2008年04月08日

●島田裕巳「日本の10大新宗教」

 島田裕巳「日本の10大新宗教」を読みました。帯には「新宗教には、なぜ巨大なカネが集まるのか?」。寺院、神社の宝物は言うに及ばず、尾形光琳「紅白梅図屏風」を擁するMOA美術館、先日の運慶作仏像の落札など、美術と宗教は関係が深いです。その気になるところを剛速球で突く帯に惹かれて購入しました。
 内容は、著者がピックアップした10の新宗教について、その成り立ち、歴史、特徴について簡潔に述べてゆきます。一通り説明が終わって、それで。。。と思ったところで終わりです。帯に偽りあり。出版社の作戦がち。一人の視点で並列に述べていくところがウリといえばウリ。一つの章に、単一の宗教だけでなく、その本家筋、分家筋といった周辺も交えて述べていくところもウリといえばウリ。時系列を意識して、旧来からの布教方法を用いるところから、非日常性を意識しない現代的なところへと並べるところもウリといえばウリ。でも、帯のインパクトには敵わないです。
 気になったフレーズ。「芸術や自己表現の強調は、教団のイメージアップには大いに役立つが、信者を集める武器になるものではない。」なるほど。

Posted by mizdesign at 2008年04月08日 12:48
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