2017年03月04日

●ザ・コレクション@藤田美術館

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 藤田美術館で始まった「ザ・コレクション」を観ました。全面的な建替え前の最後の展示です。

■2階展示
 展示を観ていると、ちょうど学芸員さんの展示解説が始まったので、ありがたく拝聴。
 初日にこんなに人が入るのは初めて。
 今回はとにかく名品を見せる。大きい物が多く、数を置けないため、前期後期でほとんど入れ替える。共通は曜変天目茶碗、金銅密教法具、玄奘三蔵絵(場面替あり)の3点のみ。前後期見れば、国宝9点は全て見られる。重文は51点のうち19点。
 《紫門新月図》。現存最古の詩画軸。下の絵の左側、去る坊さんへの惜別。
 《乾漆伎楽面 酔胡従》。東大寺大仏開眼会で実際に使われた面。類例の復元物は誰も被れなかったとか。昔の日本人は今よりずっと小柄だった。
 《金銅密教法具》。一部後補あり。色で見分ける。
 《小太刀 銘国行》。十数年ぶりの出展。国行銘の太刀は現存二本のみ。
 《花蝶蒔絵挾軾》。長いのは前面に置いてもたれかかったから。最古の蒔絵のため、粒子が大きい。

 展示解説終了後、あらためて2階展示をぐるりと鑑賞。
 《法隆寺五重塔伝来塑像 童子》。細かな上塗土が見えていて、部分的に彩色が残る。柔らかな土の造形。こんなに間近で観るのは初めて。

■1階展示
 《木造地蔵菩薩立像 快慶作》。細かな彩色が鮮明に残る、本当に美しい像。奈良博の快慶展にも行かねば。
 《曜変天目茶碗》。椀内のる瑠璃色の斑紋が本当に美しい。
 《深窓秘抄》。流れるような文字が美しい(読めないけど)。虫食いまでもが模様に見える。墨がとても鮮明。

 自然空調+部分自然採光下で、名品を鑑賞する。ここでしか体験できない時間を堪能しました。後期も行かねば。

 出口でアンケート用紙に、「サントリー美術館のような照明設備の整備された環境で藤田美術館の名品を観てみたい」と書きました。本エントリーを書く際に調べたら、2015年に実際に開催されていたと知ってびっくり。ブログを遡ると、確かにメモ書きが残っています。図録も買ってあります。なんでその時の鑑賞体験をあまり覚えていないのだろう?と狐につままれた気分。

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 藤田美術館を出た後は、藤田邸跡公園を散策。次の目的地、大阪市立東洋陶磁美術館を目指します。

Posted by mizdesign at 2017年03月04日 23:21
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