2007年01月14日

●新年の寿ぎ

 新年気分の締めに、三井記念美術館で開催中の「新年の寿ぎ」展を鑑賞しました。副題は「国宝 雪松図・卯花墻を中心に」。再開発の進む日本橋にある重要文化財「三井本館」で、新年に因んだ名品を観る、歴史的な厚みが感じられる機会です。

 展示は茶道具の展示から始まります。茶の知識がないので、「へうげもの」に登場する古田織部を始めとする名物に魅せられた人々の様を思い浮かべながら、歪みや色味を観ていきます。次室が「志野茶碗 銘卯花墻」。日本で焼かれた茶碗としては二つしかない、国宝指定を受けた茶碗だそうです。明るい地に灰色の線描と縁にほんのり茶色。歪みが作る形を追って、展示ケースの四周をグルグル廻ります。機会があれば、きちんと解説を伺いながら観たいと思います。
 如庵を過ぎると絵画の部屋へ。入って右手に鳥居清長「駿河町越後屋正月風景図」。先日東博で観た「日本橋雪晴」に続いて日本橋界隈から富士山。やはり江戸といえばこうなわけですね。そして正面奥に円山応挙「雪松図屏風」。金地に白黒で表現された松と雪は、静かで軽やかで「新年の寿ぎ」にピッタリ。品良く美しい円山一門の重用は、新興勢力三井家のイメージアップにも大きな役割を果たしたことでしょう。
 最後は新指定重要文化財「東福門院入内図屏風」。二条城前から内裏へと続く大行列。昔、祖父母の家に遊びに行く度に通っていた道には、こんなシーンがあったんだなあと、とても興味深く観ました。

 去年末に続いて日本橋に行きました。日本橋再生の要は、やはりプラネタリウム跡地のアミューズメント機能付加だと思います。

Posted by mizdesign at 2007年01月14日 15:33
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コメント

志野茶碗、周りをぐるぐる廻っていると
ゆがみが脈打って、一瞬生き物のように感じました。
けれでも、重そうで飲みにくそうな茶碗だなぁと思いました。

最後の15代楽吉左衛門の茶碗も、スマートでよかったです。

Posted by 一村雨 at 2007年01月14日 19:51

一村雨様>
こんばんは。
茶碗だと、たとえ国宝でも飲むところが想像できて面白いですね。
時間が出来たら茶道も習ってみたいです。

Posted by mizdesign at 2007年01月14日 20:48
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