2018年08月24日

●Gordon Matta-Clark: Mutation in Space@MOMAT

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Gordon Matta-Clark: Mutation in Space@MOMAT.
His radical work "building cuts" and "Splitting" give us strong visual impact and make us feel deep concern to city and life.

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The park-like setting, including "Splittings: Four Corners", express his wide variety of interest very well.

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Wall-like Metropolitan skyscraper view seen from MOMAT, with "Reflection" by GORMLEY, Antony.

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"Craft Beer Market" @ Jimbocho. A wide range of drink menu and the space, widely open to the street, are very comfortable!

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2018年08月18日

●ペンギン・ハイウェイ

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 猛暑から奇跡的に涼やかな気候へと変化したお盆休み後半、何か夏らしい映画を観ようと思い立ち、『ペンギン・ハイウェイ』を観ました。
 原作は「有頂天家族」の森見登美彦、監督は「フミコの告白」の石田祐康。ローカルな魅力と不思議感溢れる世界観の中、ダイナミックな映像体験に期待。
 ものすごくしっかりした小学校4年生のアオヤマ君の目を通して見る、不思議に満ちた世界と、お姉さんとのひと夏の体験。丁寧なエピソードの積み重ねで、日常のようなおとぎ話の世界を構築した上で、いざ非日常の世界へ。話にがっちり引き込まれて、終盤は画面に釘付けでした。
 映画館を出ると、盆踊りで賑わっていて、涼しさと相まってとても心地良かったです。

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2018年08月16日

●特別展「縄文―1万年の美の鼓動」@東京国立博物館

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 上野の東京国立博物館 平成館で開催中の特別展「縄文―1万年の美の鼓動」を観ました。

第1章 暮らしの美
 縄文時代は、旧石器時代が終わった紀元前1万3千年前からおよそ1万年間続いた時代。えっ、1万年?弥生時代から現代までが5千年だから、その倍もあるやん。狩猟生活から農耕生活に変化するのにそんなに長い時間がかかったの?というわけで、今更ながら縄文時代の長さにびっくり。
 草創期の微隆起線文土器。始まりは素朴な縄の文様。
 漆塗彩文鉢形土器。漆がこんなに昔から使われていたとは知りませんでした。
 大きな土製耳飾を、随分大きなイヤリングと思ったら、耳たぶに埋め込んで使ったとの解説を読んでビックリ。重そう。
 貝輪形土製品。貝輪の装身具は分かるけど、それをさらに土で模した装身具?重いし脆そう。内陸部で海のない地域の人が、貝輪に憧れて作ったのだろうか。
 漆塗櫛。漆で固めた櫛。漆万能。
  什器、装身具等、現代の価値観から縄文を見返すのが新鮮。

第2章 美のうねり
 片口付深鉢型土器。外面を、みっちりと文様で埋め尽くす。
 深鉢型土器。土器上端部のうねりと、円型の立上り。エスカレートする造形。
 技術革新の停滞と、表現方法の過剰化。

第3章 美の競演
 同時代の世界の土器との比較。
 彩陶鉢。中国の彩色文様の美しさ。
 無文壺。メソポタミアの薄くシャープな造形。
 農耕文化、鉄器の発明等、縄文の一歩先を行っている。

第4章 縄文美の最たるもの
 火焔型土器。縄文文化のアイコンの一つ。大きくうねるようなダイナミックな造形。
 土偶 縄文の女神。横から見た大きくうねりのある造形、角型+横紋が独特の脚部。国宝土偶の中でも、飛び抜けてスタイリッシュ。
 縄文国宝オールスターズ。確かに独特の造形かつバリエーションに富んでいて魅力的。これらの「美」は、あたりまえだけれども、後世の研究者が発見した後付けのモノ。造られた当時は「美」という概念はあったのだろうか。縄文時代は「文字」が発明されなかったので、形から想像することしかできない。それが技術の長い停滞と、過剰とも思える独自造形の発展につながったのかと妄想。

第5章 祈りの美、祈りの形
 遮光器土偶。縄文時代のアイコンの一つ。全身を覆うような文様と、独特のプロポーション、巨大なゴーグル、頭飾り?。時代を超えたような造形感覚。
 人形装飾付有孔鍔付土器。外側に貼りついた人形が可愛い。

第6章 新たにつむがれる美
 近代作家による「縄文」の発見。

 遺跡等の博物学的視点をスパッと切り、6点の国宝縄文土器を中心に、美に絞った構成が意欲的。

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2018年08月15日

●読書メモ 「いちばんやさしい美術鑑賞」青い日記帳 筑摩書房

 いつもお世話になっているアートブロガー「青い日記帳」のTakさんが執筆された『いちばんやさしい美術鑑賞 筑摩書房』(⇒筑摩書房特設ページ)が出版されました。

 本の内容については、すでにいくつものブログで丁寧な紹介がされています。

青い日記帳
『いちばんやさしい美術鑑賞』ってどんな本?!

今日の献立ev.
全アートファン必見!『いちばんやさしい美術鑑賞』ってどんな本?(ついに来週発売!)

あいあむらいぶ
ブログ「青い日記帳」Takさんにいろいろインタビューしてみた!~新書『いちばんやさしい美術鑑賞』出版によせて~(前編)

ブログ「青い日記帳」Takさんにいろいろインタビューしてみた!~新書『いちばんやさしい美術鑑賞』出版によせて~(後編)

はろるど
「いちばんやさしい美術鑑賞」 青い日記帳

本書の特徴
 本書の特徴は、「素人による素人のための美術鑑賞入門」
 入門書というと、その分野の専門家が、読者の興味を惹きそうなトピックを並べ、分かり易くかみ砕いて (もしくは図示して) 執筆するスタイルが最近の流行。間口広く、読者層を開拓しようという意図があると思います。個人的には「日本美術の歴史 辻惟雄 東京大学出版会」「日本建築集中講義 藤森照信×山口晃 淡交社」等が特に面白いと感じています。ちょっと工学面に寄ると、「今日からモノ知りシリーズ トコトンやさしい 地震と建物の本 斎藤大樹 日刊工業新聞社」等もこの流れかと思います。

 他方、Takさんは美術を専攻 or 研究している方ではありません。美術が好きで、15年に渡りアート情報を発信し続けてきたアートブロガーです。その情報発信力を買われて、これまで様々なトークイベント・内覧会・美術本等の告知協力を行い、集客実績を上げてこられました。また、トークイベントの司会者等としても活躍されています。これらの活動が出版社の目に留まり、今回の執筆へつながったそうです。とても特殊ではありますが、「素人が書く入門書」です。

 正直なところ、入門書自体は増えているのに、なんで更に一回り素人側に寄った入門書が必要なのかピンとこないところがあるのですが、「売れてます」。見方を変えると、人気ブログの出版化の波が、ついに美術本界隈にも到達したとも言えるのでしょうか。というわけで、読んでみました。

読書メモ
 構成は西洋美術 7章、日本美術 8章の全15章からなり、それぞれ時系列順にエピソードを並べて、美術史を緩やかに包括しています。
 各エピソードの中心に据える美術作品は全て「国内で観られる作品」から選ばれており、各章題には「聞いたこともない画家の作品を鑑賞する時は」という風に、その章で取り上げる鑑賞ポイントを明示する等、読者への気配りが行き届いた造りになっています。
 さらに、テキスト中に最近の流行言葉等を積極的に織り込み、読者をドンドン巻き込んでいく語り口には、これまでの blog で培った美術鑑賞ノウハウ、蘊蓄、体験談等が凝縮されています。

 各章の内容は様々なバリエーションに富み、なるほどと感じる箇所がいくつもあります。「過去の作品」は一定の評価を踏まえた既研究の内容の蘊蓄(=展覧会や雑誌等で以前観た内容との重複)に拠りがちになる一方で、「現代美術」は今まさに価値を創造する過程の只中にあり、並走感に溢れています。個人的には、「第15章 同時代のアーティストを応援しよう」が特に面白かったです。

 本書の位置づけは、「美術になんとなく敷居を感じる人たちの背中を少し押す本」だと思います。これまでの入門書ではカバーできなかった層に届く、リーチの長さがポイント。「好き」が高じて、「価値を創造」したことが何より素晴らしいと思います。本書は概論的な内容なので、今後さらに細分化した様々な展開が待っていることでしょう。

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2018年08月14日

●内藤 礼 明るい地上には あなたの姿が見える@水戸芸術館現代美術ギャラリー

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 水戸芸術館現代美術ギャラリーで開催中の「内藤 礼 明るい地上には あなたの姿が見える」を観ました。

 自然光の陰影が連続するギャラリー空間に、糸・ビーズ・ガラス瓶・水・ベンチといった素材・装置が挿入されています。

 まず、白い空間が見えます。「何もない?」と少し焦りつつ目を凝らすと、動くとともに、水泡、さざなみ、光線といった現象が見え隠れします。仄かで表情豊かな世界。

 「作品を展示する」というより、「空間を作品化する展示」だなと思いつつ、4~5周しました。いつも狭く感じる水戸芸の箱が、今回はとても上手く使われていて、水戸芸って良い箱だなと思いました。

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 エントランスホールでは子供文化祭が開催中。デザイン性の高い吹抜空間と、昔ながらの習字や工作展示の組合せが、意外と良い。

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 27tonもの大石を吊ったカスケードは、暑い夏の水浴び場として大人気。芸術空間が地域環境に溶け込んでいる感じがして良かったです。

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2018年08月11日

●『いちばんやさしい美術鑑賞』出版記念パーティ

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 いつもお世話になっている「青い日記帳」Takさんが執筆された『いちばんやさしい美術鑑賞 (筑摩書房)』(⇒筑摩書房特設ページ)が出版されました。

 15年間続けてきたblogページを主体とした美術情報発信、トークイベント・内覧会・美術本等における告知・集客の協力。その「美術好きな一般の人たちの好奇心を刺激・行動へとつなげる視線・テキスト・行動力」は、ファン層の拡大に工夫を凝らす人々から引っ張りだこ。これら実績が、美術関係者のみならず出版社からも目に留まるところとなり、雑誌への寄稿も増えてきたところに、いよいよ美術鑑賞本の出版です。

 この出版を記念して、出版記念パーティが開催されました。

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 参加者は、名だたる美術館の館長さんたち、美術書の著者、美術家、様々なメディア関係の方々、友人等、100名を超えました。
 関係者挨拶では、館長さんたちが次々と「Takさんとの出会い、いっしょにトークイベントや内覧会等を盛り上げた思い出」等を披露していきますが、、その内容だけでトークセッションができるほどの充実ぶり。
 中でも、日本画家池永康晟さんの「この本はTakさんからのラブレターだね。」という言葉は良かったです。

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 この秋に開催されるフェルメール展に関連付けた「フェルメール来日作品 人気投票」も開催され、とてもサービス精神旺盛な構成。

 パーティの幹事を務めたのは、「はろるど」さん、「KIN」さん、「かるび」さんのお三方。日頃からお世話になっているTakさんの晴れ舞台を盛り上げようと、張り切って準備されていました。また当日は、何人もの方がスタッフとして参加して、円滑に運営されていました。これも常日頃のTakさんの人望の賜物、素晴らしい会でした。

 私は当日の物販を少し手伝わせていただきました。本がドンドン売れていって、勢いを感じました。隣の机ではOZmagazineの方がアート特集号を出張販売されていて、こちらも好調な売れ行きでした。

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