2008年12月31日

●福原信三、路草写真展@資生堂アートハウス

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 谷口建築巡礼の記録。資生堂アートハウス。高宮眞介さんとの共同設計で、美術館建築としてはこれが処女作だそうです。建物よりも植栽を施した屋根面が印象に残ります。

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 内部で大きくS字を描くプランは双端が異なり、片方は四角、片方は円。エントランスを入ると小さな円弧状の階段があり、幾何学形態にプランを落とし込むような印象。広大な芝生の中に点在する立地ならではの構成。

 「福原信三、路草写真展」を観ました。資生堂初代社長とその弟が日本の風景写真界に残した足跡を辿る。チラシ表紙の「新年の海」を始め、ゆったりとした時間が流れるような画面が美しい。絵作りが舞台的で、絵画と写真の境界のような感じ。路草は作品自体が少ないが、二人の兄弟、さらに資生堂の底に流れる美意識が感じられる展示にはーっと溜め息がでた。

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 掛川から足を伸ばして、静岡県立美術館初訪問。「国宝 鑑真和上」展を観ました。「鑑真和上坐像」。鼻筋の通った高貴で柔和な表情、がっしりとした体躯、強靭な意志を感じさせる名作。「舎利容器 金亀舎利塔」。緻密な細工、透かし彫りの中の容器、金色の亀。「四天王立像 広目天」。睨み眼、裾を結んでバーン!とした存在感。「四天王立像 多聞天」。小錦!ドーン!とした存在感。「東征伝絵巻」。鮮明で大きい、波乱の旅絵巻物語。「如来形立像」。失うことで引き立つ美しさ。

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 ミュージーアム・レストラン「エスタ」も初訪問。昼下がりでも意外と人が多い。特別展だけでなく、美術館自体が「人の集まる場所」として機能していて良かった。

Posted by mizdesign at 2008年12月31日 10:54
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