2002年02月03日
●イメージとプレゼンテーション
設計を進める際には非常に多くの要素を考えあわせます。敷地、規模、構法、コスト、間取り、使い勝手、見え方、中と外の関係、素材等。散々迷ってボリュームや配置を大まかに決めると今度は延々とその周辺、中外を歩き回ります。もちろん実物はまだないので、ラフなプラン、パース、模型を手がかりにして頭の中でイメージを思い浮かべます。外から見ると建物が単調すぎるかなとか、庭から見上げると屋根線と空のコントラストがきれいだなとか、ここから2階を見上げてうるさいって怒ると子供が顔を出してごめんなさいって謝るんだよなとか。根本的なことから些細なことまで様々な角度から検討し、変更点を図面に反映させてゆきます。
ああなんて良い空間なんだと思えるくらいにまとまってくると、今度はそれを御施主さんにプレゼンテーションする作業に入ります。広さ、高さ、つながりを客観的に伝えるために各図面を仕上げます。一連のイメージの中から名場面を抜き出してパースとして仕上げます。簡潔に、明快にコンセプト等の文章を添えます。提案書というのは、一連のイメージの骨組みたいなものです。
その際、なるべくダイレクトに頭に描いたイメージを伝えたいと思うのですが、なかなか難しいです。扉をガラッと開ける時の期待と目の前に広がる眺め。晴れた冬の日に太陽熱暖房でポカポカした床暖房の気持ち良さ。仕事から帰ってきて浮かび上がる特徴的な我が家のシルエット。このプレゼンにそれらが盛り込めているだろうか?イメージが相手方に伝わるだろうか?いつも悩みます。CGが使いやすくなって、光や質感の表現、見えがかりの検討が随分楽になったとはいえ、それは道具が増えただけです。逆にCGがだらだらと並ぶだけのプレゼンは苦痛ですらあります。結局、イメージの組立はベストか、表現は最適かなどの問いかけを時間の許す限り繰り返しています。ここ10年で道具や周囲の状況は大きく変わりましたが、大事なところは変わらないと思います。
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