2017年05月01日

●木×仏像@大阪市立美術館

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 待ちに待った、関西遠征。朝7時の新幹線に乗って西へ。

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 大阪市立美術館で開催中の「木×仏像」を観ました。副題は「飛鳥仏から円空へ 日本の木彫仏1000年」

 01《菩薩立像》。飛鳥仏の大きな頭部と柔和な表情。正面のみの造形。クスノキの一木造。
 08弥勒如来坐像 《試みの大仏》。小柄ながらどっしりとした造形。カヤ材のほぼ一材からの彫出し。
 18《宝誌和尚立像》。有名な顔の中から顔が覗く造形と、丸太のような後ろ姿。360°鑑賞ならではの面白い対比。一木造、鉈彫。

 05《塑像心木》。心木すらも一木造。
 26《観音菩薩立像》。去年は東博で鑑賞した櫟野寺の平安木彫仏の一つ。一木割矧造の背面が失われているため、内刳を実見できる。ゴツゴツとした荒い彫りから、割れ止めという目的が伝わる。
 30《十一面観音菩薩立像》。御衣木加持の実痕跡と考えられる木片が造内より見つかった。木から仏へと変わる瞬間。ヒノキの一木割矧造。
 53《大元帥明王像頭部》。仏頭の顔部のみが彫られ、後頭部は材木のまま。仏像が誕生しつつあるまま凍結保存されたような状態。

 クス→カヤ→ヒノキと材料の変遷。
 一木造→割矧造→寄木造と製作手法の変遷。
 「建物は古いけれども、展示は凄い」と定評のある大阪市美らしい、「木」という素材と1000年というスパンから仏像を捉える、意欲的なテーマ設定。
 音声ガイドで笑わせに来るのも大阪らしい。

 12《伝聖徳太子座像》。コロコロとしていて福々しい。女神像として造られたのだろうけれども、現在は聖徳太子像として祀られている。なんかチャッカリ再活用している感じ。ヒノキのほぼ一材からの彫出しを木心とした造形。
 48《蔵王権現立像》。片足を上げて踊ってるよう。ヒノキの一木造。
 人々を救おうと基本は前のめり、しかし中にはまっすぐ立ったり、後ろに反ったりがよく分かる360°鑑賞。

 そんなツッコミ鑑賞も楽しい。

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 大阪市立美術館の木×仏像、コレクション展を観終わって、てんしばでお昼。2時間半かかりました。

 仏像の予習はバッチリ。いよいよ快慶展@奈良博を目指します。天王寺からJR奈良まで大和路快速で33分!(そこから2kmちょっとありますが…)

Posted by mizdesign at 2017年05月01日 22:35
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