2008年12月31日

●室町将軍家の至宝を探る@徳川美術館

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 秋の愛知-京都行きの記録その2。東京国立博物館東洋館で「特集陳列 中国書画精華」を観て中国絵画への興味が膨らんだ頃、徳川美術館で東山御物が公開されることを知りました。30年ぶりの御物公開とのことで、夜行バスを使って名古屋まで足を伸ばしました。素人に価値が分かるはずもありませんが、眼に叩き込んでおこうという魂胆。

 「秋季特別展 室町将軍家の至宝を探る」。
 I 室町殿の宝物と「東山御物」。伝銭選「宮女図」。一見男性にも見える、男装の女性の絵。足利義教の邸宅に飾られたという、歴史の中から抜け出してきたような存在。伝夏珪筆「山水図」。嬉しいことに畠山記念館蔵。いつの日か再会できるかも。伝牧谿筆「洞庭秋月図」。牧谿筆「柳燕図」。作品リストにチェックを入れたのは、いずれも牧谿筆。「青磁輪花茶碗 銘 馬蝗絆」。東博の名品。逸話と共に印象に残る。
 III 能阿弥・芸阿弥・相阿弥と室町水墨画。相阿弥「瀟湘八景図」。
 IV 「君台観左右帳記」の世界。灰被天目 銘虹。美しいグランデーション。陳容筆「龍図」。伝牧谿「虎図」。迫力ある龍、猫じゃない虎。解説によると、当時流行した絵の写しだろうとのことで、決して傑作という扱いではないのですが、この絵が当時の日本に来ていたとすれば、その影響は大きいと思える画。
 本展出品作の所蔵元として徳川美術館の名が多数上がり、室町将軍家の名宝を徳川家が継承したことが実感できる展示でした。武家政治の継承者なので当然かもしれませんが、花の御所という華やかなイメージのある室町幕府と、江戸という未開の地に居城を築いた徳川幕府とでは文化面で隔たりを感じていました。ザクザクと並ぶ名宝に、あるところにはあるものだと圧倒されました。

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 徳川美術館で力尽きて、あとはひたすら食べました。シェ・シバタ名古屋店で遅い休憩。お寺の参道に面した、ちょっと意外な立地。中高層ビルが並ぶ大通りからちょっと入っただけで、いきなり縁日が立つ昔ながらの空間になってビックリ。美味しさは文句なし、お客の誘導に手間取るのが玉にきず。

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 1時間も経たずに、今度は的矢かき。生牡蠣、牡蠣フライ両方食べて満足。

Posted by mizdesign at 2008年12月31日 14:10
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