2009年05月29日

●neoteny japan@上野の森美術館

 上野の森美術館で開催中の「ネオテニージャパンー高橋コレクション」を観ました。「旬な現代アートの個人コレクションが、美術館を巡回する」ところがポイントです。現代アートが美術史の一部に変容するスピードと、新たなパトロン層としての個人の台頭。

 鴻池朋子さんの作品をイントロにして、名和晃平さん、奈良美智さんと続きます。奈良さんのブースから見返す名和さんの「Pixcell-Gazelle#2」の輝きが美しい。アクリルビーズ球でピクセル化された実体。全身吹出物で覆われるようで不気味でもある。奈良さんの「green mountain」は、不満げな顔した女の子の髪がフワフワと左右に広がり、山裾を形成する。山の精と化した女の子と、動きが感じられる画面が好き。

 会田誠さんの清楚で不気味で日本画な「大山椒魚」を再見し、ひっそりとたたずむ須田悦弘さんの「雑草」を探し出して、山口晃さん、池田学さん、町田久美さんと続く、「線が綺麗な美絵コーナー」へ。池田学さんの「興亡史」は、城に絡み付く巨樹をコアにした無数の人の合戦絵巻。枝に咲く花、流れる滝、空を走る電車等など。様々な要素が何重にも重なり合って、想像を絶する奥行きを作り出しています。壮大な構想力と、細やかなペンタッチが奏でるハーモニーは絶品!

 2階に上がると、小林孝宣さんの空間に溶け込む親和性の高さと、群を抜く存在感が目を引きます。「Dog」のプラスチック容器のようなシンプルな顔立ちにつぶらな瞳の犬。「Sunbather8」のきっちりと構築された、丸みを帯びた世界。

 現象の一部を肥大化させて新たな価値を作る上で、感覚や刺激に偏重した手法が効果的。その一方で、世界の確かさを合わせ持つことが作品の寿命を生み出す。「現象を楽しむ先に何を見据えるか」が分岐点になると思いました。

Posted by mizdesign at 2009年05月29日 23:48
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コメント

昨日はどうもでしたー(光開通したら感想書いて下さいね♪)
ネオテニーでは皆さん池田学さんを絶賛されてますね!
わたしもミヅマの個展から知ったのですが、大きな作品ほど彼の本質が発揮されていて感動します。
山口さんの次に注目な作家さんになりました(笑)

Posted by さちえ at 2009年05月31日 14:22

さちえ様>
こんにちは。
先日はありがとうございました。
池田さんが目立つのは、構成にも拠ると思います。山口さんと町田さんの間で磁力があるというか。今回は池田さんの飛躍機会になりそうですね。

Posted by mizdesign at 2009年06月01日 08:02

名和さんのPixcellを「吹出物」と言った人ははじめてです(私の知ってる中で)。
でも確かに〜。
2Fでは加藤美佳さんがダントツに好きでした。

Posted by ogawama at 2009年06月01日 22:16

体力的には疲れてしまうはずなんですが、あれだけのものを見せられては目が冴えまくってしまいました。

やはり奈良さんのオリジナルは独特の雰囲気があって好きです。あの言葉に出来ない感じ、たまりません。

Posted by あおひー at 2009年06月02日 01:16

ogawama様>
こんにちは。
名和さんの作品は、ビーズが皮膜に思えたのです。外から見たら拡散反射板、内から見たら吹き出物?と。

加藤さんのコッテリした画面は、壁掛け鏡のようでした。

あおひー様>
こんにちは。
奈良さんの絵に書かれた言葉ってどういう意味なんでしょうね。
意味はわからないけど、気になります。

Posted by mizdesign at 2009年06月03日 06:23
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