2017年12月24日

●キーワード2017

 今年のアート・建築・街関連を三つのキーワードで振り返ってみます。(過去ログはこちら)
 今年後半は、マラソントレーニングと試験勉強と転職活動と海外旅行が重なりました。その過程で、自身の思考、行動、能力、将来と濃密に向かい合いました。

■実物を観る楽しみ
ミュシャ展@国立新美術館
 スラブ叙事詩の巨大さと美しさ。

ブリューゲル「バベルの塔」展@東京都美術館
 「バベルの塔」の画面が、思ったよりもずっと美しかった。

特別展「快慶」@奈良国立博物館+特別展「運慶」@東京国立博物館
 慶派を代表する2大仏師の展覧会。信仰をたどる快慶展、夜店を練り歩くような運慶展。

レオナルド・ダ・ヴィンチ×ミケランジェロ展@三菱一号館美術館
 まさか、ダ・ヴィンチ素描の代表作を日本で観られるとは。

■体験する楽しみ
絵巻マニア列伝@サントリー美術館
 絵巻収集者の視点からたどる構成が、現代的で面白い。

奈良美智 for better or worse @豊田市美術館
 作家の全面協力による渾身の展示と、ミスターパーフェクトの建築空間が融合した、傑作展。今年のマイベスト展覧会。

安藤忠雄展@国立新美術館
 建築を楽しんでもらおうと、現代建築の巨匠がサービス精神全開で取り組む。光の教会の原寸再現、建築家自身が語る音声ガイド、サイン入りポストカード付の格安図録。マイベストは住吉の長屋の図面。

国宝展@京都国立博物館+末法展@細見美術館
 大混雑で観客を見てるような国宝展と、謎めいたコレクション展を装った企画展。同じような情報を繰り返し垂れ流すメディアの在りようを上手く捉えていた。

レアンドロ・エルリッヒ展@森美術館
 参加型展示の傑作。遊園地のアトラクションとどう線引きをするのだろう。

STAR WARS The Last Jedi with MX4D
 完璧に練り込まれたプロットが提示する、新旧伝説の終わりと始まり。座席の動きと霧等の効果で臨場感を盛り上げるMX4Dテクノロジー。長丁場を全く飽きさせない、最高のエンターテイメント体験。

■考える楽しみ
 一見情報が豊富なようでいて、実際には似た様な情報ばかりが目に触れるような状態にあると思われる時に、自分はどう行動するのか。価値を自身で定義することで、一層楽しむことができるのではないかと考える年でした。

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●2017年12月の鑑賞記録

 12/1-2
 Dogo Onsen Main Building, one of the oldest hotspring spot in Japan.

 12/21
STAR WARS The Last Jedi with MX4D !
 The story plot is perfectly composed as the intersection of old and new saga. And the Moving Effects of MX4D ! Their combination take us to the truely Fantastic Experience !

 12/22
 marimekko spirit exhitbition@gallery A4
 Power of Color, Pattern, and Design. Plus, Spacial Configuration of sauna and tea house.

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2017年12月10日

●読書メモ 「日本建築集中講義」藤森照信×山口晃 淡交社

 近代建築史家かつ現代建築家と、現代日本画家の共著による、日本建築案内。高い専門知識+能力と、非常にユニークな視点が魅力。実見はほどほどに、スタスタと通り過ぎて、見学後に画伯が先生に感想を伺いつつスケッチにまとめる。このやり取りがとても面白い。

 第一回 法隆寺。揺るぎない美しさと回廊効果。エンタシスの嘘。何度も観たけれども、なるほどと思うことしきり。

 第二回 日吉大社。湿気の多さゆえ、安土桃山の美もしっとり。穴太の石組み。今度行ってみよう。

 第三回 旧岩崎家住宅。ゼネコン・コンドル組もうかる。ニスは失敗。洋館は造形がうるさい。色々やりたかったコンドル先生。趣味のベランダ。九間の広間。以前に行ったときは「さすが三井財閥のお屋敷」と思うだけだったけれども、再訪してみたくなった。

 第四回 投入堂。額みたいな岩、下から生えたような柱、ちょっと凹んで、軒がピュッとなる。平安の美。建物自体完全に木だか石だかわかんない。一度行かねば。

 第五回 聴竹居。モダン建築に和風を取り込んだ最初の建築。だけど辟易。窓枠の面取り。立体幾何学の下地に、複雑かつ几帳面なミニマリズム。観たい。

 第六回 待庵。400年もつバラック。戦場で「囲い」という茶室を造る伝統。開口部を閉めると空間が広がる。がんばって予約して、大山崎行かないと!

 第七回 修学院離宮。平安王朝文化の復活、浄土式庭園。斜め対座軸の書院。なるほど。そうだ、修学院行こう。

 第八回 旧閑谷学校。磨き上げ、漆を塗った「床」効果。土木的力強さの配置、丸まった塀。寝殿造平面の講堂。国籍不明の花頭窓の向こうに白い障子。そうだ、旧閑谷学校行こう。

 第九回 箱木千年家。日本民家の原型、室町時代頃の建築。日本建築史は宗教建築と住宅建築の二本立て。民家=無意識の領域で造られた建築。竪穴式住居の習慣。低い軒、柱のない土壁。集めるのが大変だけど茅葺、茅しかなかったから。そういうもんだ。復元とは?民家が残ってるとは知りませんでした。行かねば。

 第十回 角屋。仕上げと凝りように莫大な手間とお金。土壁に螺鈿!揚屋。青貝の間にてっぺんハジケた花頭窓。外観の町家造り、屋内の武家風造り、インテリアが全然関係ない。建築のインテリアの究極は布化する。書院造→数寄屋。ロマネスク→ゴシック→晩期ゴシック。装飾性を突き詰めると、薄く細く布化。華奢で繊細で、貴婦人のレースの下着。日本の料亭は角屋サバイバル。網代天井、仕切襖。究極の装飾、行かねば!

 第十一回 松本城。関ケ原の合戦以前に造られた、実用に徹した城。5層6階建て。城は日本建築史に突然現れる。先駆けは安土城。構想の基は西欧の教会という説も。城が実用に供されることは極めて少ない。城攻めは兵糧攻めか水攻め。使うときは最期。大砲が発達して、出城は無用の長物に。近代都市は戦争の対象外に。それ以前の都市は、日本なら城下町、ヨーロッパなら城壁で守ろうとした。機会があれば観てみよう。

 第十二回 三渓園。数寄屋の宝庫という点では「東の桂離宮」。数寄屋は外を眺めるための建物。庭とセット。臨春閣は王朝風数寄屋。聴秋閣は「書院のオモチャ」みたいな数寄屋化した書院。ちっちゃくてカワイイ。襖絵は全て精巧な複製。春に観たけれども、また観たくなる。お二人の名調子に、読んでる方まで楽しくなる。

 補講 西本願寺。現存日本最古の能舞台、豪華さの美学二つの書院、薄くて軽い飛雲閣。日本建築のエッセンスが詰まった場所。寝殿造は屋内でキャンプ。書院造は住むために障子・襖をはめて、天井を張って、畳を敷く。さらに床の間 (床と付書院と違棚の三点セット)。その書院造がもっとも豪快に花開いたのが安土桃山時代。聚楽第でピークに達して、二条城や西本願寺につながる。白書院は照明が全て雪洞。その高さのおかけで、金箔が活きている。上から照らすと暗く沈むが、横から照らすと光が反射して金箔部分が明るくなって、絵にすぅーっと奥行きが出る。障壁画と建築が共存。柱とか長押とか建築の基本を明らかにしたうえで、邪魔しないように絶妙に描く。能舞台の奥の松の消えっぷり。聖なる性格を感じさせる曲がった欄干。10年前に縁あって観たけれでも、やはりまた観たい!

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2017年12月03日

●第12回 湘南国際マラソン

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 12月の第1日曜日、第12回湘南国際マラソンを走りました。今回は奮発して、大磯プリンスホテルに前泊。スタート&ゴール会場は本当に目の前。見事な快晴。

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 朝5時半起床、6時にモーニングビュッフェ。8時30分に会場目指して出発。既に長い列が形成されており、出遅れた感ありあり。急いでスタートブロックを目指す。途中、いきなり富士山が頭を出していて、その大きさに驚く。

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 9時号砲。2分13秒でスタートラインを通過。青空の下、右手に湘南の海を見ながらの走りは本当に気持ちが良い。途中から松並木の陰に入り、日陰の中を走る区間が長いので、手袋は着けたまま走る。汗をかくので給水はなるべく採る。

 フォームは胸を張りつつお腹に力を入れて少し引き、腕は小さくたたんで肩を後ろに小さく引く感じ。シューズも慣れてきたのか、先週よりも楽に走れるように感じる。

 10㎞のスプリットが47分32秒だったので、ちょっと遅すぎとペースを上げる。ほどなく3時間30分のペースランナーを抜いたので、やはりスタート出遅れたなと実感。今回は追い抜き走。

 平均4分30秒台を意識しつつペースを調整。目標は4分20分台前半。第一折返し点を過ぎると、途中何度か富士山が正面に見えて、とても印象的。レース全体はとても静かな感じで、淡々と進む。

 32kmを超えたあたりで抜かれ始め、ペースが落ち始める。あとはひたすら足を動かしてゴールを目指す。3時間27分58秒でゴール!

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測定地点 スプリット ラップ
Start 00:02:13
10km 00:48:58 0:46:45
20km 01:34:21 0:45:23
30km 02:21:25 0:47:04
40km 03:16:00 0:54:35
Finish 03:27:58 0:11:58

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 中盤はなかなか粘ったけれでも、その分終盤の失速が大きくなって、結局は先週のつくばマラソンから少し早くなっただけ。2週続けてのフルマラソンにしては頑張ったという感じ。快晴と、富士山の眺望が素晴らしい大会でした。

 湘南国際マラソンは運営がとてもしっかりしており、ボランティアの方たちの働きが本当に素晴らしい。感謝の気持ちでいっぱいです。

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