2006年04月10日
●ロダンとカリエール
先週末はお昼過ぎに打合せを終えて、上野に足を伸ばしました。今回は国立西洋美術館で開催中の「ロダンとカリエール」展を鑑賞しました。ロダンとの対比を通して、「忘れられた画家」カリエールを再発見し、同時にロダンの見えざる側面を掘り下げるという意欲的な企画展です。
会場はとても空いているので、鑑賞条件は最高です。五つのセクションに分けて、二人の作品を並べて様々な角度から接点を提示しつつ、両者の関係性を想像することを観る者に委ねます。これが曲者で、予備知識不足と懇切丁寧な解説に慣れた身にはかなりこたえます。情念の塊のような絵と彫刻がズラリと並ぶのですが、集中力が切れると全部同じに見えてきて、安らかな眠りへと誘われます。今回は第二セクションで力尽きて、後は流し見しました。
テーマ設定、作品の集め方と並べ方、会場の雰囲気から企画された方の熱意が伝わると同時に、それゆえに何度か行かないと理解しづらい内容になっていると感じます。その一方でとても熱心に鑑賞しているカップルの方も多かったので、企画自体は成功していると思います。会期はまだ二ヶ月あるので、機会を改めて再訪することにします。
地獄門の中で考える人。140点続けて「考える」のはちょっと無理です。