2005年05月04日
●つくばセンター周辺
つくばエクスプレス開業まであと少し。つながるのは「東京-つくば」なのか、「東京-柏-つくば」なのか様々な駆け引きが見えるようになってきました。柏は快速停車駅で半歩遅れをとった感じですが、既に街があるメリットを最大限活かして沿線開発サバイバルレースに圧勝してもらいたいと思います。昨日つくばに行く用事があったので、センタービル周辺を歩きました。
センタービルには何度も来ましたが、サンクンガーデンが人で賑わっている光景をはじめて見ました。こちらも楽しくなってきます。まちの主役は人だと改めて思います。

とはいえ左に目を移すといつもの廃墟然とした景色が広がります。広場に面したガラス面のスペースが軒並み空のままでは賑わうはずもないですが、どういう意図の広場なのかいつも不思議に思います。災害時の避難用空地?

昼食はオープンカフェでとりました。ばかでっかいショッピングセンターの裏側にわざを道幅を狭くかつ蛇行させた路が作ってあります。人工の街の演出として目新しくはありませんが、これくらいのスケールだとやはり落ち着きます。サンドイッチが値段の割に美味しくなかった。

立派な並木道の歩道が市立図書館、エキスポセンターを越えてずーっと続きます。筑波大学まで1kmという表示があったので調子に乗って歩いてみました。他大学を通り、菊竹さんのオブジェのある公園を横に見、やっとたどり着いてみればそこは医学部キャンパス。芸術学部や体育学部は更にそのずーっと先にあると分かり、今回はここでリタイヤしました。つくばを歩いて回ろうとするのが間違いでした。

●桜が創った「日本」 -ソメイヨシノ起源への旅- (佐藤俊樹著 岩波新書)
ピンクの小山に浮かれた頃、こちらにお邪魔してソメイヨシノを巡る諸説を交わし、実際はどうなんだと思った際に本屋で見かけた一冊です。私にしては珍しくタイトル買いしました。
文献や絵画の分析を通して、桜にまつわる様々なキーワードを網羅しつつソメイヨシノの広がる過程を探る前半はとても面白く読みました。「ピンク一色に染まる桜のイメージが先にあり、それを体現したのがソメイヨシノではないか」という大胆な仮説が提示されるあたりで期待感は最高潮です。ところが後半に入って、「歴史は創られる論」が前面に出てくるあたりから興味が薄れました。ここらへんが著者の方の専門分野なのかもしれませんが、主役は桜のままにして欲しかったです。文体に混乱があることも影響したかもしれません。
桜を鑑賞する上での良い副読本だと思いますが、個人的にはタイトル負けしていると思いました。

