2006年01月06日

●国宝 松林図屏風公開

 今日は午前中から都内の工事現場で打合せでした。解体作業がだいぶ進んで、そろそろ現場監理が本格化します。

 帰りは一路、上野へ。「博物館へ初もうで」のキャッチフレーズもプチヒットですが、本命は「国宝 松林図屏風公開」です。絢爛豪華な桃山文化を代表する二大絵師の一人、長谷川等伯の技の極地。ずっと観たかったのです。

 間近で見ると、荒々しい筆遣いの松の葉と掠れて消え入るような幹の両極端な表現に目がいきます。離れていくと両者が調和して松が見え、さらに引くとそれらが霞みの中に見え隠れします。とても不思議な感覚に、目が離せなくなります。ちょうど良いところにソファがあるので、腰掛けてじっくりと眺めずにはいられません。林に見えたのは、実は松が風に揺られて動いた軌跡のようにも、日の移動につれて動く影のようにも見えてきます。大きく4グループに分かれる画面構成は、全体でひとつの松林にも、4種4様の描法を試す場にも見えます。絵の中で時間が流れているようなとても不思議な感覚。本当に絶品です。
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 帰りは国立西洋美術館の前庭を抜けて上野駅に戻りました。ガーデン・イルミネーションも見納めです。その向こうに東京文化会館が赤く浮かびます。「前川國男建築展」が東京ステーションギャラリーで開催中です。
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Posted by mizdesign at 21:03 | Comments [6] | Trackbacks [3]