2006年03月26日
●花鳥-愛でる心、彩る技 <若冲を中心に> 第1期
「花鳥-愛でる心、彩る技 <若冲を中心に>」が昨日から始まりました。別名「伊藤若冲 動植綵絵全幅大公開!」です。毎月内容を入れ替えて、5ヶ月かけて全30幅が公開されます。場所は宮内庁三の丸尚蔵館。大手町駅徒歩五分の立地は、利便性最高!しかも無料です。唯一の難点は、展示スペースが小さいので人出が多いと入館待ちの列が心配なことでしょうか。
展示は狩野常信の糸桜図屏風から始まります。屏風に簾を嵌め込み、その上から桜を描く仕掛けが面白いです。花見の頃は簾を上げて、その向こうに桜を眺めたのでしょうか。常信の花鳥画、数帳の花譜を経て、あっという間に若冲の動植綵絵に至ります。
一枚目「芍薬群蝶図」は蝶と花の細密で美しい描写にうっとり。二枚目「老松白鶏図」は見事なポーズ取りと羽の細部描写に、写実の奥に潜む恐ろしく個性的な世界に引きずり込まれます。三枚目「南天雄鶏図」は両足を踏ん張り雄雄しく立ち尽くすポーズと見開く眼、南天の赤と鶏の黒のコントラストの格好よさに嵌ります。頭の片隅で「これってグロテスクと言うのでは?」という声が「カッコイイー!!!」という大歓声にかき消される感じです。四枚目「雪中錦鶏図」は一転して雪の中にたたずむ静的な格好良さ。五枚目「牡丹小禽図」は花で画面を埋め尽くす面構成の美しさ。六枚目「芦雁図」は滑空から降下へと移らんとする瞬間の描写。息を呑むほどに凝縮された六様の世界はまさに圧巻です。
大手門前の枝垂桜もそろそろ満開です。