2009年05月23日

●ルーブル美術館展 美の宮殿の子どもたち@国立新美術館

 国立新美術館で開催中の「ルーブル美術館展 美の宮殿の子どもたち」を観ました。

 第2章 子どもの日常生活
 《台車にのったハリネズミ》。背中の細かい四角の切れ込みがイカの切り身みたい。台車にのった白いハリネズミが超ラブリー。
 《関節が動く人形》。腕が回る単純なギミックと、ヘレニズムという時間の合わせが歴史の奥行きを感じさせる。やたらに男前な女の子?もう一体は頭に蛇をのせていて、八部衆みたい。

 第3章 死をめぐって
 《少女のミイラと棺》。生前の姿を写し、神に祝福される様子で装飾する棺。そして網に包まれた小柄なミイラ。若さと死の取り合わせが痛ましい。

 第4章 子どもの肖像と家族の生活
 《夫婦と子どもの像》。杏仁形の目に微笑む口元。仲良く寄り添う二人。無印の広告みたい。その間にとっても小さな、でもプロポーションは大人な子供。
 ルイ・ル・ナン《幸福な家族》。農民に粉して凛々しくポーズをとる貴族一家?コスプレブームだったのだろうか。
 ジョシュア・レノルズ《マスター・ヘア》。女のコに粉して育てられる上流階級の男のコ。とても愛らしい。
 アントワーヌ・コワズヴォ《9歳のルイ15世の胸像》。ライオンのように逆立つ髪型、凛々しい小顔の美青年。なんと9歳!
 ペーテル・パウル・ルーベンス《少女の顔》。上手い。どこかで観た。

 第6章 キリスト教美術の中の子ども
 《聖母子の小像》。象牙に細い線刻。アダムとエヴァの生まれ変わりという解説を読んで、新しいエヴァシリーズの結末もそんな感じかもと思った。
 フランソワ・ブーシェ《幼子イエスを抱えて座る聖母》。大人びた子供ばかりな中で、子供っぽい愛らしさに癒される。

 第7章 空想の子ども
 ペーテル・パウル・ルーベンス《レベックを弾く小天使》。上手ーい!欲しーい!
 フランソワ・ブーシェ《アモールの標的》。キューピッドといえば、マークと矢!マークのお皿の真ん中を射ぬく矢と、月桂冠を両手に掲げて「大当り」のジェスチャーをする天使。ベタベタだけれども、そこが狙いの本展にピッタリなフィナーレ。

 普遍的な「こどもたち」というテーマに沿って、古代と中世(特にオランダ)を軽やかに行き来する時空跳躍は、美の宝庫「ルーブル」アーカイブならではの楽しみ。

Posted by mizdesign at 2009年05月23日 23:53
トラックバックURL

このエントリーのトラックバックURL:
http://www.mizdesign.com/mt/mt-tb.cgi/780

トラックバック

? 国立新美術館で「ルーヴル美術館展 美の宮殿の子どもたち」を観た! from とんとん・にっき
六本木の国立新美術館で「ルーヴル美術館展 美の宮殿の子どもたち」を観てきました。ほぼ同じ時期に上野の国立西洋美術館で「ルーヴル美術館展 17世紀ヨーロッパ絵画」... [続きを読む]

Tracked on 2009年05月24日 11:52

? 「ルーヴル美術館展-美の宮殿の子どもたち」(国立国際美術館) from I my me gallery blog
昨日、国立国際美術館へ行ってきたので感想を書きます。 現在、国立国際美術館では「ルーヴル美術館展?美の宮殿の子どもたち」「やなぎみわ?婆々娘々!」展、「慶應義... [続きを読む]

Tracked on 2009年06月27日 16:21
コメント
コメントしてください




保存しますか?