2008年12月31日

●狩野派と近世絵画(前期)@承天閣美術館

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 秋の愛知-京都行きの記録その3。名古屋で一泊した後、京都へ。イノダコーヒー本店で朝食を食べたかったので、朝早く名古屋を発って三条を目指す。徳川美術館以降、かなり変な人。本店前にはすでにモーニングの行列が出来ているのを見てビックリ。幸いテラス席ならすぐ案内できるとのことで、それほど待たずに入店。ボリュームあるモーニングと「アラビアの真珠」で和むー。

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 樂美術館で「長谷川等伯・雲谷等益 山水花鳥図襖&樂美術館 吉左衞門セレクション」を観ました。初代から15代までの名碗が並ぶ。初代長次郎、田中宗慶の椀に惹かれる。2階には光悦の茶碗が2点。「黒樂茶碗 銘 村雲」、「飴樂茶碗 銘 立峯」。村雲のザックリとした切り口、ザラザラとした質感は大琳派展で観た雨雲を思い出させる。対決展の光悦vs長次郎も良かったですが、今回は落ち着いて観られて良かった。

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 1年半ぶりの再訪、相国寺承天閣美術館。思えばあの若沖展が、展示を追いかけて東奔西走する日々の幕開けでした。
 「狩野派と近世絵画(前期)」を観ました。「-併催-名碗三十撰」。第一展示室に登場する国宝「玳玻盞散花文天目茶碗」に目が釘付け。台座の螺鈿細工と合わせて本当に食い入るように観ました。微細モザイク紋様とでもいうか、黄金に輝くような錯覚を覚えるインパクトは絶大。長谷川等伯筆「竹林猿猴図屏風」。狩野派といいながら等伯もカバーするところが懐が広い。
 第二展示室。伊藤若冲「鹿苑寺大書院障壁画」。一年半ぶりの御対面。狩野探幽「探幽縮図」。探幽の名画スケッチ集。見ていて楽しい。狩野探幽「花鳥図座屏」。絵を催促されるくだりが人間味あって面白い。

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 俵屋吉富烏丸店隣の京菓子資料館で一服。

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 最後に京都国立博物館まで足を伸ばして常設展を観ました。「宝誌和尚立像」。顔面が真っ二つに割れて十一面観音が顔を覗かせる驚きの像。「阿弥陀二十五菩薩来迎図」。雲に乗って金色の阿弥陀様ご一行が行者のもとに来迎する。ビジュアル的にもとても魅力的な構図、色彩。小特集「あなたの知らない水墨画」。新発見を中心に、研究者でも知らないような作品を公開とのこと。元信印「四季花鳥図屏風」、光信筆「山水禽獣図屏風」等。野州の旧家から発見されたとのことですが、改まったお披露目は建替後になるのだろうか。長沢芦雪「茄子図」、「月下桜図」、「岩上猿図」。芦雪もバンバン出ます。「舞妓図屏風」。人物を大きく描く六曲一双の風俗画屏風。こんなのあったんだ。応挙「唐子遊図襖」と芦雪「白梅図」を並べて「クラッシックの応挙とロックの芦雪」という解説が楽しい。閉館間近で担当学芸員の口調も滑らかだったんだろうか。

Posted by mizdesign at 2008年12月31日 16:01
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