嬉しかったです。
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2005年07月12日

●代官山ステキ発見

 1996年に「代官山フォトコンテスト」という企画がありました。同潤会代官山アパートの解体をきっかけに始まった、「代官山ステキ発見」活動の一環です。この活動は発展を続け、今では「代官山ホームページ」という形で代官山の街情報を発信、蓄積、交流する場となっています。ブランドイメージに恵まれ、文化的な蓄積を築き上げてきた代官山にとっても、同潤会の消失は大きな事件だったのだと改めて思います。
 写真はフォトコンテストで選ばれた107点の写真と撮影地点地図をセットにした「代官山ステキ発見マップ」です。自分の知らない代官山が色々と見られて面白かったです。
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 同潤会アパートを写した写真も多く掲載されています。今見ると、けっこう忘れていることが多いことに気づきました。ちょっと前のことだと思っていましたが、時の経つのは早いです。
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2005年07月11日

●ヒルサイドテラス

 代官山の旧山手通り沿いに、30年の年月を経て形成された街並があります。それらを形作るのは、諸機能(住居、店舗、レストラン等)を、内外に伸びるバブリックスペース(広場、歩行者通路、階段等)で緩やかにつないだ一連の建築群です。設計は槙総合計画事務所(アネックスのみスタジオ建築計画)です。都市と建築の豊かな関係を作る姿勢は一貫しつつ、時間の経過に合わせて変化を盛り込んだ本計画は、建築が街を作る可能性とその過程を教えてくれます。
 先日、打合せ前に時間があったので久しぶりに散策しました。広場と建物が連続する街路は歩いて楽しいです。

 代官山交番前よりA棟を望む。竣工は1969年です。広場、ガラス、建物の構成が明快で美しいです。建物を越えて伸びるケヤキが、時間の経過を物語ります。
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 通りよりC棟中庭を望む。竣工は1973年です。建物をスクリーンとして使うことで、通りとほどよい距離感を作っています。内部化された外部空間の好例だと思います。
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 F棟よりG棟を望む。竣工は1992年です。建物ボリュームや仕上材は変化しつつも、庇線は旧来の建物高さに揃えてデザイン的な統一を図っています。街並として何を変えて何を継承するかが興味深いです。
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 G棟より広場を望む。奥にはカフェやギャラリーがあります。格好は良いのですが、動線が曖昧で今一つ落ち着きません。10年くらい経ってどう変化するか興味があります。
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