2009年09月13日

●トリノ・エジプト展@東京都美術館

 夏休みといえば、古代へのロマン!「シカン展」の次は、東京都美術館で開催中の「トリノ・エジプト展」を観ました。前者が「未知への誘い」ならば、後者は「約束された感動」です。

 館内は物凄い人で、小品の展示は5-6層の人垣。とても観るという感じではありません。久々に体験する、「大型展に湧く都美」です。大物展示だけに絞って、人ごみの中を掻き分けて進みました。

 第2章 彫像ギャラリー
 というわけで、ここが本展のハイライト。
 ライオン頭のセメクト女神立像。柔らかな体の線、ピッタリと持つ杖がキュート、頭には曲線が美しいライオン像。その可愛らしさとはうらはらに、恐ろしい火を吐く女神を抱いた、王の威厳を示す像らしい。でもニャーンって鳴きそう。
 イビの石製人型棺の蓋
 両手で大剣をしっかりと握り締めた、本展のキービジュアル。顔の造形も威厳と人間味が感じられます。全身を覆う象形文字も装飾のようで美しい。実は財宝を管理する役人の棺と知ってビックリ。王でも貴族でもなく、役人。往時の栄華と技術の高さに驚くばかりです。
 アメン神とツタンカーメン王の像。歴史上から抹消された悲劇の青年王、ツタンカーメン。その左には、彼が唯一神として信仰したアメン神。王なるファラオを小さく、その信仰の対象を大きく作る造形からも、王の敬虔な姿勢が伺えます。日本人好みのサイドストーリーと、美しい砂岩造形が合わさった二重奏が美しいです。彼の名を刻んだ銘が書き換えられているというエピソードも、悲劇性を高めます。

 第3章 祈りの軌跡
 死者の書。パピルスに描かれた死後の世界。それは、母なるナイルへの復活の道。

 永遠の願い「不老不死」。死後の復活を願って、続々と作られるミイラ。内臓を取り出し、別保存として来世での復活に備える。オシリス神信仰と復活を絡めた展示と解説が、とても腑に落ちます。死後の復活を願う儀式と品々が、今も強く心惹かれます。

Posted by mizdesign at 2009年09月13日 23:44
トラックバックURL

このエントリーのトラックバックURL:
http://www.mizdesign.com/mt/mt-tb.cgi/829

トラックバック

? 「トリノ・エジプト展」 from 弐代目・青い日記帳 
東京都美術館で8月1日より開催される 「トリノ・エジプト展」のメディア先行内覧会にお邪魔して来ました。 「トリノ・エジプト展」公式サイト トリ... [続きを読む]

Tracked on 2009年09月15日 07:34
コメント

こんにちは。

そんなに混雑していましたか!!
驚きのエジプト人気。
強いな~

Posted by Tak at 2009年09月15日 07:30

Tak様>
こんにちは。
50万人突破だそうですね。
久々に人ごみで展示が見えない都美を体験しました。
大きな展示だけでも十分楽しめましたよ!

Posted by mizdesign at 2009年09月15日 20:16
コメントしてください




保存しますか?