2005年10月28日

●レオナルド・ダ・ヴィンチ展

 万物の天才と称され、世界でもっとも有名な肖像画であろう「モナ・リザ」の作者であるレオナルド・ダ・ヴィンチの展覧会が森アーツセンターギャラリーで開催されています。副題は「直筆ノート「レスター手稿」日本初公開」です。レオナルド関連の書籍は山のように出版されていますが、オリジナルが観られることはとても嬉しいです。現在の所有者はマイクロソフト社のビル・ゲイツ会長だそうで、「富めるところに美術品は集まる」を実感します。
 展示は大きく分けて三段構成で、中心にレスター手稿を置き、その前後に手稿に登場するレオナルドの考察を模型やCGを使って解説するブースがあり、最後に他の手稿をファクシミリ版(復刻版)で紹介したり、デジタルアーカイブを鑑賞したりするブースがあります。手稿は保存のために照明を落とした部屋に展示され、時間差でスポットライトが当たるようになっています。ガラスケースの中の手稿は思ったよりも小さく、びっしりと書き込まれた文字と、ときおり挿入される図版を通して彼の世界がうかがえます。その観察眼と考察力、描画力は天才の名に相応しいと思います。ガラスケースの前に二人並ぶといっぱいなので、スポットライトの移動に合わせて移動しながら鑑賞するのは意外と手間です。
 他のブースに関しては特に目新しい発見があるわけでなく、手稿とレオナルドの解説という感じです。手稿の内容が視覚的には地味目なので、意外と地味な展覧会でした。

 興味深いのは先日の「プーシキン美術館展」との客層の違いです。こちらの方が若い人たちがずっと多いです。あとカップルで来ている人たちも。あちらは展覧会を観にきた中年層が中心、こちらは六本木ヒルズにデートにきた青年層が中心ということなのでしょうか。
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Posted by mizdesign at 07:03 | Comments [2] | Trackbacks [0]