2005年04月27日

●都市の中を流れる川 1993 秋

 こちらで橋の話がでたので、橋とアーバンデザインを絡めたお話を載せておきます。

 かつて、BrooklynとManhattanは共に栄えました。しかし今日、Brooklynは貧しく危険な地域となり果て、双方の近隣に悪影響を及ぼしています。そこでManhattanとつなげることによるBrooklynの再活性化を考えてみます。本提案のポイントは、East River(両地域の間を流れる川)を「境界」ではなく、「都市の中心」として捉えることにあります。対象地域はManhattan Bridge とWilliamsburg Bridgeの間かつ、東をBrooklyn Express Way (Brooklyn side)、西をBowery Street (Manhattan side)で規定された水面と地面です。
 対象地域周辺には三つの橋があります。これが私のとってもっとも印象的な特徴です。彼らは主に自動車と地下鉄でManhattanとBrooklynをつなぎますが、彼ら自身が素晴らしい建物でもあります。橋は水上の空間を規定しますが、同時に広大なデッドスペースもその下に作りだします。
 私は「都市の中心」とするために、川沿いにアーケードを伸ばし、2本の歩行者橋を架けることを提案します。2本の橋は水上にオープンスペースを規定し、角に建てたタワー住棟がスペースの包容感を高めます。そして橋の下は閉じて、広大な公共空間として利用します。

 本作は私がNew YorkにあるPratt Instituteでアーバンデザインを専攻した際に制作したスタジオワーク(考えることに主眼をおいた設計課題?)の一つです。 講師はBattery Park Cityの実現に大きな役割を果たしたStanton Eckstut氏とその教え子であるRandy Morton氏。鋭い課題設定と意表をつく進行の連続で非常にタフなスタジオでしたが、新しい扉がバンバン開くような発見と興奮に満ちた15週間でした。時期は1993年秋学期です。原題は「A River in the City」といいます。こちらにも写真を載せているので、合わせて御覧下さい。

 対象地域現況。手前がManhattan、奥がBrooklyn、間にEast River。橋は手前からBrooklyn Bridge、Manhattan Bridge、Williamsburg Bridge。
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 一つ目のスタディモデル(検討用模型)。水色のスタイロフォームが提案部分です。中央に二つの歩行者橋が見えます。考えることが主眼のスタジオだったので、毎回テーマ設定されてその度に作り変えていました。考えることと手を動かすことを同時に求められる点では、実務より大変でした。
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 二つ目のスタディモデル。オープンスペースが立体的に見えるよう少しスケールアップ。角にタワー住棟が建っています。この頃になると頭の中には建物のイメージが浮かんでいて、ここから光が入ってとか思いながら作っていました。
newyork_199310-3.jpg

 タワー住棟とアーケードの部分模型。最終発表会直前に作った勢いの産物です。この頃は街(の構想)から建築(のスケール)まで飛躍することにとてもこだわっていました。今でも大事だと思う点では同じですが、実際の仕組の中で自分がどういった役割を果たせるかを考えるようになりました。
newyork_199310-4.jpg

Posted by mizdesign at 2005年04月27日 09:20
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コメント

ぼくは研究室では集落調査ばかりしていたので、スタジオワークの体験はありません。しかし、ぼくがいた大学と南カリフォルニア大学が共同でスタジオワークをしていました。日本で開かれたとき、プレゼンを見ましたが、アメリカの学生は自分の提案を120%語る努力をしていました。日本の学生は、「言いたいこと分かってほしいなあ」という感じにみえました。
 mizdesign氏は、いい経験してるなあ。

Posted by 佐藤K(KAZZ Satoh) at 2005年04月27日 14:37

移ろいがでたり、アーバンデザインがでたり、よくもまあこんなに話がつながってくるものだと偶然性に驚きます。面白いです。

Posted by mizdesign at 2005年04月27日 20:03
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