2008年05月06日
●千葉アートツアー in GW
千葉アートツアー in GW。
まずはリニューアル・オープンした川村記念美術館へ。JR佐倉駅からの無料送迎バスが、臨時も含めて3台同時に稼動する大賑わい。千葉の美術館が賑わっているのを見ると、混んで観辛い以上に、なんか嬉しいです。
有名作家が並ぶ常設展。藤田嗣治「アンナ・ド・ノアイユの肖像」の白い余白と、マルク・シャガール「ダヴィデ王の夢」の色彩が特に印象に残りました。日本画では酒井抱一「隅田川焼窯場図屏風」の木炭のような墨の使い方。
新設部分へと向かう通路のピクチャウィンドウに切り取られた新緑が美しい!
そして新設された「ロスコ・ルーム」、「ニューマン・ルーム」。間接照明のみで見せる前者、カーテン越しの淡い光で部屋を満たす後者。対比も鮮やかで美しい。今回は混んでいて落ち着かなかったので、次回に持ち越し。
企画展「マティスとボナール -地中海の光の中へ-」。ボナールとマティスの作品を交互に章立てして見せてゆく構成。章の間に作家自身の制作風景、モデルといった写真を並べ、観客を彼らのアトリエへと誘います。とてもリズム良く、2人の巨匠の作品の変遷、交流を紹介します。そして色彩の海へと旅立ってゆくボナール、究極の開花を遂げるマティス。特に最後の章、JAZZをはじめ切り絵のリズミカルな描画が壁を埋め尽くす構成はクライマックスに相応しく、感動的。DIC創業100周年記念展と銘打つだけあって、キリリと締まった魅力的な展示でした。
そして千葉市美術館へ。企画展「池田満寿夫-知られざる全貌展」。いたずら書きのような描画や、斜に構えたように感じられる作品化のプロセス。正直言って苦手です。愛をテーマに、官能的に描くという解説を読んで、ふむふむと観て回る。陶芸、書画ともに自己流で作品化してゆくという解説を読んでふむふむ。確かにそれは感じる。「宗達賛歌」のように、モチーフとなる方に親しみがあれば作品に入り込んで行けるのですが、常に変化してゆく池田本人には最後まで戸惑いました。
所蔵品展「満寿夫・マスオ・MASUO -『池田満寿夫』理解のための三章-」。企画展に合わせたテーマ設定。なんだけれども、僕にとっては難解。観るだけで流してしまいました。良い悪いではなく、この美を受けとめる感受性(?)が僕には欠落している気がしました。