2018年11月24日

●TSUYOSHI TANE | Archaeology of the Future, Digging & Building@Art Gallery, Tokyo Opera City

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 東京オペラシティ アートギャラリーで開催中の「田根 剛 | 未来の記憶」展を観ました。
 TOTOギャラリー・間の展示が「実際の検討プロセス・素材を見せること」が主体だったのに対して、こちらは「成果物のプレゼンテーション」が主体。

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 場所の記憶を発掘する
 テーマ分けされ、床壁を埋め尽くすリサーチ&スタディスケッチ等。調査、分類、ピンナップ表示等は古典的な手法だけれども、それらをArchaeological Research という考え方の下、徹底的に実践し、展示区間として再構成する。ペーパーの一つ一つ、それらの位置関係が建築家の思考軌跡を表すようで、田根ワールドに引き込まれます。

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 代表作7つの空間展示
 〈エストニア国立博物館〉の特徴的は超巨大キャノピー越しに、〈新国立競技場案 古墳スタジアム〉〈A House for Oiso〉等が並ぶ。

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 〈A House for Oiso〉。Archaeological アプローチの実践版住宅。竣工写真を見る限り、塗り壁の箱に木の小屋を載せる構成は、意外と周囲に馴染んでいるように見えます。住む人は縄文から今に続く時間の流れに想いを馳せながら日常を過ごすのだろうか。実物を観てみたい。

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 〈A House for Oiso〉の周辺模型。周りの建物を土っぽく表現しているので、本作の土と木の構成の馴染みが良い。周りがハウスメーカーの人工建材ばかりのときは、どういったアプローチをとるのだろうか。

■感想
 考古学的なアプローチという独創的な視点から話題作を提示し続ける活動と、元々サッカー選手を目指していたというタフさを感じさせるプロフィール。話題の建築家の展覧会。アイデアを抽出・定着するスタディ・プロセス(の見せ方)、高度なプレゼンテーションスキルは素晴らしい。
 とはいえ、大型海外コンペの勝利&完成というコアコンテンツがあるにしても、それ自体は共同設計なので、主実作が住宅2軒という段階で、都内2会場での同時展覧会開催というのは異様な注目度と感じます。
 スター建築家の作品完成前夜祭特番を見るよう。

Posted by mizdesign at 2018年11月24日 23:43
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