2016年12月29日

●2016年12月の鑑賞記録

 12/3
 若冲の京都@京都市美術館
 花鳥、人物、風景、吉祥。若冲画をテーマ別に並べる構成。同一構図の多い画は人気があったのだろうか、背景の小さな差異は注文主の意向だろうか、この絵はちょっと怪しいのではと、若冲のいた京都に想いを馳せる。墨絵中心の、余白の楽しい展示。

高麗仏画 世にも美しきみほとけたち@泉屋博古館
 仏画でありながら、リラックスしたポーズをとり、たまにポートレートのようにカメラ目線をおくる高麗のほとけさまたち。その荘厳かつ繊細な美しさにひきこまれる。復元模写とその制作過程の紹介も効果的。

 12/10
 市川市国府台遺跡第187号地点見学会
 関東ローム層の上に残った、弥生時代から平安時代(1,700〜1,100年前)の竪穴住居跡と土器。表土から1mちょっと下に古代の暮らしの痕跡があるなんて驚き。近所のイベント感覚で人が集まってました。

トラフ展 インサイド・アウト@ギャラリー・間
 ギャラリーを飛び出し建物全体に散りばった100の思考の断片。3F会場に一歩踏み入れた瞬間に始まる冒険の旅、手にはガイドマップ。4Fはミニチュア鉄道から眺める会場ムービー。視点の切替が鮮やか。めちゃくちゃ楽しい。12/11まで!

 神戸智行展ーLifeー@ギャラリー広田美術
 箔・絵具・和紙が織りなす繊細な面表現。亀、蛙、蝸牛、蜥蜴、蝶、蜻蛉などの小さな生き物たち。目を凝らすと、蟻、ダンゴムシなどのさらに小さな生き物たち。生き物がワサワサ蠢く美しい世界。

 12/11
 神戸智行さんのアートワーク@フォーシーズンズホテル京都
 1Fロビーから少し奥まったエレベーターホールにあります。中心から広がって行く構図、華麗な技法、息づく生命。大画面でみる神戸作品は良いな〜とじっくり観ました。タイトルは《ゆきみまど》だったような…

 12/18
 東京ディズニーシー
 やはりディズニー納めに行かねばと奮起したものの、クリスマスの1週間前なのに、まさかの日付指定入園日。ファーストパスも出足早く、9時過ぎにしてすでに終戦モード。お茶・お昼をはさみつつノンビリ過ごすことに。、ジニーのマジックランプシアターを観て、エレクトリックレールウェイを往復して、センター・オブ・ジ・アースに乗って、パーフェクト・クリスマスをチラリと眺めて、15時過ぎに早々に退散。

ローグワン
 結末からのリバースエンジニアリングは完璧。その範囲内ギリギリで盛りに盛った映像は迫力十分。特にクライマックスは涙涙。若い層がエピソード4を観るきっかけになると良いですね。と、もっともらしいことを呟きつつ、TDS&SWでディズニー漬けの1日でした。

 12/27
北斎の帰還@すみだ北斎美術館
 北斎が生まれ、住み続けた地に建つアルミパネルの箱。切込みと斜め壁による空間操作で街に溶け込む。階段がない展示階へのアクセスは、土地大きさと機能要求のアンバランスからくるのだろう。街の拡張として建物を計画する例として素晴らしいと思う。
 内部は展示スペース、図書室、講座室等多機能。どこも手狭だけれども、狭小住宅のようでかえって独自性がでてたりするのだろうか。ただ、常設展示はダイジェストすぎて、近くに江戸博があるのだし、なくても良いのではと思った。
 特別展。「隅田川両岸景色図巻」橋の賑わい、両岸の名所、舟の影を落としつつ静かに流れる水面の様が素敵。状態の良い錦絵の数々も眼福。「すみだの北斎」が感じられて良かった。

Posted by mizdesign at 19:32 | Comments [0] | Trackbacks [0]