2014年12月12日

●若冲ナイト@六次元

 六次元で開催された「若冲ナイト」に参加しました。若冲絵画のオーナー「古美術 景和」景山由美子さんがお持ちの「伊藤若冲」の作品(水墨画)を実際に鑑賞しながら、景山さんの話を、「青い日記帳」主宰中村剛士さん六次元店主ナカムラクニオさんと共に伺おうという企画です。

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鼎談メモ
 「 「プライスコレクション展」で、あれ、伊藤若冲って買えるんだって気づいてしまった。」
 「若冲作品を11点集めるに至り、さてどうしようかと。次の人に渡そうと、古美術商を始めた。」
 「(作品への影響を考えて、今回は)照明もLEDに変えてる。」
 「今日は4点持ってきた。うち1点は若冲の下絵が残っている絵とぴったり合致する絵。下絵で残っているのは3点。たくさん残っていたけれども、火事で燃えてしまった。」
 「墨絵は即興と言われるけれども、下絵の段階から濃淡を踏まえて書いている。構図も考えて書いていたんだなあと思う。」
 「若冲は猫とうさぎは書いていない。飼いならされた動物は書いていない?牛図はレア。来年サントリー美術館とミホ美術館で若冲生誕300年展。新発見があるかも。牛レア説はどうなる?」
 「若冲工房はあったか?古文書には出てこない。」

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鑑賞タイム
 鼎談と並行して、一人数分の鑑賞タイム。
 4.5畳間くらいの空間で、一人で若冲絵画4点と向かい合います。美術館で観るのとは全く違う親密な関係。墨の濃淡、瑞々しさ、紙面の傷も含めて、自然と目に入ってきます。そして浮かび上がってくる、波間を泳ぐ鯉の躍動感、鶴の脚の筆運び。眼福。

感想
 「美術館で観る」ことと「作品を楽しむ」ことはだいぶ違うなと感じました。その違いは単にガラスの有無や作品との距離ではありません。不特定多数に観てもらう前提で、学芸員の構想に基づき設置される前者。1対1で観ることを前提に、対話のような関係を築く後者。題材は同じでも、目的が違えば、見え方が違うのは当然と気づかされます。すり鉢状に狭まり、奥に4.5畳間のスケール感を有する六次元の空間構成と、若冲作品がもたらす江戸時代の視点が重なり、コレクターだけが体験できる時空間体験を共有できたと思える。そんな貴重な機会でした。

Posted by mizdesign at 2014年12月12日 23:55
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荻窪6次元にて「伊藤若冲ナイト」を開催します。 http://keiwa-art.com/ 若冲好きが高じて古美術商を営んでいる景山由美子さ... [続きを読む]

Tracked on 2014年12月28日 22:31

? 伊藤若冲ナイト from 今日の献立ev.
なんと、な、ん、と、荻窪6次元で若冲の絵がそれも本物の若冲を間近で見る事出来ると [続きを読む]

Tracked on 2014年12月29日 10:45

? 伊藤若冲ナイト from 今日の献立ev.
なんと、な、ん、と、荻窪6次元で若冲の絵がそれも本物の若冲を間近で見る事出来ると [続きを読む]

Tracked on 2015年09月18日 10:24
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