2005年12月19日

●BAO/BABB. 第7回勉強会レポート

 先週の金曜日はBAO/BABB.の第7回勉強会の日でした。場所は柏アミュゼ5階会議室D、参加者は10名、参加費は飲み物とおつまみ+資料代で500円でした。参加下さった方々ありがとうございます。
 「Session02 東葛からの直送文化」と銘打ったシリーズの第2回目は、「短説-原稿用紙2枚の世界」です。本会の言い出しっぺであり、「短説の会」の講師でもある五十嵐さんが、我孫子発の文学である短説について様々な角度から語りました。

 話は「短説」の定義から始まり、その意義は「文学の空白を埋める試み」にありと大きく飛躍し、日本文学の歴史へと進みます。和歌や俳句が記憶のための定型文学であること、小説の出現によってなんでもありになったために失われたモノ、「多神教と一神教」の引用、何でもありの例としての「走れメロス」、失うことへの抵抗としての「老人と海」の例示を経て、短説の持つ可能性へと還っていきます。そして「消費」と「味わう」ことの2項が都市を表現するために必要と述べ、そのためには「小説」と「短説」の共存が必要と結論づけます。最後に句読点段落カギ括弧なしの例文を配布して、参加者が句読点段落カギ括弧を書き込む遊びをして終了です。
 主題を大胆に設定し、山ほどの資料とその場のノリで強引かつコミカルに論じ進めて持論へと導く過程は、とても面白いです。「味わう」ことの大切さを説きながら、ショー的な面白さで時間を埋め尽くしてその余地を残さないところが、サービス精神旺盛な五十嵐さんらしかったです。

 二次会は「ちばや」で行いました。今回は一次会で燃え尽きたか、比較的おとなしめのノリでした。参加者は11名、二次会の会費は2,000円でした。

 「赤い紙を紅葉形に切ったモノ」と「紅葉の葉」を手にとりつつ、「小説」と「短説」の違いについて話しています。資料を次々と出して話を転がしつつ持論へと進めていくのが五十嵐流です。
baobabb_20051216-1.jpg

Posted by mizdesign at 2005年12月19日 08:11
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コメント

「赤」の話をするのに、赤のセーターを着ていました。写真を見て、始めて気がつきました。赤の色紙や紅葉の葉っぱを使うのですから、バックになる洋服は白のトレーナーとかですよね。・・・トホホ。
みなさん、ご静聴、ありがとうございます。

Posted by 五十嵐正人 at 2005年12月20日 16:35

こんばんは。
いつもレポートを楽しく拝読しております。
今回のお話も興味津々。
いつかはと思いつつ、思いばかりで…。
歴史のお話にデザインの話が絡められる様、修行したいと思いました。(ほんとか?)

Posted by tsukinoha at 2005年12月20日 21:45

五十嵐様>
 「赤」のコーディネートということで良かったと思いますよ。
 「与えられる感動には更に大きな感動が必要」とか、「記憶のために書く」とか。聴きどころの多い「お話」でした。
 その一方で、現実と重ねて考えるのは難しいなとも実感します。

tsukinoha様>
 コメントありがとうございます。この会は来年も続きますので、ちょっと長い目で楽しんでもらえればと思います。

Posted by mizdesign at 2005年12月21日 07:50

うーむ。相変わらずまとめ方がうまいな・・・・そつがない・・・。しかも、短い文章ですべてを網羅している・・・。

だから、安心して勝手で偏見な感想を言える自由を、ぼくは与えてもらっています。

そういう意味では、いつもお世話になっています。ありがとうございます。

Posted by 佐藤K at 2005年12月21日 15:37

佐藤K様>
 うちはベンチマークですね。思い入れはお任せします(笑)。

Posted by mizdesign at 2005年12月23日 08:53
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