2005年08月07日
●上野駅周辺
打合せの帰路に上野に寄りました。「ドレスデン国立美術館展」が目的だったのですが、こちらは肩透かし気味でした。ポスターやチケットにフェルメールの絵が大々的に使われているので、この絵を中心とした絵画コレクションがメインだと思い込んでいました。実際には陶器、装飾、刀剣、科学等を幅広く網羅した宝物展だったのですが、人が多すぎて落ち着いて鑑賞できませんでした。フェルメールの絵も、端役だけど人気があるから看板にしたという感じで、微妙な位置付けでした。
というわけで、展示は程々にして、建物の立体構成を観てまわりました。国立西洋美術館の正面右側です。美術館の箱から突き出したコンクリートの荒々しい肌と造形がコルビュジェっぽい?

その向かいに建つ東京文化会館です。設計は前川國男建築設計事務所です。折り上がる庇、陰影の深い壁面処理、コンクリートの荒々しい肌等は師であるコルビュジェの影響が感じられます。面白いのはガラス面の内外で仕上げを切り替えている点です。ガラスは空間の連続性を飛躍的に高める魅力的な素材ですが、ここでは風除室の袖壁のみ内部と同じ扱いをしています。外観は歴史的建築物のためいじれないのか、それともあえて連続性を抑えることが意図なのか。気になります。

上野駅構内のレトロ館内吹抜です。アーチの向こうを、改札へ向けて人が流れています。吹抜広場部はポケモン関連のイベントで親子連れの行列がとぐろを巻いています。旅行が大きなイベントだった時代、駅は旅立ちと到着の祝祭の場でした。この空間は、過去の遺産を上手く活用していると思います。


