2009年10月05日
●皇室の名宝-日本美の華- 1期 (前編)@東京国立博物館平成館
上野の東京国立博物館平成館で明日から開催される「皇室の名宝-日本美の華- 1期」のブロガープレビューに参加しました。
宮内庁所蔵の名宝を展示する施設「三の丸尚蔵館」は、展示作品の質は文句なしですが、狭いのが玉に瑕。行く度に、「皇室の名宝が一堂に会する展覧会が観たい!」という願いは募るばかり。まさかその願いが叶うときが来るとは!しかもブロガープレビューという鑑賞機会に恵まれて!もう狂喜乱舞です。
注:画像は主催者の許可を得て撮影したものです。
第1章 近世絵画の名品

入口入った突き当たりにドーン!と構えるのは、狩野永徳・狩野常信「唐獅子図屏風」。「我こそは永徳、絢爛豪華、安土桃山文化の頂点に立つものなり」といわんばかりに、金地の雲と大地を雄雄しく歩む二頭の若獅子。その左手に、軽やかに飛び跳ねる子獅子。最強の絵師とその曾孫、桃山狩野と江戸狩野の競演は、オープニングを飾るに相応しい貫禄と奥行。

右側に視線を移すと、伝狩野永徳「四季草花図屏風」、伝狩野永徳「源氏物語図屏風」が並んで華を添えます。旧桂宮家伝来の、永徳周辺で制作された屏風。豪快な金地の雲と大地の画面の中に、四季の花と宮廷の雅。

左手に折れると、伊藤若冲「旭日鳳凰図」!岩山に佇む二羽の鳳凰。一羽は朝日に向かい大きく羽を広げています。ハートマークがフリフリする尾羽がキュート。モクモクとした雲、三角定規のような波。画面全体からオーラが放散されるよう。

そして振り返ると、伊藤若冲「動植綵絵」が広がります!広々とした空間と充実した照明に浮かび上がる全30幅揃いの畢生の大作は、もう一生ものの感動。精緻極まる細密描写と色彩に目が釘付け。尚蔵館で見たときとは、全くの段違いの迫力です。展示空間に全く力負けしないどころか、オーラを発散しているようにすら見えます。

一点一点観ていくと時間がいくらあっても足りませんが、それでも目が離せない密度と美しさ。そして全点揃うことで形成される空間の美しさ。それは仏に捧げる祈りのようです。これを観ずして若冲は語れない。

次室は江戸絵画の巨匠たち。円山応挙「旭日猛虎図」。揃えた前脚とすぼめた肩、クリクリッとした目が凶悪なまでに可愛い。思わずねこバス!と叫びそうになります。

酒井抱一「花鳥十二ヶ月図」。金地に輪郭のない花鳥。十二ヶ月折々の取り合わせ。詩を観るような至福のひととき。
振り返ると岩佐又兵衛「小栗判官絵巻」。超絶精緻に描きこまれた画面、豊頬長頤な独特の顔立ち。食い入るように見入ってしまいます。

そして最後は葛飾北斎「西瓜図」。西瓜の上に薄紙を載せ、包丁を置くその描写力!長々と剥いた皮を吊るす縦長の構図。第一章のトリを飾るに相応しい、清々とした画面。
これで半分。第2章に続きます。

