2009年10月07日
●新・根津美術館
3年半の休館を経て、新創開館した根津美術館の内覧会に行きました。
注:画像は主催者の許可を得て撮影したものです。

大きく変わったのはアプローチ。
以前は蔵だった建物を建て替えて展示棟とし、以前のエントランス兼展示棟は事務棟へと用途変更。表参道からみゆき通りを南東に向かった突き当たりに、黒い二層のボリュームが壁の如く現れます。都市と庭園を隔てる黒い壁。

黒壁に突き当たると、90度右に折れて、竹で覆われた外壁と竹林で挟まれた道が伸びます。大きな庇が迫り出して、空を覆います。

外壁の端部に至り、左に90度折れると、大庇に嵌めこまれたガラスの箱が現れます。分断、視点変換、素材切替。映画のカット割のようにパッ、パッ、パッと場面が切り替わります。
「ようこそ、新・根津美術館へ!」

エントランスを進むと、2層吹抜けのホールに至ります。その向うには、庭園が透けます。

展示室1 [企画展示]。「吉野竜田図」の鮮やかな桜と紅葉の共演が、目に沁みます。

展示室3 [彫刻]。コンパクトなスペースに仏像彫刻の美品が並びます。驚くべきはガラスの存在感のなさ。かすかに映り込むので存在することは分かりますが、すぐに忘れてぶつかりそうになります。

展示室4 [青銅器]。黒壁に嵌めこまれたガラスケース。段々天井の間接照明に、クローバー型展示ケースが映えます。

ガラスの箱を抜けて、庭園へ。手入れの行き届いた緑と石畳のコントラストが美しい。

道は緩やかに蛇行しながら、NEZU CAFÉへと至ります。和紙を貼ったような質感の天井、その一部から自然光が透け、間接照明の光と相まって黄金色に輝きます。ガラスに囲まれたカウンターは、庭園の緑に取り込まれるよう。
都市と庭園の境界を劇的にデザインする空間構成。ガラスの美しさを極限まで極めた素材演出。その空間体験は、東京でもっとも新しく、もっとも美しい散歩道のようです。

