2006年04月23日

●動植綵絵公開 第1期 最終日

 今日は「花鳥-愛でる心、彩る技 <若冲を中心に>」第1期の最終日です。もう一度観ておこうと、打合せ前に寄り道しました。

 前回は緻密な描写とポーズ取りの格好良さに目を奪われましたが、今回はネットリドロリとした表現が目に留まります。「雪中錦鶏図」のウニョーッと這う枝、絡むように咲く寒牡丹(?)、その上にドバッと牛乳をぶっ掛けたような雪。その中で澄まし顔の錦鶏。雪除けなしだと花弁は雪の重みで散るのでは?と思いますが、液体のような雪の前では些細なこと。観れば観るほど凄い画です。「牡丹小禽図」の幹はねじくれて渦を巻いています。その上をあの重たい牡丹の花が、画面を埋め尽くすように咲きます。息が詰まるほどに濃密で妖しい世界。首を90度上に振った小鳥も怖い。「南天雄鶏図」を加えた三枚が制作時期を前中後に分けた際の中期にあたるそうです。その狂気から目が離せません。

 季節は春から夏へ。汗ばむ陽気がネットリドロリな視点を引き寄せたのでしょうか。季節を変えて動植綵絵を観たくなりました。多分違った印象を受けるでしょう。
tokyo_20060423-1.jpg

Posted by mizdesign at 2006年04月23日 21:14
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コメント

コンパクトなだけに、ちょっと立ち寄れる気軽さが良いですね。(インパクトは大でしょうが)

あっというまに第2期突入ですね。
楽しみです。

Posted by tsukinoha at 2006年04月25日 05:40

tsukinoha様>
 本当にそのとおりですね。あと、ふらっと行ってじっくり観られる空き具合。最終日でも待たずにガラス面に辿り着けるのがありがたいです。

 ガラス面から画までがもう少し近ければ言うことなしです。

Posted by mizdesign at 2006年04月25日 05:57
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