2009年11月13日
●皇室の名宝-日本美の華- 2期@東京国立博物館平成館
上野の東京国立博物館平成館で開催中の「皇室の名宝-日本美の華- 2期」を観ました。正倉院宝物に春日権現験記絵が大公開!夜間開館の日を指折り数えて待っておりました。
1章 古の美-考古遺物・法隆寺献納宝物・正倉院宝物
聖徳太子像(法隆寺献納宝物)。教科書やお札で幾度となく目にしてきた、かの有名な聖徳太子像のオリジナル。奈良時代の画とは思えないほど鮮明で、歴史の中から抜け出してきたような錯覚を覚えます。衣服にわずかに残る緑青が、かつての鮮やかな色彩を思わせます。
漆胡瓶(正倉院宝物)。鳥の頭部のシルエットに細い取手、黒漆に銀板細文の表層が美しい。テープ状の木の薄板を巻き上げて作ったという造形が、温かみを感じます。ササン朝ペルシアで流行し、東アジアの技法で生産されたという背景もダイナミック。
螺鈿紫檀阮咸(正倉院宝物)。背面に施された螺鈿細工に目が釘付け。凝らされたディテールが怪獣のような密度を生む、二羽の鸚鵡。その口からこぼれだす宝綬が渦を巻き、画面を覆う。わずかに隆起する螺鈿が照明に照らされて七色に輝く。貝の白と、琥珀の下に透けて見える赤い色彩のコントラストが美しい。聖武天皇が演奏に興じる様が浮かぶようです。
平螺鈿背円鏡(正倉院宝物)。ヤコウガイの白に琥珀伏彩色の赤が美しい、花弁が渦巻く背面。その中に見え隠れする、小さな犀、鳥、獅子たちが愛らしい。動物たちを探してじっと見ていると、螺鈿の草原の中に迷い込みます。
赤漆文欟木御厨子(正倉院宝物)。天武、持統、文武、元正、聖武、考謙と代々の天皇に受け継がれ、数々の宝物を納めたと伝えられる厨子。赤く染色された欅の木目は今もしっかりとしていて、その来歴を重ねると文字通りタイムカプセル。
2章 古書と絵巻の競演
春日権現験記絵 巻第1・5・19。本展一番人気!読みやすい字と、マンガのように分かりやすい絵。平成の大修理を終えた三巻を、ドドーンと大公開。これは必見。ガラスケース最前列に張り付いて、通して見ました。大工仕事の細かな描写、雲に乗って飛び立つ様、雪化粧した山々の美しさ。そして合戦。継ぎ目なく画面を連続できる、絵巻物ならではの描写を堪能しました。
蒙古襲来絵詞。本展二番人気。かの有名な「てつはう」の炸裂シーンが広げてあって、テンションが上がります。驚く馬を静める竹崎季長、馬の腹から滴る血。日本の歴史物語で何度も読んだ場面です。生々しい合戦を誇らしげに描き、武士の時代を感じます。未曾有の国難を退けたものの恩賞に与える領土も宝物もなく、武士たちの不満が高まる結末は苦い。
正倉院宝物と絵巻物をじっくりと堪能できる至福のひとときでした。

