2005年04月29日
●茨城県営滑川アパート 2000
傾斜のある敷地形状を活かしつつ、三つの建物で中庭を形成した集合住宅です。中庭に面して縦横無尽に伸びる空中歩廊が圧巻です。設計は長谷川逸子・建築計画工房と横須賀満夫建築設計事務所です。
こちらの建物の設計が始まった頃に、元倉さん(私が勤めていた設計事務所の所長さん)の発案で見学に行った際に撮った写真です。日付は2000年2月19日です。配置計画を巡って、低層面状配置か、塔状散在配置かで試行錯誤が続いていた時期なので、イメージに近い例を見て考えようという意図があったのだと思います。
高低差+変形形状を巧みに取り込んで、空中歩廊が軽快にうねります。造形のアクロバットを見ているようです。

この計画の大胆なところは、南側玄関の住戸を多用しているところです。中庭に面して共用廊下を廻せば南側に廊下がくる住戸もできてしまいますが、通常は廊下を北側まで伸ばしたりして南側玄関を回避します。プライバシーや防犯面で問題が出やすいからです。ここでは逆に、玄関の横にサンルームを配置して、コミュニケーションを誘発する装置として計画しています。実際にはカーテンで覆われている住戸が多いので、今のところ使い切れていないようです。


