2006年04月16日

●建築家 グンナール・アスプルンド

 松下電工 汐留ミュージアムで開催中の「建築家 グンナール・アスプルンド」展を鑑賞しました。北欧デザインが人気の今、スウェーデンの巨匠を紹介するとても時機を得た企画です。

 展示は二つの大部屋とそれらをつなぐ通路で構成されています。部屋の中心にはランドスケープ模型が置かれ、アスプルンドの特徴である自然と建物との関係性をとても明快に把握できます。それを取り囲むように写真、解説パネル、映像、家具等が並びます。「森の墓地」と「夏の家」、二つの代表作を中心に据えて、広大なランドスケープから家具までスケールを自在に跳躍しながら時間軸に沿ってアスプルンドの建築を紹介する構成は、コンパクトかつ変化に富んで面白いです。さりげなく挿入されるアスプルンドの絵画、アアルトや日本とのエピソードも、想像の余白を広げてくれます。中でも「森の墓地」のランドスケープ模型越しに、壁面いっぱいに大伸ばしされた写真が展示される様は、じっさいに緑の芝生を眺めつつ十字架へと歩いていくようで感動を覚えます。実物を観たい欲求が湧き上がります。

 なのですが。。。実はけっこう鑑賞しづらかったです。会場に対して展示数が多すぎること、写真パネルの高さが統一されてないこと、模型を覗き込むと影が落ちてしまうこと等々。せっかくの構成がかなり損なわれていると感じました。もったいない。

Posted by mizdesign at 2006年04月16日 08:32
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Tracked on 2006年04月20日 21:10

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Tracked on 2006年04月22日 11:07
コメント

mizdesignさんこんばんは。
早速のTBとコメントをありがとうございました。

>アスプルンドの特徴である自然と建物との関係性

密接でしたね。
調和という言葉が似合います。美しい作品です。

>会場に対して展示数が多すぎること、写真パネルの高さが統一されてないこと、模型を覗き込むと影が落ちてしまう

同感です。
私もエントリに書いたのですが、
今回ばかりは会場がかなり手狭でした。
吉村順三展くらいの規模で拝見してみたいものです。

ところでmizdesignさんが一番評価出来る、
または好きなアスプルンドの作品はどれでしょうか。
ご教示していただけると嬉しいです。

Posted by はろるど at 2006年04月20日 21:26

はろるど様>
 こんにちは。
 「森の墓地」はランドスケープの奇跡のような作品なので別格だと思います。時間を超えて存在するとでもいうのでしょうか。絶対に訪れたい場所の一つです。建物だと「ストックホルム市立図書館」でしょうか。古典のような明快なフォルムと円筒の開架書棚空間が魅力です。現役の公共建築なので見学可なのも嬉しいです。実は両者は地下鉄で数駅の距離です。

 それにしても吉村順三展良かったですね。あれで建築展への期待が数段上がりました。困ったもんだ(笑)。

Posted by mizdesign at 2006年04月21日 08:46

こんにちは。
終わってしまいましたね。
皆さん仰っているとおり、
もっと広くて大きな会場で
観てみたかったです。

願いは叶うでしょう。

Posted by Tak at 2006年04月22日 11:08

Tak様>
 次があれば、ストックホルム市立図書館の模型も追加してほしいですね。フィンランドのスター、アアルトとの競演も見たい。IKEAの進出もあり、スウェーデンが熱い?

Posted by mizdesign at 2006年04月22日 19:43
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