2014年09月17日

●建築家ピエール・シャローとガラスの家 web内覧会@パナソニック汐留ミュージアム

 パナソニック汐留ミュージアムで開催中の「建築家ピエール・シャローとガラスの家」展 web内覧会に参加しました。

※本エントリーに使用している写真は、美術館より特別に撮影の許可をいただいています。

□前説
 「ピエール・シャローのガラスの家」といえば、近代建築史において、鉄とガラスとコンクリートの黎明期に突如登場する、「ガラスブロック越しの柔らかな光が空間を満たす圧倒的な浮遊感」のビジュアルイメージ。そのシャローの展覧会ということで、がぜん興味が高まります。
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□大村学芸員のギャラリートーク
 シャローは建築分野ではガラスの家の設計者、工芸分野では家具作家として有名。本展はポンピドゥ・センターのコレクションを通して彼の生涯を紹介する。
 シャローの活躍した1920年代は、第一次大戦後の好景気、市民文化の基礎ができた時代。
 シャローは1883年ボルドー生まれ。父はワイン商人。家具会社に就職して家具デザイナーとして働き始め、出兵、復帰後に独立。裕福なユダヤ系フランス人を顧客に持つ。1940年にニューヨークに亡命。活動期が非常に短い。トピック毎に分けて展示。

□展示内覧
第1部 【活動初期、確立期、モデルニテ】

第一世代の家具
シャローとリュルサの協働作品

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金物職人ダルベとの出会い
前衛芸術家との交流から
アラバスタ―製の照明器具

<フロアスタンド>。金物職人ダルベとの協働。シャローは協働から生まれた作品が多い。アラバスタ―の輝きが美しい。小品が多い展示の中で一番印象的。
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近代的な生活のための家具
1925年アールデコ博
新しい時代の女性が住む空間
グラン・オテル・ド・トゥール
「木と金属」の時代
モダン・インテリアの到達点
金属平面を用いた家具

<マレ=ステヴァンスのための 事務机>(中央奥)。アールデコから始まり、そこから決別してモダンデザインへ。
会場構成はみかんぐみ。空間を縦に3分割。中央の黒い板のレベルを変えながら、通路・展示台の機能を組み込む。両端は壁面展示スペースとして活用。複合機能化を図ることで、コンパクトながら回遊性のある動線計画。
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第2部 【ガラスの家】
南フランスの建築作品
ガラスの家―装飾・家具・建築の融合

建築2作品を経て、ガラスの家へ。
右手壁面にガラスの家の映像を投影して紹介。
できれば4Kの超高精細映像で実空間に肉薄して欲しかった。AV機器のパナだけに。
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モダンな室内を装飾する品々
模型、写真、サンプル、申請図面の変遷を通して、ガラスの家のデザイン変遷、素材を紹介。貴重な原資料がズラリ。
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第3部 【苦難の時代、亡命時代】
苦難の時代、そして新天地を求めて

□感想
 学生のころに見た内観写真が記憶に残る「ガラスの家」。その設計者の展覧会が、日本で開催されることに驚きました。その強烈なビジュアルインパクトと、プッツリと絶えるその後。
 家具作家として活躍し、アールデコからモダンデザインへと変化し、そして新天地へ。建築家の足跡を、ポンピドゥ・センターコレクションの平面・立体を並べて辿ることで、彼の生きた時代が身近に感じられる気がしました。

□展覧会案内
「建築家ピエール・シャローとガラスの家」 パナソニック汐留ミュージアム
会期:7月26日(土)~10月13日(月・祝)
休館:水曜日。夏期休館:8月11日(月)~15日(金)
時間:10:00~18:00 *入場は17時半まで。
料金:一般800円、大学生600円、中・高校生200円、小学生以下無料。
 *65歳以上700円、20名以上の団体は各100円引。
 *ホームページ割引あり
住所:港区東新橋1-5-1 パナソニック東京汐留ビル4階
交通:JR線新橋駅銀座口より徒歩5分、東京メトロ銀座線新橋駅2番出口より徒歩3分、都営浅草線新橋駅改札より徒歩3分、都営大江戸線汐留駅3・4番出口より徒歩1分。

Posted by mizdesign at 2014年09月17日 23:48
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