2008年03月31日

●花見 2008

 3月最後の週末は花見。今年は桜の開花が早く、タイミングばっちり。

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 まずは韓国料理で腹ごしらえ。突き出しの皿数の多さ、チヂミの大きさと安さ、焼肉の美味さ、キュウリ漬けジンロの清涼感、作りすぎたと出してくれたビビンバ。食べて飲んで、大満足。

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 そして、桜の花咲く川沿いの道を歩きます。
 満開の桜、そのわりに少ない人出。落ち着いて桜が見られる、ありがたいスポット。

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 両岸に桜、川にはカモメが舞います。海が近いから?

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 一昨年、去年と2年続けてお邪魔している川沿いのお家に、今年もお邪魔します。飲んで食べて時おりバルコニーから桜を眺めて。心ゆくまで春の休日を堪能。

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 一段落したところでケーキと紅茶。この後さらに2時間ほどお邪魔して、おいとま。
 どうもありがとうございました。御世話になりっぱなしで申し訳ないです。

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●生誕100年 東山魁夷展@東京国立近代美術館

 東京国立近代美術館で開催中の「生誕100年 東山魁夷展」。そのプレビューイベントに参加しました。先日訪れた香川県立東山魁夷せとうち美術館」での興奮冷めやらぬうちにプレビュー参加者の募集を知り、即応募しました。絶大な人気を誇る画家の過去最大規模の回顧展ということで、主催者側もやる気満々です。(会場内の撮影は主催者の方の許可を得ています)

 「第1章 模索の時代」「特集1 ドイツ留学」を経て、「第2章 東山芸術の確立」へ。早々に彼の代表作「道」が登場します。手前から画面中央上部へと伸びる道。その先は緩やかに下りながら右手へとフェードアウトしてゆきます。一度見たら忘れない、シンプルな構成と奥深い世界。「せとうち美術館」の白いアプローチはこの絵の建築的再現、会田誠「あぜ道」は本歌取り。さらに進むと、色彩も豊かに東山芸術が全開です。中でも「萬緑新」の美しさにうっとり。
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 奥に進むと「特集2 〈自然と形象〉と《たにま》」。「たにま」の創作過程を、元絵となる写真から、完成形へと至る過程スケッチを並べて見せます。一見単純に思える構成が、実は厳格な推敲の末に生まれたものであることを雄弁に物語ります。さらに同じく水辺を描いた「自然と形象 雪の谷間」と並べることで、両者の間の12年間の変化を見せます。留学先がパリでなくドイツであることも、この厳格さと関係あると思えて東山絵画の世界が深まります。

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 「第3章 ヨーロッパの風景」。自然の描写がより写実的に、細密的に変化する中で、「冬華」に目が惹かれます。手前に大きく団扇のように枝を広げる大木。絵の具を盛り上げて質感も強調されています。その奥に林。画面下端ギリギリに水平線を設定して構図を大きくトリミング、広く開いた上方には満月が浮かびます。超近景と遠景のメリハリの強い構成、異様に下にある視点、意味ありげに伸びる林の中の道。それらがモノトーンの白い画面の中に凝縮されています。不安定な要素を幾つも組み合わせつつ、全体として静的な印象を与える不思議な世界。
 「特集3 白馬のいる風景」。画面に登場する白馬は、美しくも何かバランスを崩した存在のように思えます。画家の心に起こった変化が投影されているのでしょうか。
 「第4章 日本の風景」。さらに深化した東山風景画の数々。ここで風景画は一段落です。

 「第5章 町・建物」、「特集4 窓」と建物をテーマにした展示が続きます。窓を中心にクローズアップした壁面が、不思議な表情を見せます。
 「第6章 モノクロームと墨」、「特集5 唐招提寺の障壁画」、「第7章 おわりなき旅」で1階の展示は終了です。絶筆「夕星」の空に輝く星が、画家の長い旅路の終わり、空へと帰る回帰を思わせます。

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 そして2階へ。唐招提寺障壁画群の実物が展示されています。「濤声」のスケール、瑞々しさ、躍動感は圧倒的。絵画の世界に入って、その波濤を聞いている錯覚を覚えます。建物の再現も非常に良くできています。畳に上がって正座して観られればベストですが、それだと人の流れが悪くなるのでしょう。

 作品の並べ方にも気が使われていて、決して詰め込みすぎず、適度な間が空けてあります。ゆったりとした気持ちで、東山絵画の美しさを堪能しつつ、彼の画業が回顧できる構成は素晴らしいです。本展を準備された方々、プレビューを企画された方々どうもありがとうございました。

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2008年03月26日

●モディリアーニ展@国立新美術館

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 数ヶ月ぶりに国立新美術館へ。吹き抜けにはオレンジのヘチマ(?)が浮いています。

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 その下ではアーティストの方が似顔絵描き。にこやかに話しながら、サッ、サッ、と鉛筆を走らせます。

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 テーブルにはTORAYA CAFEの軽食と飲み物。春の陽気も合わさって、なんとも和やかなひととき。一年経って、空間が柔らかくなった気がします。

 いつもお世話になっているこちらにお誘いいただいて、「モディリアーニ展」を観ました。
 展示はモディリアーニの絵画、スケッチのみを時系列に沿って淡々と並べます。章の合間には、ゆかりの人々の実物大写真が挟まれます。シンプルに、オールアバウトモディリアーニ。個人的には、第II章のカリアティッドの仏像を思わせる描画(特に「大きな赤い胸像」)と、第IV章のモディリアーニ美男美女の連続で、彼独特の陶酔感に酔いました。
 その一方で、スケッチに顕著なフォルムの省略とデフォルメは、モデルが気を悪くしないのだろうかと思うほどに大胆です。非常に端正な彼の容姿あっての絵画な気もします。同時に、この線でこそ捉えられる美があるのだと思います。好き嫌いが分かれそうですが、彼の絵画が好きな人には絶好の機会です。

 追記:描いていただいた似顔絵です。アーティストの方いわく「スーチンみたいになりそう」とのことでしたが、どうでしょう。顔の形が角ばっているところは本人似。それ以外はモディリアーニ風アレンジだと思って下さい。
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2008年03月23日

●Nike+iPod

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 というわけで、Nike+iPodです。ビックカメラ 柏店とスーパースポーツゼビオ モラージュ柏店にて購入。ランニング用途なので、iPodをシリコンスリーブと液晶保護シートでがっちりガード。更に保証延長と総合保証も追加しました。合計38,035円也。
 iPod nano 4GB 17,800円
 Nike+iPod Sport Kit 3,400円
 AppleCare Protection Plan for iPod (1年間の保証延長) 4,800円
 ビックカメラ総合保証 (1年間の盗難・全損保証) 525円
 iPod nano用 アームバンド+シリコンスリーブ 1,580円
 iPod nano用 液晶保護シート 480円
 Nike AIR MAX MOTO5 9,450円
 計 38,035円

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 早速、手賀沼まで出かけて走ってみました。ランニングのデータは自動的にNike+のサイトに転送、保存されるので楽チン。強風でイヤホンが外れて付け直したときのペースダウンもしっかり記録されています。今回は8.22km走って、4分53秒/km。5分/kmで走れる距離をドンドン伸ばすことが当面の目標。

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 ランニングコースの入力もできます。他の人のコースも見られるのが楽しい。

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2008年03月22日

●佐藤可士和の超整理術

 「佐藤可士和の超整理術」読了。表紙をめくると木地の大机の奥に小さく腰かける著者の写真。白い空間に黒い服。それが本書の内容を雄弁に物語る。本の装丁も著者。白い表紙に文字だけのタイトル。ストレートに本書の内容を示し、「超」をつけて特別に。気がつけば手にとってレジに持っていってしまった。

 内容は整理術=快適に生きるための方法論を、「状況把握」「視点導入」「課題設定」の三段階に分けて解説。実際の仕事を交えつつ話を進めていくのでとても分かりやすいです。ファーストリテイリングのCIの清新さに流石と唸りました。

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2008年03月21日

●勝間和代「効率が10倍アップする新・知的生産術」

 勝間和代「効率が10倍アップする新・知的生産術 -自分をグーグル化する方法-」読了。
 NIKE+iPODを導入することを決意。ランニングの習慣化と耳からのインプットの有効化の一石二鳥の効果をあげるぞ!

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2008年03月18日

●山田真哉「さおだけ屋はなぜつぶれないか?」

 山田真哉「さおだけ屋はなぜつぶれないか? 身近な疑問からはじめる会計学」を読みました。確定申告の季節、やさしい会計モノ、少し前のベストセラーの三点がポイント。

 さおだけ屋、フランス料理店等などの舞台設定が功を奏して、好奇心がスムーズに会計学へ向かいます。一章ワンセンテンスに絞り込まれた明快な論点のおかげで、あっという間に読了。確定申告の決算書を眺めて、数字のセンスを磨かないとなあと反省。要約すればA4用紙一枚におさまりそうな内容で、ちょっとためになる、前評判通りの内容でした。

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2008年03月17日

●海堂尊「チーム・バチスタの栄光」

 海堂尊「チーム・バチスタの栄光」を読みました。第4回「このミステリーがすごい!」大賞受賞作、医師であり作家である多才な作者、映画化の勢い。相変わらずミーハーな選択です。

 青天の霹靂のごとく、栄光のバチスタ・チームに潜む謎の解明を命じられる昼行灯の主人公。前半は、その目を通して登場人物個々の輪郭を浮かび上がらせます。そして後半。もう一人の主人公が登場して、ものすごいスピードでその輪郭を突き崩し、天才外科医の秘密を明るみに出し、そして事件の核心へと突き進みます。主人公と一体になって、ジェットコースターに乗りながら解説を聞いているようなスピード感。続編への布石もしっかりとうって幕。

 印象に残るのは、精緻に練られたプロット。無駄を削ぎ落とした構成と、そこから生まれる情報の飢えと疾走感。その一方で登場人物の造形をきっちりこなすそつなさ。何より緊迫感ある手術シーンの描写。文句なく面白いです。続編も2編あるので、そのうち読んでみたいです。

 ついでに映画の予告編。緊迫感に満ちたシーンの数々が、平坦な台詞のやり取りとして並ぶ。活字のトリックであるミステリーと映像は別物に思えました。

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2008年03月04日

●五十嵐太郎「現代建築に関する16章 空間、時間そして世界」

 五十嵐太郎「現代建築に関する16章 空間、時間そして世界」を読みました。現代建築の研究者として広く活躍中の著者が、16のテーマに沿って現代建築を読み解きます。

 スーパーフラット、モビルスーツといった現代のキーワードを豊富に盛り込み、現代のスター建築家の作品を次々に登場させ、過去から現代へと連続した時系列の中で論が進みます。昔読んだ本が登場したと思ったら、その次に最新の建築が登場して、昔習った建築史が現代まで拡張するようです。ちょっと現代建築通になった気分。個人的には「第十五章」、「第十六章」が特に興味深かったです。

 「第十五章 メディア-雑誌、写真、模型」
 書物、雑誌、新聞の登場が建築デザインを広く伝播した。メディアが時間を加速させる。製版精度が荒い頃は建築ディテールも荒く、製版精度が上がると建築ディテールも繊細になった。メディアが建築に影響を与える。写真の登場が建築家による透視図に頼る必要をなくし、建築家と編集者の力関係を逆転させた。モダニズム建築の時代の建築雑誌は白黒写真がメイン。細かい装飾やディテールよりも、はっきりした、抽象的な構成を強調するようなデザインが白黒写真に合っていたはず。
 20世紀後半に入って視覚中心主義に対する批判。手触り、写真でない感覚への傾倒。プレイステーションなどのゲーム機でも、目と指から体そのものを動かすゲームの登場。CGから模型による差異の検討へ。

 「第十六章 透明性と映像-モニタとしての建築」
 リテラル-文字通りの透明性、フェノメナル-現象としての透明性。後者は古典主義建築にも遡って見出すことが出来る。近代になってガラスを使うようになって登場した透明性の概念が、過去の建築にも適用できる。現代は半透明性に焦点。
 映像への応用。リテラルな映像性、QFRONT等。ブレードランナーの世界の現実化。フェノメナルな映像性、銀座ルイ・ヴィトン等。ダン・グレアムのアート。
 谷口吉生の建築に多くみられる映像的な仕掛け。法隆寺宝物館の水盤。同じ概念が平等院鳳凰堂の池にも見出せる。過去に遡る映像性の概念。MoMAは映画のワンシーンのようにマンハッタンをフレーミング。とても映像的。

 メディア、透明性、映像性といった現代建築のキーワードを、とてもスムーズに建築史に織り込んでいて感心しました。マイベストブック、ジークフリート・ギーディオン「空間・時間・建築」に登場したリテラルな透明性が拡張されて映像性へと至りMoMAへと着地する構成は、イメージ的にもダイナミックで美しい。

 東京都庭園美術館で開催中の「建築の記憶-写真と建築の近現代-」展は、この視点を踏まえて観ると奥行きが俄然増しそうです。行くのが楽しみです。

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2008年03月01日

●ルノワール+ルノワール展@Bunkamura ザ・ミュージアム

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 金曜日の夜のBunkamuraは、ムードがあります。一週間が終わって、余暇の時間の幕が開く感じ。

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 エスカレーターを降りて中庭へ。ザ・ミュージアムにて「ルノワール+ルノワール展」が開催中。副題は「画家の父、映画監督の息子 2人の巨匠が日本初共演」。

 第1章「家族の肖像」。家族を描いた絵画に焦点を当てた内容。ピエール=オーギュスト・ルノワール「アリーヌ・シャリゴ」は、後の妻を明るい色彩、はっきりとした輪郭で描いていて印象的。「ジャン・ルノワールの肖像」は長髪にリボンを結んでいる。女装趣味?「狩姿のジャン」とジャン・ルノワール「ゲームの規則」は父の絵画と息子の映画を並べて展示。だからルノワール+ルノワール。
 第2章「モデル」。画家のモデルになった女性を展示。テーマ設定が明快で、冗長感が漂ういつもの構成とは一味違います。「コロナ・ロマノ、バラの若い女」は豊穣な表情と青が効いた色彩構成なルノワール美人。「読書する少女」は愛らしい。
 第3章「自然」。父「風景、ブーシヴァル」子「ピクニック」の舟遊びの様子。父「陽光のなかの裸婦(試作、裸婦・光の効果)」子「草の上の朝食」の木漏れ日の光の中で水浴する女性の描写。相互の表現がオーバーラップする様は、子の目を通して父の世界が再現されるようです。企画の意図にピタリと焦点を当てる展示。
 第4章「娯楽と社会生活」。父「ぶらんこ」子「ピクニック」は、動くメディアの利点を活かして子の表現が勝る感じ。溌剌とした表情のアップは特に素敵。父「田舎のダンス」子「恋多き女」。輪郭をぼかしつつもはっきりと感じさせる描写、男性の青い衣装と女性の赤い帽子、女性の手の扇子、打ち解けた表情。空間を凝縮したような描写は本展随一。やはりルノワールといえばピエール=オーギュスト・ルノワール。子「フレンチ・カンカン」。乱舞する色彩。

 とても良くできたエンターテイメントでした。Bunkamura ザ・ミュージアムで観た中でベスト。

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